2010年12月23日木曜日

ドイツで鍛える生活 #48

**** 不便な生活をフツーにする方法 ****

冷蔵庫を壊したのが先週。
(参照: ドイツで鍛える生活 #47
食料はすべて窓の外に避難させたが。
なんせ寒すぎて凍る。
よって。
卵は破裂のするかもしれないので部屋の中。

しかし。
ドイツの卵は糞がついてたり、
鳥の羽がついていたりして。
まあ、わりと生々しい。
そして。
部屋の中は暖かい。
無精卵だとは思うが…。
もし雄鶏が乱入して犯されていたりしたら…。
『……… 』
もーっ!産まれちゃうーっ!
と。数日、やきもきしていたのだが…。

ハウスマイスター(家の管理&ケアする人)が。
冷蔵庫を見に来てくれた。
で。
『コワレタ。チベタクナリマセン』とだけ。
オウムのように言っていたら(単にドイツ語が苦手)。
本当は自分で壊したのだが、自然に壊れた事となり。
なんか新しい冷蔵庫手配してくれ。
1週間以内にすべて解決。
もー。感激。

なんでこれくらいで感激するのかというと。
基本的にドイツの生活は日本より不便である。
サービス業が発達していない。
(重要視されていないとも言う)
よって。
何かを手配する。
というのがわりと難関だったりする。
(参照: 便利と優雅の関係性 )

そんな中。ドイツ人は。
どう暮らしているかというと。
基本的に自分たちでできる事は自分たちでやる。
(参照: 基本複数形社会
デカイものを買ったら、
自分たちで車の屋根にのせ運び。
引越ししたら。
キッチンを取り付けたり、壁を塗ったり。
まあ。なんでもやるわけです。

で。ここで重要になってくるのが。
周りの人々の協力。となる。
ま。私は単身ドイツに乗り込み。
周りに人がいなかったために。
『鍛える生活』になってしまったわけですが…。

そういや。先日。
ルーマニア人ボスが。
クリスマスイブに休暇でルーマニアに帰る。
という話をしていたのだが…。
12月24日はもう世の中が動いておらず。
(ヨーロッパのクリスマスは日本で言うお正月と同等)
空港から街に行く長距離バスの運ちゃんも休むので。
交通手段がないとのこと。
で。彼の故郷は空港から400 km。

「えーっ。どうやって帰るの?」
「まあ。当日、友達に電話すれば誰かしら車で来てくれるでしょ」
「えーっ。400kmの距離を?」
(東京、大阪間を『今から迎えにきてー』とか言うわけ?)
「友達なら400kmくらいがなんだ?」
(えーっ!往復800 km…)
「オレだって600km の道のりを迎えに行った事がある」

はーっ! やっぱり。
社会が不便であれば不便であるほど。
頼み事もデカイ!
ま。ドイツはここまでの事はないけれど。
でも。基本的な解決策は皆同じなのである。
周りに頼む。
で。世の中が不便な分。
皆。日常的に頼み慣れている。
ってか、12月24日がそんな状況なら。
その日を避ければいいのに…。
というのは日本人的発想なのか。
前もって誰かにお願いしておくとか…。
あー。でも。
別の楽しそうなイベントが後から入ってしまうと。
わりとそっちに平気で行っちゃうのね。皆さん。
よって。前もって約束する意味もない。
(この性質は欧米系共通か、欧米の一部の国に多いのかは不明)

そういや。日々の協力事では。
うちの会社でも思い当たる節がある。
オフィスは駅から3.5km。
バスは1時間に3本しかない。
車で出勤する、とある同僚は。
毎朝。電車で来る同僚を。
駅で拾ってから会社に来たりする。
で。その車のない人、帰りはどうするかというと。
同じ時間に終わりそうな人を捕まえ。
また、『送って〜』と言うわけである。

ウーム。毎日、帰る手段をアレンジ。
これ。私だったら。
毎回。誰かに頼むのがかなり苦痛だ。
20分に1本のバスに合わせて帰る方が気楽だ。

結局。
不便な生活をフツーな生活にするカギは。
周りの人々を使うこと。

これねー。
かなり性格的な変更も要求されます。
30代も半ばから、性格変更か。キビシイ…。

ま。とりあえず。
冷蔵庫が来てよかったー。
卵も外で破裂しないですむし。
(って、なんか冷蔵庫の用途が日本と違う気が…)。
ヒヨコも産まれないで済むし。
だから。無精卵だってばーっ!
でも。ヤラれてたら…ねぇ?

photo: 自然冷蔵庫からフツーの冷蔵庫へ

2010年12月14日火曜日

ドイツで鍛える生活 #47

**** フツーの暮らし ****

冷凍庫の霜を。
ガンガン調理ばさみで削っている途中。
冷凍庫本体のフロンガスのパイプに命中。
プシュ〜っ。プシュ〜っ。
とガスがすごい勢いで吹き出し。
冷蔵庫本体が死亡した…。

あーあ。
固まった霜が。
ごそっとそげ落ちる快感に。
酔いしれた代償は。
あまりにもデカかった…。

大家の冷蔵庫だから。
弁償しないといけないのだが…。
しかし。これ。
金を出しさえすれば即解決する問題でもないのだ。
古いものの引き取りや配達日の手配。
日本みたいに。
配達の時間の指定は細かくできないし。
夜は配達してくれないし。
土日の配達はないし。
(土曜日はしてくれるところあるかも)
で。私は。
配達される時間帯は家にいない。

そして。苦手なドイツ語でのやり取り。
これはまあ。
勉強していないので自業自得であるが…。
ともかく。
このへんの問題をクリアしないといけないのだ。
あーあ。霜取り。
ほんと。余計な事をした…。

ま。気を取り直して。
とりあえず、自然冷蔵庫。
窓の外に食料を移動。

そして。翌朝。
外に出しておいた牛乳を取り出すと。
カチンコチン。

牛乳パックを破き解体し、
四角くなった牛乳を手で掴んで。
包丁で必要な分だけ牛乳を切り、鍋に入れる。
なんだこの生活。
エスキモーか…。

はい。次。
シャワーを浴びる。
あれ〜。お湯が出ん。チベたい…。
時間帯が悪いのか。と思い。
またいそいそと服を着る。

次。
四角い牛乳が液体になったところで。
カプチーノを作る。

さて。シャワーはどんな案配かと。
もう一度試すと。
おおっ。お湯が出たが。
ウーっ。ぬるっ。
どうもうちは外が寒いと。
ぬるーいお湯しか出ないのよね。
まあ。仕方ないのでそのまま浴びる。
あー。ぬる〜い。
もう何ヶ月、熱いシャワーを浴びてないことか。
熱いシャワーを浴びたいなー。

と。まあ。
会社行く前の朝だけでこんな状態。

もーーーーっ!
こんな事。
東京にいた時は思ったこともなかったが。
なんかフツーの生活がしたい…。
どこぞのアイドルじゃないが。
もう普通の女の子に戻りたいっ。
とは言わんが(女子キャラじゃないしね)。
もう普通の暮らしに戻りたいっ!

でも。ドイツ人たちは。
なーんの問題もなく。
フツーに暮らしているように見受けられる。
でも。それは。
なんでだか。
なーんとなくわかるのよね。

次号では。
そのからくりを。

2010年12月8日水曜日

ドイツで鍛える生活 #46

**** ドイツの鋼のハート****

ドイツ語で。
ぜーんぜん…でない。というのは。
ガーニヒト…。という。

昨日。パン屋に立ち寄ると。
カマンベールチーズを載せたパンがあったので。
『カマンベールのパン一つ下さい』と私が言うと。
パン屋のお姉ちゃんは。
「あなたが何言っているか、
ガーーーーーーニヒトわかんないんですけどっ」
と。言った…。

☆×△◎!?
あー。もうびっくりした。
もー。何もねぇ、そんな。
ガーーーーーニヒト(ぜーんぜん)って言わなくても…。
そりゃーね。発音悪いですよ。
『カモベールノパン、イッコクダソイ』
みたいに聞こえたかもしれんよ。
でもね。ゲルマンよ。
他の国では。普通。聞き取れない時。
『sorry? 』とか『えっ?』って聞き返すものなんですよ。
『パン一個下さい』で。
いきなり。
『あなたの言っている事、
ぜーんぜん、わからないんだけどっ』
と、客に言わないのよー。

しかし…。
これがドイツなのだ。
で。こういう事がよくあり、凹むのだ。
ま。ドイツの洗礼みたいなもんです。

で。この洗礼がなかなか慣れない。
私なんてもうドイツに計3年以上いるが。
(ドイツ撤退&参戦を繰り返して計3年半)
今だにすごいダメージを受ける。

昨日は。ガーーーーニヒト。
と。パン屋で言われた瞬間(これまた表情もコワイ)。
胸に直径20cmの真っ黒い穴がぽっかり開き。
急にしょんぼり…。
気の抜けた幽霊みたいになってしまい。
怒られながら買ったパンの袋をぶら下げ。
なにも。そんな。
ガーーーーーーニヒト
って言わなくても…ブツブツ。
と。うなだれながら。
テクテクと40分ほど歩き会社に行った。

そう。ここでは。
いちいち壊れているような。
もろいハートでは住めないのだ。

しかし。
いちいちヨロめいている私でも。
わかっているのだ。
彼らが怒っているわけではないことを。
パン屋のお姉ちゃんも怖いバスの運転手も皆。
普通に言っているだけの感覚しかないことも。
そして。その。
はっきり言うのが。
ゲルマン流のやさしさだということも。
私は知っているのだよ。

でもね。
そのゲルマン流のやさしさを本当に理解し。
それがやさしさだと感じられるようになるには。
ガラスのハートではダメなのだ。
はがねのハートを持ちあわせて。
初めて理解できるもので。
おそらく。鋼同士で同じ土俵に立ち。
ぶつかると見えるものなのだ。
片っぽが土俵に立つ前から。
あ〜っ。ヨロヨロ。と倒れていては。
鋼のハートの神髄は理解できない。

強靭な鋼のハートか。
なーんかあんま持ちたくないような響きだが…。
持てばゲルマン社会で楽になるのは確かだ。
しかし。鋼のハートを得ると。
何か失うような気がする…。

さあ。今日も。
パン屋に行かねば。
昨日と違うパン屋にいこっと。
でもあそこのオネエちゃんもコワイのよね…。

よしっ(←気合い)。
強靭な鋼のハートを持って。
パン屋へ行って参ります!
あー。そんなもん。持ちたくねー。

2010年12月6日月曜日

ドイツで鍛える生活 #45

 **** アウトロー病再発 ****

夜。会社帰り。
大寒波到来。
頭をニットキャップ+ダウンのフードで覆い。
足はヒートテック+ ジーンズ+ロングブーツ。
で。完全防備のつもりだったが…。
ダウンジャケットをもってしても冷気が染み入る。
ウ〜。布団を着ていもダメってことか。

バスはあと20分来ない。
フリースの手袋も既に意味なし。
まずい。これは動くしかない…と。
次のバス停まで歩き始めたが。
これが間違った判断であった。

歩いて温まるかと思ったが。
ビュンビュンとマイナスの風が吹く郊外では。
一歩一歩、前進するのがやっと。
温まるどころか体力が消耗するだけ。

ヤバい。この遅さでは。
最終バス(19:30)を逃す。
逃したら死んでしまう〜。
うーっ。手が…。凍傷になるー。
(街から4キロの郊外で凍傷はおかしいっ)
顔がイテー。
そして。顔からは機能障害のような鼻水が流れ出るが。
どうすることもできず。
周りはというと。
暗闇の中を。
車がビュンビュン走っているが。
歩いている人なぞ人っ子一人いない。
あ。チャリンコが一台通った。
が…。彼はもう目以外、全て覆われていた。

『寒い』という形容詞を超え。
ただ。ひたすら。
イ、イタイ。ヤバイ…。これは…まずい。
と心の中で繰り返した。

きっと。この瞬間。
私は植村直己に近づいたんじゃないかと思う笑。
(↑おこがましい)

まさかバス停1つ歩くことが。
こんな冒険になるとは思いもよらなかった。
おそろしや〜。ドイツ。

しかーし。
この寒さとももうすうぐお別れ〜。
そう。今や。私のライフワーク。
レッツ・ゴー・ジャパン!
日本へ向けての就職活動!
(参照: リューベック脱出計画

しかーし。
再びチャレンジしたものの。
書類であっけなく敗退…。
実は。今回。
あっ。この会社。気が合う!
と思っていたのだが。
そう思っていたのは自分だけであった…。
さすがに今回は反省。甘かった。
以下。私の分析↓

    * * * * * * * * * *
日本では派遣切りだけど。
見ろ!ドイツでは雇われたぞ!
アハハ〜。人生初の正社員。と。
私は。ず〜っと。
恥ずかしい勘違いをしていたのだ。

そもそも。
なんでドイツで就職できているかというと。
ドイツでは。
フルタイムで働く場合=社員。
というカテゴリしかないので(基本ね)。
日本では派遣レベルの仕事の技能しかなくても。
自動的に会社員になるわけである。

しかーし。
日本では。これは。
社員レベルでなく派遣レベルの仕事なのだ。
つまり。
30半ばの人が就職するには。
最低でもプロジェクトリーダークラスでないと難しい。
       * * * * * * * * * *

きっとこんな感じなのだと思う。
というわけで。就職断念。
日本でアルバイトから始めようと。
考えを改めた。

しかし。これ。実は…。
私の永遠の夢 、アウトロー。
に近づいているのではないか。
(私のビョーキ。参照: アウトロー
とも思ったりもするが…。
やはり違う。
稼げないアウトローはプータローである。

だいたい。
結果として社会から外れるのがアウトローで。
アウトローに憧れている以上。
それはアウトローにはなり得ないのだ。

よーし。アルバイト探し。
こうなったら。
絶対。面白いことやってやるー。
そう。諦めなければ。
道は開けるはずなのだ。

ン!? いや。
また勘違いしているのだろうか。
ま。とりあえず。
呼ばれてもいないのに。
日本に参戦するわけだから。
乗り込み時期を自分で決めますか。

よーし。
バイトで小銭をかき集める生活からスタートだ。
きゃー。なーんか。
アウトローみたい!

と。思っている以上。
自分はアウトローじゃないんだよな…。
(↑ビョーキだからこうやって日々言い聞かせることが大切)

2010年11月24日水曜日

ドイツで鍛える生活 #44

**** 緊急事態発生 ****
※警告: 食事中の方、想像力たくましい方には、
不適切な内容が出て来てきます。

日曜日の朝。
トイレに行って手を洗おうとすると。
蛇口から。
シュポ。シュポシュポシュポ。シュポ〜。
シュルシュルシュル〜。と音だけした。
えっ!?
シャワーも同じ。台所もっ。

えーっ。 家中の水が出ん…。
もー。ショックすぎる…。
しかも日曜日。街は死んでいる。
(ドイツの日曜日は店が全部休み)

さあてと。どうすっかねえ。
昨日の残りのお茶で歯を磨きながら。
今現在ある水をチェック。

エスプレッソマシンのタンクに500cc。
BRITAの容器の中に500ccの水が残っている。
昨日の夜、作ったお茶が700ccほど。
豆乳も1リットルある。

うーむ。これで今日はしのげるか…。
しかし。ハウスマイスター(注1)は。
(注1: 家のケアをしてくれる管理人)
『どうせ、元栓が閉まっているんじゃないのー』
と。言うに決まっている。
そこをなんとか力説し、明日にでも来てもらわないと。
(今日は所詮無理と思っている←ちょと悟りの域)
あー。ドイツ語で電話。気が重い…。
とりあえず。
電話用のカンペの下書きを始めた。
あれ?元栓ってドイツ語ってなんて言うんだ?

そこへ『トゥルルルッ』と電話。
同じ地区に住む日本人からであった。
「水が出ないのー!」と。私。
「ああ。やっぱり…」

なんでも。
リューベックに供給する水のパイプが壊れたとかで。
街中に水が供給されていないらしい。
で。その家はまだ水が出ているとのこと。

なぁーんだ。そうだったのかっ!
それを聞いてなんだか妙に安心してしまった。
だって。自力でこの難問を解かなくても。
おうちでじっとお座りしていれば。
市が勝手に解決してくれるんでしょ。
あー。よかった!
他人まかせとはなんて楽ちんなんだ!

さてと。
復旧はいつしてくれるのかなー。
お皿を洗ったり洗濯はできないけど。
さっき。トイレの水は流れたし。
そのあと水がタンクに流れ込む音もした。
ということは。
トイレだけは大丈夫ってことか。
じゃあ。いっか。と思っていたのだが…。

再びトイレに行き、ボタンを押すと。
なんとっ。
ジャっ。で終わってしまったっ!
ン!?ジャージャー。って言わなかったぞ。
えっ。ヤバイ。
実は…。
ヤバイものをしてしまったのだ…。

とりあえず。
トイレットペーパーを大量に投入し封印。
見なかったことに。
『……… 』

まずい。
これは大変だ!大事件じゃないかー!
街中。皆。
両手にやかんを持って行き来しているに違いない。
あの家もいつまで水が出るか…。
『水を汲みに行かせてー』と先ほどの家に電話し。
急遽。ありったけの容器をかき集め通りに出た。

しかーし。そこには。
いつもと変わらぬドイツの日曜日があるだけで。
容器を抱えて歩いているのは私だけ。
皆。普通にブラブラ〜とお散歩をしている…。
えっ。なんでだー!?

               * * * * * * *
そのお家に行くと。
同じ地区なのに水が出た。
ま。ここもいつ出なくなるかわからない。
ということで。
バスタブにはたんまりと水が貯めてあった。
ついでにトイレも行っておこうと思ったのだが。
私が行って『ジャっ』で終わってしまったら…。
そんな忘れものを残していったら…。
このリューベックで貴重な日本人一家に。
もう二度と会えなーい!と思うと。
『トイレ貸して』とは言えず(←小学生かっ!)。
結局。4リットルほどの水を抱えて。
トボトボと家へ帰った。

ウーム。あの封印したもの。
あれはどうしようかなあ…。

家へ戻ると。やはり水は出ない。
参った…あれと共存せねばならぬ。
しかし。
皆はどうしているのだろうと思い。
ネットのニュースを見ると。

         * * * * * *
復旧の目処はたちません。
警察には100本以上の電話がかかってきており、
パンク状態なので。
もう警察には電話しないでください。
* * * * * *

とのこと。
なんじゃー。その。電話してくるな発言は〜。
しかし。100本って〜。
街中の水が止まっているのに…それだけ?

で。ニュースのコメント欄を見ると。
『ま。僕はそんなにシャワー浴びないしね』とか。
えーっ。やっぱ。ヨーロピアン、毎日シャワー浴びんのかっ)
『ま。うちはペットボトルの水が何本かあるから平気』とか。
『明日になっても復旧していなかったら、
明日の朝。炭酸の入っていない水を買ってこよっと』とか。
(ドイツのミネラルウォーターはガス入りが人気で主流)
そんな調子なのだ。

もう。さすが。
ある意味。尊敬に値する発言。
やっぱ。皆、不便な生活に慣れている。
えーっ。ってか。
みんな、トイレは〜?どうなのよっ!

これで私は確信した。
前にも言ったがドイツで鍛える生活 #4)
優雅な社会とは不便な社会である。
不便な社会とは優雅な社会である。

日本がゆとりある生活に憧れるなら。
便利さを捨てる覚悟を持つこと。
そこを見ずして。
日本は欧米社会を羨ましがってはならぬのだ。
いいですかー。皆さん。
ヨーロッパの休める社会は優雅であるが。
不便なんですよー。

この世には。
代償を払わずして手に入るものなど。
なに一つとしてないのだよ。

           * * * * * *
午後4時。8時間ぶりに水が出た。
もちろん。まっさきに。
トイレのボタンを押した。

ま。今回は珍事だったとしても。
やっぱり。私は。
トイレの水を。
明日流せばいいやなんて思えない。
そんな域までいけるのか…。
いや。そんな域までいきたいのか。

修行は続きます…。

p.s. 13万世帯の水が止まるという…さすがにこんな事件はドイツでも珍しいらしい。

2010年11月16日火曜日

ドイツで鍛える生活 #43

****  外から見るドイツとニッポンとイタイ人 ****

一時期やっていた。
レッツ・ゴー・ジャパン計画。
日本へ向けての就職活動であるが。
リューベック脱出計画
どうなったかというと。
念ピンポイント方式で書いた履歴書も外れ。
(ドイツで鍛える生活 #38 )
結局。どこも受からなかった模様。
ありゃー。おかしなあ。
念が足りなかったか…。
またどっか応募するかねぇ。
それか。雇われが無理なら自分で仕事を作るか…。

しかしまあ。
英語はたぶん犬以上理解していると思うが。
ドイツ語は間違いなくチワワ犬より理解していないし。
満足に操れるのは日本語だけ。という人が。
なぜ。ドイツで職があって日本でないのだー。
こんな人。いるのだろうか?
ドイツの会社で働きたい。
という日本人は沢山いるだろうに…。
(その夢想のドイツにリューベックは入ってないか…)
ま。なんか世の摂理を見ているような気がします。

さて。私のゲルマン不信症。
今や。年末の日本行きのE-ticketが来たにもかかわらず。
なんかのミスでこれだけ席が取れてなかったりして〜。
と思ったりする始末。
もー。ここまでくると完全にビョーキである。 

でも。 
世の中は自然にまわるものでなく。
ここでは。 
世の中は自分で押してまわすもの。
確認して押す姿勢が大事である。

ま。それだけ信じていないドイツ。
散々。不満も言ってきたし。
ここでもドイツをほとんど褒めていないが。
それでも。
えー。なんかドイツって…イマイチ。
日本が一番。とか言われると。
非常に腹立たしいのである。
かといって。
『えー。いいじゃーん。ドイツっ!』
みたいな女子の発言も非常に腹立たしく。
なんというか。こう。
両者に共通する絶対的経験の不足と。
視点の狭さと。
よいか。悪いか。という。
その2極的思想が気に入らないのである。

じゃあ。海を超え。
ドイツに住んでいる日本人や。
海外に住んだことのある人が。
もう日本なんてバカバカしくて。とか。
私は日本はダメだわ〜。
と言う分にはいいかというと。
それはそれで。
やはり。腹立たしく。
また。イタくもあるのだ。

いや。確かに。
見方によってはそう感じるのもわかる。
でもねえ。
20代の人が言っている分にはよい。
しかし。30歳を超えてそれを言うとイタい。
で。わりと。
そういう人を沢山見て来たのですねぇ。

自由であってもいい。
自由に発言してもいい。
ただ。
イタイ人になってはいけない…。

イタくみえるのは。
そこに矛盾と無理があるからである。
言動や物事に芯が通っていれば。
いくら無様な姿でもどこかに威厳があり。
イタくみえないはずなのだ。

ン!?私のリューベック生活は。
やっぱり。イタく見えるのだろうか…。
ああ。それはキツイ…。

2010年11月9日火曜日

ドイツで鍛える生活 #42

**** 時空と異次元 ****

三途の川を渡り。
あの世(=リューベック)に来てからもうすぐ1年。
たった1年なのだが。盛り沢山すぎて。
自分としては7年くらいに感じる…。
日本に居たことがもう遥か昔なのだ。

なんといいますか。
浦島太郎が竜宮城で経験したように。
人間。あまりにも異次元に来ると。
次元だけでなく時空をも超え。
時間という軸にさえも異変が起きるのだ。
まあ。私は。時間という軸を信じておらず。
時間が一定であるとも思っていないのだけれど…。
(アインシュタインのように説明できないので割愛す)

ま。ともかく。
その地球の時間軸で言うところの1年前。
あの日。あの世の入り口。
ハンブルグ国際空港…。
この『鍛える生活』も。
そこからすべてが始まった…。

             * * * * * * * *
飛行機がハンブルク空港に着陸すると。
天井からビートルズの"Norwegian Wood"が流れ、
過去の記憶がどっと蘇り、激しく動揺したのは。
村上春樹の『ノルウェイの森』に出てくる "僕、37歳" であるが。

1年前。同じく"マユゲ、35歳"も。
ハンブルグ空港に到着すると。
ノルウェイの森の"僕"と同様。
こちらは過去でなく。
これからやってくる未来に激しく動揺していた。
("Norwegian Wood"は流れていなかったが)

あの日。空港を出たタクシーは。
アウトバーンをずんずん暗闇へ向かって走っていった。
暗闇を走っても走ってもまだ着かなかった。
いったい。ここはどこだ?
どこに来てしまったのだろう…(←超ションボリ)。

20代後半から30歳にかけて。
何回かこうやって鞄ひとつで海外に引越し。
その度に空港で死ぬほどの不安と戦ったけれど。
あのころはそれでも。
プータローであるがゆえに。
いやだったら。格好は悪いが…帰ればいい。
という逃げ道があった。

しかし。今回。
仕事という生活を守ってくれる砦を得たがために。
砦と共に『足かせ』もできてしまった。
もう。勝手には帰れない…。
この『足かせ』がズシ〜ンときた。

そして。
あの暗闇のタクシーの中で感じた不安は。
やはりそのまま的中した。

まず。あの世の洗礼。
2ヶ月半の洗濯物、手洗い地獄。
つたないドイツ語で必死に家を探し、契約し。
入居したら電気が通ってなかったり。
ロウソクも使ったっけ…。
布団がないのでヨガマットの上で寝たり。
ああ。洗濯機事件もあった…。
(参照: ドイツで鍛える生活 #11
インターネットを契約したら繋がらなかった。とか。
また。100年に1度か2度の極寒の冬にも見舞われ。
数ヶ月間。雪の上をマウンテンバイクで。
コケそうになりながら通勤し。
最終的には自転車も凍った…。
このトンチンカンな生活…。

このトンチンカンっぷりは。
ドイツ語が不自由だったり。
厳しい気候もまあ原因ではあるが。
何よりも。やはり。
社会がなんとなくしか廻っておらず。
土日。世の中が止まっていたりとか。
客より、自分といった調子で。
サービス業が全く機能していないことに。
起因している部分が大きい。

同僚なんかを見ていると思うのであるが。
この国では。仕事も。
言われたことをやらないといけない。
という感覚がないのだ。
ここでは。言われたことは。
『自分なりにやる』ものなのである。
この『自分なり』がドイツ中。
猛威をふるっているので。
サービスセンターでも。
面倒だから『できません』とか言ったり。
戦えばやっと動く。といった調子なのです。

つまり。日本の職場では。
やる事はやらないといけないので。
働く場でストレスを感じ。
ドイツでは。
やる事は自分なりにやればよいので。
そのしわ寄せとして生活の場でストレスを感じるわけです。
(戦い慣れているドイツ人は何とも思ってないかも…)
しかしまあ。
この中間の世界というのは作れぬものか…。

先日。
年末(休暇)の日本行きの航空券をネットで予約した。
しかし。ゲルマン流の仕事を知っている身としては。
今や。なーんにも信じられない状態。
あー。この旅行会社の人たち…。
ちゃんと航空券、発行できるだろうか。
と、やきもきする始末である。
これは。かなり異常事態だと思うのであるが…。
ま。この異次元では日常がそんなかんじ。

おっ。航空券の確認証がメールで来た!
おお。よくできましたー!ドイツ人!(バカにしてんのか笑)

やれやれ。
年末。日本に戻ったら。
1人だけ7年分、年取っているのかあ。
いやだなあ…。
1人だけ老けているの…。

2010年11月2日火曜日

ドイツで鍛える生活 #41

**** 戦う社会と太い神経 ****

めでたーい感じで。
条件付きの契約を更新し。
思わず、ドイツ&ルーマニア全国民まで。
愛してしまった先週から一転。
(参照: ドイツで鍛える生活 #40
やはり。鍛える生活は。
なーんにも変っていなかった…。

月曜日。そこに待っていたのは。
チームランチ。そして。
How was your weekend? 
(参照: 孤独論 1,  拷問的挨拶

このhow was your weekend 攻撃。
だんだんひどくなって。
今や。発表会状態。
チームランチで席につくと。
「えーっと。じゃあ。誰から始める?」とかなり。
(誰からって何がじゃーっ!)
「so... how was the weekend, アンドレ?」となり。
(出たーっ!)
で。アンドレが答える。
土曜日はxxに行って…。
日曜日は誰々と○○をしました。
(もーっ。バカ者っ!そんなに詳しく言うんじゃねー。
後の人もそれに続かないといけないだろーがーっ!!)
「はい。じゃあ次。ガブリエル」
みたいな感じで一人ずつ。
土曜日は何をしたか日曜日は何をしたかと。
発表する事態になっているのだ。

なんじゃー。これ?!
このプライバシーのないかんじ。
ほんと。やってられん。と思い。
最近はテキトーに週末をでっち上げている。
ほんと。でっち上げまですると。
(まあ。こんな事しているのは私だけだと思うが…)
一体。だがための何のための会話なのか。
もう。意味不明。
これが脱出するその日まで続くかと思うと。
ほんとブルーだ。
しかし。こんな事態に陥っているのは。
ドイツ。ン千万人の中でも私だけじゃないのかー?
なぜこんなにも鍛えられねばならぬのか…。

そして。もう一つ。
待っているものがあった。
すんごーい量の仕事。
もう日本より俄然働いている。という状態。

こちらの会社というのは。
基本。日々追い立てられたり。
責め立てられたりするのが普通で。
意外とノンベンタラリンと仕事ができない。
プロジェクトが一旦、スタートしたら。
会社へ行ったが最後。
ほんと。毎日が戦いで日々ヨレヨレ。
もー。死んじゃうっ!というかんじ。
しかし…。皆もこんなに大変なんだろうか。
ふと。周りを見渡すと…。

『まあ。そんな事言われてもね。無理なものは無理だし』と。
わりとケロっとしているのである。で。
「ねえねえ。テーブルサッカーやろうよ」
とか誘ってきたりして。
もー。わたしゃ。クソ忙しいんだよーっ!!
ってか。お前も忙しいはずだぞー。
と、断ろうとすると。
『でも。ブレイクは必要だし…』とか、
懇願するような顔で言うので。
「ほな。まあ」と。またもや丸め込まれ。
テーブルサッカーにちょろっと付き合い。
再び仕事に追いつめられるという状態。

で。当然。
「スケジュールより遅れている!なぜだーっ!」
と責め立てられるわけであるが。
ここが外人。
誰もが、ものすごーく『弁が立つ』ので。
口からでまかせみたいな言い訳が。
スラスラスラ〜っと出てくるのだ。

しかも。皆、戦い慣れている。
たぶん。これは。
社会で日常的に戦っているからだと思う。

たとえば。
何か買ったばかりの物がダメになり。
取り替えてもらおうとお店に苦情を言いに行っても。
担当の人は面倒だから。
一回目は基本。『できません』という。
で。そこで引き下がらずに。
やれ、責任者を出せだのなんやかんや戦うと。
サービス機能がやっと働いて。
取り替えてもらえるわけです。
日本だったらその場で。
「申し訳ございません!お取り替えします」と。
すぐ終わることが。
そこまでたどり着くのに2週間とか。
1ヶ月以上かかることだってある。
サービスも戦って得るものなわけです。

朝。バスに乗れば。
お釣りのないように(大きい額を渡すと怒られる)
ピッタリの額をバスの運ちゃんに渡すと。
「どこにいくんだっ!」と。
朝っぱらから怒られるわけです。
(だからピッタリの額、用意しといたのに…。ションボリ)
で。Rの入っているバス停名なんかだと。
うまく発音できないので。さらに。
「huh?! どこかって聞いているんだっ!」
とさらに怒られるわけです。

この。サービスは戦って得る。
接客が無愛想。
給料の40%以上が税金。
(日本で28万くらいの給料の人でも扶養がいなければ40%取られる)
で。その税金は。
生活費が足りない家に十分な生活費として回される。
という社会。お肉券こそ支給されないけれど。
(かつて。社会主義国ではお肉券なるものが支給されていた)
この国は限りなく社会主義に近いような気がする笑。

戦闘態勢が必要な社会ではあるのだが。
これが日常の彼らにとっては。
戦っているという感覚はない。
バスの運転手の態度も彼らにとっては。
『質問された』くらいにしか感じていないはず。

そもそも社会がタフなので。
彼らも、ものすごーくタフに出来ているのだ。
そして。そのタフな社会を口で渡ってきているので。
誰もが異様に言い訳機能が発達している。
(テキトーな論理立てがうまい)

察するという機能が発達した私たち日本人は。
口の機能が発達しなかった。
和を重んじる私たち日本人は。
日常的に戦闘態勢である必要もなかった。

というわけで。
私なんかが仕事の遅れの理由を説明しても。
『そんなのは言い訳にならん!』
と一蹴されて終わりなのである。

           * * * * * * *
あー。また同僚がやってきた!
もー。今。遊べないからねーっ。
忙しいから。今ダメだからねーっ。
あんた達みたいに口からでまかせが出ないんだからーっ。
と。思っていたら。

「ねえねえ。夜とか街に1人で出かけるの? 」
「 …… 」

もー。そんな事、フツー。聞くかーぁ?
あのねー。単身で来たのよー。このド田舎にーっ。
察しなさいよーっ!
あー。察するという機能がないのか。
君たちには…。

あーあ。もー。
物事を察してくれる国に住みたい…。
バスに乗っても怒られない国に住みたい…。

そういや。日本に送った履歴書はどうなったんだろう。

2010年10月24日日曜日

ドイツで鍛える生活 #40

**** 最終決断(後編)****
前回までのお話↓
参照: 最終決断(前編)

私の人生を懸けて。
日本とのメールのやり取りが。
仕事そっちのけで始まった…。

友人A:運命に流されてみなよ。
マユゲ:えっ。運命ってどっち?
友人A:誘われるほうが運命。
マユゲ:えっ。じゃあ。フランスじゃん。いやだー。いやだー。
友人A: 選択肢があるときは困難な方を選ぶんじゃなかったの?
(人生選択の方法: 失業ブルース#3, ドイツへ引っ越し#3
マユゲ:そうだけど…。
人生の選択はハードコアな方を取るべきだけどっ。
精神崩壊したら終わりなのよーっ!
冒険もそのへんの節度をもって冒険しないといけないのっ!

別の友人も参加:
友人B: 辞める時期もマユゲの勘だよ…。
マユゲ:でも。ここの生活がいやだから辞めるなんていうのは。
単なるわがままかも。今、簡単に日本に帰ったら。
神様から罰が与えられて仕事が見つからないかも…。
でも。あと半年ねばれば。
ご褒美に日本でも仕事をもらえるかも…。
友人B: そっかー。難しいねえ。 じゃあさ。
色々、契約に条件出せばいいじゃん。

再び友人A: もー。どれだって同じだよー。

ドイツと日本とフランスと。
どーやったら同じになるのよーーーっ!(←キレ気味)
でも。そうかも。結局。私は日本で4年半。
安定したヌクヌクした生活を送った。
これから4年間はどこ行っても転落人生ってわけか。
そういう意味では同じかも。
じゃあどこで転落するか。という選択なわけだ。

タイムリミットは刻々と迫る…。
もー。わかんなーい!というわけで。
コインを投げた(職場が個室だからこんな奇行もできる)。
10回投げてドイツだったら私は腹をくくる。

1回目-ドイツ。2回目-ドイツ。3回目-ドイツ。
ふう。『ドイツか… 』
4回目-日本。5回目-日本。6回目-日本。
『…… 』
ここでアホらしくなってやめた。
やっぱり、裏と表しかないから50%の確立ってわけか。
自分の頭で考えろってわけだ。あと半年か…。

友人B: だからさ。半年以内でも東京で仕事が見つかったら。
辞めてもいいみたいな契約にすればいいんだよ。
言ったもん勝ちだよ。
マユゲ:そっかー。
再び友人A: 日本は不況だよー。

夕方5時。ボスを捕まえた。
Can we talk now? Of course.

            * * * * * * * * *
私は辞めるのを半年延ばせる。だけど。
でも…。なんといいますか…その…。
半年以内でも日本で職が見つかったら辞めてもいい?

ボスはちょっと考えた後、OKと言った。
でも…。と私。
辞めるって分かっている人を雇いたい?いいの?
と聞いてみた。

普通は雇わない。なぜならば。
辞めるってわかっていると、人はちゃんと働かない。
だけど。君はそういう事する人じゃないから。と。
ニコッと笑ってボスは言った。
半年延長。日本に仕事が見つかったら1ヶ月前に言うこと。
これがボク達のAgreementだ。いいね。
ま。普通、こういう事しないけどね。
と言って。またボスはニコっと微笑んだ。

この瞬間。私はルーマニア全国民を愛した。
君たちがジャカイモと肉しか食わなくてもいいっ。
私は君たちが大好きだ。
そして。この決定は。
ドイツ人の一番上の大ボスまで伝えられ、承諾された。

辞めるのを前提で正社員で契約。という。
不思議な契約。
良識が常識を超えた…。
これは私が見たかった世界だ(参照: はかなき常識 )。

もちろん。これは。単に。
会社側としても都合がいいだけかもしれない。
でも。それでもいい。
たぶん。私は。
これからどんなに嫌なドイツ人とルーマニア人に会っても。
ドイツとルーマニアを心から嫌いにはなれない。
ま。こういう個人ベースで通じ合うことが。
国際平和みたいなものなのかしらね。
だって。その2つの国。もう憎めないもん。

日本の若者よ。よーく聞け。
レールから降りて自ら脱線せよ。
日本を出よ。世界は広いのだよ。
日本の下らん服装規定や。
軍隊チックな就業規則を止め。
残業地獄を止め、人間的な労働環境にするには。
皆が外に出て見聞してこないといけないのだよ。
そして。
そういう人たちが日本に戻って偉くなって権限を持ったとき。
ニッポンの会社が変わればいいなって思うのですね。

若者よ。日本を出よ。
そして。私に職を明け渡しなさい(←結局これが言いたい)
オバハンはもう世界で冒険してきました。
帰る場所が欲しいのです。

                   * * * * * * *
契約の決定をメールで日本に伝えたら、友人は言った。
「でもさ。来月とかに日本で職が決まったらどうするんだろうね」
『………』
あー。そんなーっ。そんな非人道的な事になったら…。

ともかく。残された日々。
私は。彼らに愛されるように過ごそうと思う。
彼らがどんなに嫌な日本人に会っても。
日本が嫌いになれないくらい。
皆にね。愛されるようにね。
1人にだけ愛さてしまわないように気をつけながら…。
だって。1人に愛されてしまったら。
脱出できなくなるしー。

ってことは。ン?あれっ!?
恋愛禁止ですかー。えーっ。
やっぱり。ここ、絶対。お寺だーっ!禁欲だーっ!

というわけで。
リューベック寺での生活はもう少し続きます。

p.s. 夜中に。日本から私の人生ゲームのコマを進めてくれたみんな、ありがとう。

2010年10月21日木曜日

ドイツで鍛える生活 #39

**** 最終決断 (前編) ****

この街に私の生活はない。
プライベートが充実していなければ。
仕事にも情熱がもてない。
だから。
プライベートライフは仕事よりも。
優先されるべきものだと思う。
私は仕事より。
プライベートライフを取る。

契約更新インタビュー。
辞めると言った。

ボスは私に無期限の契約書を用意していたが。
(ヒェ〜ッ!60歳までいられんがなーっ!)
この言葉を聞いたボスは納得した。
彼はルーマニア人。
やはり。仕事のためにドイツに来た。
彼の奥さんは。
誰も知らないこの街で。
この閉ざされた私生活の虚無感に耐えきれず。
自国に戻った。
彼は単身赴任なのだ。
そう。彼にも私生活はない…。
しかし。彼は止めた。

君の言うことはよくわかる。
でもあと1年。
いや。半年。がんばろうよ。
その間に東京の仕事探せばいいじゃん!
明日。もう一回聞くから。ねっ!
と言って。最終決断だと言う私を遮り。
1時間の面接は終わった…。

あと半年か…。ムリだー。
この不毛な私生活をあと半年はできない!
仕事のためにはいられない。
私は金よりプライベートライフを取る。
いや。待て。でも。
日本に。まだ私の生活はあるのだろうか。
もうないのかも…。
でも。ドイツにもない…。
結局。私は。
あの世(リューベック)に渡ったけど。
あの世にも入りきれず。
でも現世(日本)にもおらず。
三途の川で溺れているんだ…。
(参照: この世とあの世,  あの世へ行く意味


「マユゲ!」と声がした。
別の部署の子に呼ばれ、付いて行くと。
チョコレート買ってあげる。と言って。
10セント(10円)のチョコレートを買ってくれた。
みんな。やさしい…。
チョコレート。嬉しいけど。でもこの子。
私があと数年で40歳って知っているのだろうか…。


さて。自分のオフィスに戻ると。
ン!?フランスからメール。
パリのデパートで知り合ったあの人。
私とカンヌで。
セックス、ドラッグ&ロックンロールしたい、
(↑勝手に決めている)
あの女性である(参照: ドイツで鍛える生活 #37

ねえ。南フランスで仕事しない?
知り合いが仕事斡旋業やっているから。
仕事用意できるわよ。
今日なんてカンヌは25度よーーっ!

『………  』
運命よ。私をもて遊ぶんじゃないっ!無視!

帰り道。
トボトボとあぜ道を歩くと、もう泣けた。
こんな道を45分歩く
ドイツは引き止めてくれるのに。
よくわからんが。
フランスにも仕事あるのに…。
(なんでだー!?)
日本よ。君は振り向いてくれないのかい?

あー。大空よ。日本よ。
私を見捨てないでくれーっ(←魂の叫び)。
あっ。もしかしたら。
日本があの世になりつつあるのかも…。
もー。悲しーいっ!
どこにも属していない…。

夜。ベルリンの友達とSkype。
「もー。なんで、こう止められたりさあ。
なーんも関係ないフランスからも横やりが入るわけー?」
「トラップだよ。マユゲちゃん。トラップ」
そっか。わかった。罠か。
チョコレートも罠か…。

心は決まっている。
トラップには引っかからんぞー。
そもそも。私は男気あふれるので。
決断を変えたことなんてない!
だって。言った事を撤回するって格好悪い…。

今。日本が『あの世』になりつつあっても。
私はまだ三途の川にいる。
まだ間に合う。
今、戻れば間に合う…。

**** 翌朝 ****
Final decisionを掲げ。いざ出陣!と。
意気込んでいつものバスに乗り込んだはずが。
あれ〜っ。景色が違う…。このバス違う…。
途中で飛び降りたり、走ったりと。
奇行を繰り広げつつ会社到着。

よーっし。午後になった。
もう後には引けない。
そろそろ言わないと…。
ちょっと。一応。友達にも聞いてみよっと。
日本にメールした。

ここから数時間。
もう仕事そっちのけで。
数十本のメールのやり取り。
私の人生を懸けたギャンブルを。
皆が真剣に考えた。そして。
不動だったはずの何かが動き。
舵が急に大きく切られたのであった…。
最終決断 - 後編 - へ続く)



2010年10月18日月曜日

ドイツで鍛える生活 #38

**** 常識的就職活動と自己満足 ****

MC: 帰国ライブ(←想定)!イェ〜イ!
えーっと。これは。
肉とじゃがいもしか受け付けない同僚との。
チームランチの苦悩を唄った替え歌です(元の歌詞

♫ああ。料理することは。
難しいことじゃない。
ただ、食べたいものをー
つくればいいのさー♫
(中略)
♫だけど君たちはーっ、いつだぁーって
肉とじゃがいもしかーっ、
食わないーぃーよー♫
サビ:
♫今日だっーて君たぁーちーを想ーいながら
料理人は、作るよ。
だけど言えなかぁーったことーばがある。
短いから聞いておくれーよ♫
(ここで演奏を止める)
台詞: ああ。チームランチが…。
♫嫌いだあーったー。
(ジャーンジャカジャカジャカと演奏入る)

あれ。履歴書を書くつもりでPCに向かったが。
替え歌が1本できちゃった…。
そう。私は、これ以上就職活動できないのだ。
2件応募した。私はこれ以上もう書けない。

一般的に就職活動とは。
20件とか応募するようであるが。
私ははあの意味がわからんのだ。
その中の本命はほんの1、2件であろう。
それなのに20件出すということは。
自分の念と想いを20分の1にして応募するということなのだ。
本人は20件出した達成感もあり満足だろうが。 
実は。安全を狙っているようで。
非常に危険なことをしていると思う。

私は。もしこれ以上履歴書を書いても。
あの2件と同じくらいの情熱を持って応募できない。
だから。出さない。
私が採用する人だったら。
20件応募するような人を取らない。
だから。出さない。

今までもこの『念』ピンポイント方式で(笑)
狙った職を外さずに得てきたが。
今度は外すのだろうか。でも。
そしたら。もっと想いを込められるところに。
一件応募すればよい。それだけのことだ。
それでもダメだったら…。ウーン…。
あっ。替え歌専門の作詞家になろうかな…。
でも著作権がないから金にならないか…。
ウーン…。と、またもや迷走しつつ。
見えない先と対峙しているのだが…。

先日。ボスからメールが来た。
タイトル: Contract: 1 year interview
あーっ! そういえば。
一年ごとの契約であった!
あ。見えた! ドイツ撤退への一歩が…。
ボスとの面接は今週。
契約更新する気はないのだが何て言ってやめようか…。
『日本に住みたいから辞める』とか?
しかし…。

この街を気に入って住んでいる人に。
この街が嫌だから出たいとは言えない。
ドイツ人に。
日本の方がいいから日本に住みたいとは言えない。
そんな私個人の主観なんて彼らは一生知らなくていい事なのだ。
何事も『全てを言う』という行為には愛がない。
それは。自分がすっきりするという。
単なる自己満足である。
人間。全ての事実を暴露する必要も知る必要もないのだ。
あー。明日。なんて言おうかなあ…。

よし。ともかく。
何かが刻一刻と動きはじめた。
よーし。一個一個乗り越えれば。
日の出ずる国。ジャポーン。があるはずだ。
あれっ!?  しかーし…。
その『日の出ずる国』に私のものなんかあったっけ?
もう自分の家もないし…。職もないし…。
まあよい。行けー!日の出ずる国へ!
ニッポン!

2010年10月11日月曜日

ドイツで鍛える生活 #37

**** 迷走のススメ ****

「みんな大変な時期だったし忙しかったと思う。
おかげで◯◯と◯◯がリリースされました。Good Job guys!」
と。課の会議で言われて始めて知った。
えーっ。みんな忙しかったのぉ〜?
私、結構。暇だったんですけど…。
ウーム。
辞めるの言いにくいなあって思っていたけれど。
実は。辞めてもなーんも問題ないかもしれん…。

さて。私のリューベック脱出計画
目指せ日本!というわけで。
無事。履歴書も書き終わり2件ほど応募した。

しかーし。私。
履歴書に載らない履歴というのは沢山あるのだが。
(参照: 履歴書に載らない履歴 #1- 4
企業に見せられる職歴というのはほとんどなく。
見せられるのは直近の5年間のみ。
ま。5年の経験なんて大したことないので。
それを捨ててもよいわけで…。
つまり。何してもよいわけです。
そう。またもや超自由なのだ。

つまり。
すがれる経歴らしきものがない分。
前途は真っ暗であると同時に。
前途は無限に広がっているとも言える。
しかし。無限すぎるがために。
減った靴底を見るだけで。
『あっ。靴を修理する人になろうかなー』
とかなんとか思い始めたり。
もー。なんと言いますか。
迷走も甚だしいのです。

で。人生。迷走している時というのは。
ヘンテコリンな物事が寄ってくるもので…。
2週間前。パリのデパートで。
カンヌの海辺の豪邸にお住まいの。
アルジェリア人女性とお知り合いになった。
とは言え、5分間立ち話しただけなのだが…。
先日。メールが来て…。

ねえ。来月。会えないかしら?
今。カンヌは国際テレビ番組見本市をやっているの。
うちはねぇーっ! 毎晩パーティーなのよーっ!
パーティーよーっ!  PARTY!! と言う。

うーむ…。そのパーティーとやらは。
レス・ザン・ゼロ(*注1)のような世界じゃないだろうなぁ。
(*注1:  80年代のアメリカ映画。ロスの上流階級の若者がコカインとパーティーに明け暮れ、ドラッグに溺れていく様を描いたもの)
なぜ。君はそんなに私に会いたいのだ。
なぜ。カンヌで私と時を過ごしたいのだ。
えっ。まさかっ。ウーム…。

そう。これこそが。
自分が迷走している証なのだ。
ヘンな事が起きるのです。

そういや。昔。
ドイツで時給5ユーロで皿洗いしたりして。
やはり迷走していたとき。
日本人の物件探しのバイトに応募したら。
なんとその日本人。
ロシアに出入り自由な元武器商人!
戦地に武器を売るジャパニーズマフィア!
ヒョッ。ヒェ〜ッ!なーんてこともあった。
出で立ちも誰もが振り返るマフィア風。
結局。数日でビビって辞めたが。
あれも『迷走』が呼んだドラマであった。

人生は迷走すればするほど。
数奇な事が起きる。
人生が退屈だという人は。
迷走すればよい。
しかし。
迷走しつづけることはキツイのだ。

さあ。ここからのゲームは。
もう自分の第6感に従うしかない。
私の第6感よ。
私を正しい道へ導いてくれ。
カンヌは。
セックス&ドラッグ&ロックンロールですかー?
きゃ〜っ!
ああ。私のサイコロよ。
私をあまりへんなところに立ち寄らせないでくれ。
そして。3ヶ月後。
私はどこにいるんですかぁ〜?

ボードゲームの上でない。
本当の人生ゲームは続く…。

2010年10月4日月曜日

ドイツで鍛える生活 #36

**** リューベック脱出計画 ****

いよいよ。
リューベック脱出計画。
そのためにはこの土地以外に職を得ないといけない。
というわけで。
ずーっと、英語版、日本語版と。
履歴書を書いては改訂している。
昨日は10時間、今日も10時間。
それでもまだ一件も出来上がらないという有様。
あまりのストレスに途中、iTuneを起動し。
ワンクリックでアルバムを一枚買ってしまったりと。
迷走しつつ、履歴書と奮闘している。

何をそんなに改訂しているかというと。
もっとこんな風に言ったほうがいいのではないか。とか。
あ。あの件もアピールに付け足そうとか。
ウーム。ここの読点はおかしい…とか消したり。
句点を足したり消したりしているわけです。
そうこうしているうちに。
別な良いフレーズが浮かんだりして。
また書き直す←バカ。

さて。職探しをしていると。
いろいろと目に入る。
東京を目指しているのだが。
勤務地。北京とか。グラスゴーとか出て来たり。
ねえ。ロンドンに来ない? と言う人もいたりで。
その度に。
北京かあ…。東京に近いぞとか。
ウーム。ロンドンねえ。悪くないかも…と思う。
なんかこう。
言われる度に心が一瞬ブレるのです。

もうなんといいますか。
あまりにも失うものがなさすぎて。
あまりにも制約がなさすぎて。
あまりにも自由すぎて。
世界のどこに住んでもいいわけです。

つまり。超自由なのだ。
しかし…。

自由とはそれだけ希望があり。
それだけ夢もあるが。
自由とはそれだけ孤独でもあり。
それだけ哀しいということなのだ。

自由とは。
希望でもあり哀しみでもある…。

自由を得るということは。
孤独と哀しみをも抱え込むことで。
孤独と哀しみから脱却するということは。
自由を捨てるということなのだ。

両方はないのだよ。この世には。

さて。私の就職活動。
目指せ東京!というわけなのだが。
20時間かけてもまだ履歴書が一件も出来上がらず…。
そういや。今の会社に応募した時は。
『じゃあ。履歴書送って』と言われ。
ウッ。それが…。今。旅行中で…帰ったら送る。
とかなんとかウソついて。
実は。それからずっーと家に籠って書き続け。
完成したのは一週間後であった…。

はあ。
何をやらせてもこんなスローな人間に。
果たして。
東京の会社は反応するのだろうか。
そして。
わたくしは東京に帰還できるのでしょうか。
乞うご期待!

2010年9月30日木曜日

正しき飛行機の乗り方

**** パリへ GO! ****

やっと休暇。リューベック脱出。
都会の喧噪を離れて。田舎へ。
と言いたいところだが。
普段が田舎だから。
都会の喧噪とその空気感を求めてパリへ。

ハンブルグ国際空港。
あー。いつ見ても。
滑走路というものは美しい。

滑走路の両脇に。
ランプが一定間隔に置かれ。
それが手前から始まり遥か彼方まで続く。
空気の層で見えなくなるまで続く。
もー。遠近法の極地。
美しすぎる…。

そして。ここを。
『助走をつけて飛ぶ』という。
この原始的さがまたいい。

滑走路のスタートラインで一時停止。
機体がゴォ〜っと唸り始めるのだが。
これがまた。
走り幅跳びの選手が助走前に。
手足をブラブラっとし、2, 3回ジャンプしてから。
大きく息を吸って。
よっしゃーっ!
と走り始めるあのかんじに見えるのだ。

そして。助走。
いくぜーっ。と。
地面を蹴って機体が浮いたとき…。
そう。私はここから数分間。
機体が爆発し粉々になる姿を。
永遠と想像しつづけるのだ。
一瞬で爆発するときはどんな感じなのだろう?
『あっ!』という感覚はあるのか?
そして。
自分は死んだと認識できるだろうか?と考える。
『あれ。おかしい。なんでこんな所に…』
って思ったら。
『死んだんだ』と認識しよう。
と、自分に言い聞かせる。

そう。
これは私の離陸の儀式なのだ。
なぜならば。世の中は。
想像したことは起きないようにできていて。
それが世の摂理だと思っているから…。
( 参照:  (続2)自説: 想像したことは起きない )

昔は。死亡保険は○○にかけました。
これが領収書です。とか。
事務的な遺書を書いていた時期もあったが。
これは自分が家に帰ってから。
捨てるときがなんともいえないくらいマヌケなので。
やめた…。

離陸時はひたすら木っ端みじんを想像し。
そうこうしているうちに。
水平飛行に入り、一安心する。
というのが私が推奨する、
正しき飛行機の乗り方なわけです。

これを実践すると。
万が一。一瞬にして何か起こっても。
なにがなんだかわからん。
ということはなく。
死んだ。って認識できるはず笑。

バコーン!
爆風と爆音と共に。
赤い光が見えたと思ったら。
目の前が真っ暗に…。ウッ。ウグ〜ッ。
えっ。自分が…。あれっ。どこだ。これ。
あれ〜っ。死んだかもー。
ヤバイっ。
パンツ。部屋に脱ぎ捨てたままだったー。
洗ってない皿も台所に山積みだー。

なーんてこともないように。
ちゃんとお部屋もお掃除してから。
飛行機に乗りたいもんです。

2010年9月20日月曜日

ドイツで鍛える生活 #35

**** 会話の条件 ****

会社というのは。
無作為に選ばれた人々の集団である。
会社のためには多少、選ばれたかもしれないけど。
それは。仕事を抜きにしたら。
単に『無作為に選ばれた人々』である。
会話なんて当然噛み合ない。
しかし。そんな人々と。
時にはおしゃべりをしないといけない…。

        * * * * * * * * * *
さて。再び。
恒例の月曜日のチームランチ。
ボスは。やはり言った。
so... How was the weekend?
出たーっ。もうお前は月曜日、それしか言えんのかー!
(参照: 孤独論, 拷問的挨拶
いや。まて。あっ。これは。
会話をしようという彼なりの気遣いかも…。

外人と話す。となると。
語学力が大事と思いがちだけど。
実は。語学力以前に。
当たり前だが話す事がないと話せない。
(↑ここを多くの日本人は忘れている!)

会話(いわゆる『おしゃべり』)というものは。
共有するもの、共感するものがその人とあるか。
というところがポイントとなる。
もちろん、必要によって反論もするが。
結局。『そうだよねー』とか『そうそう!』
と言えるポイントがどこかでないと。
会話というものは成立しない。
『ツボ』が同じでないといけないのだ。

しかし。このツボが難しい…。
日本というのは。
音楽も欧米のメジャーなポップスだけじゃなく。
イギー・ポップだって聞くぜー。
アンダーグラウンドシーンだって知っているぜー。 
みたいなところがあり。
自分たちは欧米に属している。
という錯覚を起こすことがあるが。
世界は結構遠かったりする。

たとえば。
日本人は日本独自のアニメを見て育つが。
その他諸外国はアメリカ発のディズニーやシンプソンズで育つ。
欧米人(特に英語圏)は。
シンプソンズやサウスパークといったアニメが大好きで。
シンプソンズに出てくるさあ…。
みたいなおしゃべりをよくする。
シンプソンズなんかがわからないと。
単語を全部理解していようとも会話には入れない。
欧米人と国際結婚した人なんかも。
このへんで凹んだりするのではないかと思う。
実は。日本と世界はかなり距離があるのだ。

ここの場合はさらに遠く。
ルーマニアと日本という(*注1)
お互いの国のイメージすらないという遠すぎる関係。
そして。
同僚=社会から無作為に選ばれた人々。
ランチ=仕事以外の話をする礼儀。
この条件での会話…。

そう。私たちにはもはや。
地球という同じ時間軸を共有している。
という事くらいしか共通項がないのだ。
ボクに週末があったように君にも週末があったはず。
というわけだ。

しかしねえ…。
毎週、週末をどのように過ごしたか。
というこの発表会状態。なんですか。
あー。もう辛いですねえ。
浅い会話を永遠とするこの辛さ。

しかしまあ。共通項が。
地球の時間軸と天気くらいしかないとは。
なんと哀しいことか。

お互いのお国事情の質問でもすればよい?
そんなもんは最初の3ヶ月でネタ切れです。

(注1: ドイツで働いているけどチームメイトはルーマニア人)

2010年9月13日月曜日

ドイツで鍛える生活 #34

**** 拷問的挨拶 ****

はて。月曜日。
毎週。挨拶のごとく聞かれる。
How was  your weekend? がやってくる。
私の週末はどうだったかって…ねぇ。
(この意味については 孤独論 1参照)

これが。また。
一日に何回も聞かれるのだ。
まず。朝、自分のオフィスで軽く聞かれるので。
Oh, it was OK.とか。テキトーに答える。
しかーし。
問題は月曜日恒例のチームランチのお時間。

チームランチは5人。
その日のランチ担当がキッチンで食事を作り。
出来上がったら皆をカフェテリアに呼んで。
さあ。ランチを囲んで皆で着席。
誰から食事に手をつけるかで皆、モジモジっとした後。
(西洋人もこういうところはあり、これを毎週儀式のようにやる)
男が『どうぞお先に』と言う。そして。
レディーファーストで女から順番に自分の皿によそう。
(オモロイくらいどこまでもすんげー、レディーファースト)
で。皆がよそって食べはじめたその瞬間っ。
一人が私に聞くわけです。

So..., How was your weekend?

でたーっ。またですかー。この質問。
おい。待てやー。これ。単なる挨拶で。
How are you? の月曜日バージョンだろーがーっ。
しかし。皆に囲まれたこの状況。
挨拶程度で逃げられないこの状態。
でも。あまり私生活は話したくない。
でも。皆が私の答えを待っている…。もー。拷問…。
(ウッ。ク〜ッ…ヤバイ…笑顔でごまかせっ!)

「いや。まあ Good よ。(ニコッ)」と言うと。
「ふうん。君の週末はいつもGoodなんだね。悪い週末はないんだ」と…。

バカヤローっ。じゃあ、なにかー。
最低だった。とか言えばいいんかーっ。ボケ〜っ!
もー。私になんと言えとっ!
と、やるせなさを隠しきれなくなったとき…。
隣にいた同僚は茹でたジャガイモをほおばり。
Oh! Nice!  Very Good!と言った。
続いて。
味付けしていない焼いただけのカチンコチンの肉をほおばり。
再び。Oh〜!Very nice 〜!! と。

あー。もう。更にやるせない…。
おーい。
私はその言葉を一度も聞いた事がないぞー。
毎回。メニューに頭を悩ませてきたが…。
結局。受け入れられるのはジャガイモと肉なのか…。
もう。全身から力が抜けた…。
なにかがものすごく遠い…。

そして明日。月曜日。
再びやってくるチームランチと。
How was your weekend?

ウーム。
挨拶はしましょう。と言うけれど…。

挨拶をしないから、されないからでなく。
挨拶をすること、されることでも。
使いようによっては。
人は。こうも追い込み。
追い込まれるということを知った。

あー。もー。苦行だ。
さて。明日はなんて答えようか…。

2010年9月6日月曜日

ドイツで鍛える生活 #33

**** 孤独論 #2 ****

♫人は悲しみが多いほど〜
♫人には優しくなれるのだか〜ら〜
by 金八先生

ウーン。確かに…。
しかし…これに反応するとは。
私も壊れたもんだ。

さて。月曜日。出社すると…。
Hi!  How was your weekend?
(出たーこの質問!わたくしの週末ですかー?)
うーん。まあまあ。と私。
(何が『まあまあ』じゃ、ボケ〜。無言行のくせにーっ)
いやあ。ホント。変な天気だったねー。
と自ら天気の話に切り替え。
そう。今だに最後の砦を守っているのだが…。
(意味わかんない人は孤独論1参照 )

いや。別に。
孤独になることが罪なのではない。
私はどちらかというと。
人たるもの、一度は孤独であれ。
というスローガンを掲げるくらいの。
孤独推進派である。

そういや。9年前なんて。
3ヶ月近く人と会話をしない生活をした。
寺に入らずに俗界で3ヶ月の無言行。
何でそんな事になったのかというと。
一人でベルリンへお引越しをしてみたのであるが。
(↑これがそもそも奇行)
学校があるわけでも仕事があるわけでもなかった。
トラベラーでもなかった。
つまり。社会のどこにも属さなかったので。
最初の3ヶ月は誰とも知り合う機会がなかったのである。
たまーに自分の声を聞くとびっくりするという有様。

あれは確かに孤独という域に入っていた。
しかーし。あまりにも世の中と接点がなく。
社会が自分の手の届くところにないので。
孤独感さえ感じられないのだ。
(頭はおかしくなります)
で。そのなんといいますか。
人にバレれていないという。
最後の砦があったりするのです。

よく。苛めにあっている子供が。
親に言わないで隠しているというケースがあるが。
あれも同じで。その子にとって。
親に知られていない。
同情されていないという事が。
守るべき最後の砦なわけです。

話が脱線したが。
つまり。別の言い方をすると。
インドへの一人旅というのは。
孤独な一人旅にならないし、なり得ない。
なぜならば。
インド = 一人旅でしょ。
という社会の認知があるからである。
しかーし。
バリバリのリゾート地に一人旅は。
究極に孤独な旅となる。

つまり。
見られる孤独 =人の気配がある孤独は。
見られていない孤独 =人の気配がない孤独。
よりも。孤独度は強いのです。
で。第三者の認識にも影響を受ける。
その意味で私は。
孤独とは第三者によって完成される。
という説を唱えているのですねえ。

         * * * * * *
孤独を味わうことで。
人は自分に厳しく。
他人に優しくなれる。
いずれにせよ、人格が磨かれる。
by ニーチェ
         * * * * * * *

ああ。ニーチェよ。
私。金八先生のサビに反応できるようになりました。
人格は磨かれたかわからんけど。
もう。卒業していいですかー。

アホーっ!
自分の意思で卒業できる孤独なんて。
孤独じゃないわいっ。

ハイ。すみません。
思い上がりでしたーっ。

2010年8月30日月曜日

ドイツで鍛える生活 #32

**** 孤独論 #1 ****

孤独とは。
一人で完成するものではなく。
第三者によって完成されるものである。
そして。
孤独を愛する。とは。
孤独でないという安心感の上に。
始めて成り立つものである。
by マユマユゲ

私の一人暮らしも計15年ほどになるが。
一人でごはんが寂しいとか。
作るのが面倒とか思ったこともなく。
ごはんなんてもう毎日の一大イベント。
会社にいても昼も3時をすぎれば。
今日は何を作ろうかなー。と。
帰りのショッピングコースに思いをはせ。
カレーなんて。
スパイスを挽き、調合から始め。
一人でもケーキを焼き。
もー。超旨い!。ルン。という状態。
(↑頭おかしいのかも…)
そこに。
一人暮らし=孤独。という図式は。
全く存在しなかった。

なぜならば。
それは。周りに友人や仲間がいる上で成り立つ、
『独りの時間』であって。
安心感の上に成る『疑似独り』であり。
その『安心』という基盤があることにより。
愛でることができる独りの時間だからだ。

一般に言う。
孤独を愛する。とは。
実はこの辺りのことを言うのだと思う。

さて。ドイツ。
単身乗り込んだため。
全くプライベートな知り合いがいない。
よって。
休日は独り遊びに興じているのだが…。

ここでは、月曜日に出社すると。
週末はどうだった?と聞かれる。
ま。別に相手は自分の週末に興味があるのではなく。
単に。How are you ?
の月曜日バージョンと言ったところなので。
まあ。goodとか。
社交程度に答えておけばよいものなのだが。
なんかこの質問がドキッとするのである。
これ以上聞くなよ〜。と。
ドキドキするのである。

つまり。
独りでギター弾いてました。という週末が。
第三者から見て。寂しいーッ!となったら。
その独りは『孤独』になってしまうのだ。
周りに人がいる上で、
独りの週末を選んで過ごしている。のであれば。
それは孤独ではないのであるが。
周りがヤバイ。こいつ、本当に独りだ。
となったとき。
第三者からのお墨付きをもらった『孤独』が完成する。
まあ。一人で完成する孤独なんて大したものではなく。
二人でいるのに孤独。
というほうが本当は孤独度はデカイとは思うが。
まあ。それはまた別種の孤独になるので。
ここでは置いておくが…。

まあ。ともかく。
周りに同情されたとき。
その孤独は本気孤独になってしまうのだ。

この辺りの領域を守ることが。
エセ孤独の最後の砦で。
笑える孤独の最期なのだ。
そう。何事も『笑い』を超えてしまったら。
それは間違った域に差し掛かっているということなのだ。

そして。明日またやってくる。
How was your weekend?

もー。挨拶だと思って気軽に聞きやがってー。
こっちは最後の砦がかかってるんだぞー。
その砦も半分崩れかかっているしー。
バローっ!

2010年8月23日月曜日

ドイツで鍛える生活 #31

**** 西洋かぶれの終焉 ****

えっ。マゲって切っていいもんかいな。
という周りをよそに。
バンザーイ!と村で一番にちょんまげを切り落とし。
ほうーっ!アメリカには掃除機というものがあるらしいぞー。
と聞けば。ほな。うちも。と。
掃除機をさっさと手に入れてみたりと。
そんな逸話が残るほど。
マユゲ家は西洋の香りのするものに弱い。

そんな家に育ったせいか。
私も子供のころからバリバリに欧米に憧れた。
中学生のときには。
ブルース・スプリングスティーンのLPをかけながら。
♫ Born in the U.S.A〜
と、一緒に歌っていた。
お前、U.S.Aで生まれていないやんけー。
という突っ込みは聞こえなかった。
で。本来、その歌詞は。
オレは黄色人種を殺すために外国に送られた。
という社会的な詩なのだけれど。
西洋にかぶれた中学生には知る由もなく。ただ。
♫ Born in the U.S.A〜 イェ〜イ。
だったわけである。

しかーし。
現実はBorn in JAPANなわけで…。
学校では。
やれ。制服が云々とかアルバイト禁止とかいう世界。
もー。日本はくだらん。と思い。
アメリカのTVドラマに出てくる学校がまぶしかった。

ベストヒットU.S.Aの世界の方が。
ベストテンより光っていた。
ベストヒットU.S.Aで英語を捲し立てる小林克也のほうが。
ベストテンで捲し立てる黒柳徹子より輝いてみえた。
外国がイケていて日本がダサかった…。

そのかぶれっぷりはしばらく続き。
20代後半で遂に日本を出た。
反アメリカな人々が大半の、
ヨーロッパとオーストラリア住んだためか。
アメリカに対する憧れはなくなり。
悪の中枢〜!と。
ジョージ・ブッシュが叫んでいるころには。
この国。アホ教団か。とさえ思っていた。
ヨーロッパの現実も見た。
もう。西洋は憧れでなくなっていた…。

しかーし。
やっぱり。自分は。
まあ。日本でいいか。
と思って日本に住むことはあっても。
心から喜んで日本に住みたいって。
思う日が来ることは一生ないと思っていた。

前回(ドイツで鍛える生活 #30 )。
自分の根底に流れる西洋かぶれが。
この地の果てまで来させたと述べたが。
ここに来て。
その代々受け継がれた西洋かぶれに。
変化が見られるのである。

なんか。もう一生、東京でいい。
って思えるのである。
今ならたぶん。
心から喜んで日本に住める。
ウーン。まさか自分かそんな風に思うとは…。
もしかして。
こう思えるようになるためにここに来たのか…。

西洋かぶれのDNA。
あんだけ憧れた外国。

ま。でも。日本に住んだら住んだでまた。
日用品がイケてないとかホザき。
ドイツのエコ洗剤とか。
イキがって買ってそうな気もします。
で。外国のラジオとかネットで聴いてそうだ。

なんだ。結局。ビョーキ再発か…。

2010年8月16日月曜日

ドイツで鍛える生活 #30

**** 網走に夢をみたわけ ****

えー。いいじゃん。ドイツ。
でも。田舎だよ。リューベックだよ…。
えー。でもいいじゃーん。ドイツっ!

というのが。
ドイツで就職。と言ったときの。
大方の日本女子の反応なのであるが。
(なぜか女性にそういう反応が多い)
これが欧米人の反応となると。
えっ。リューベック?! Oh my God!
村じゃなーい!
東京から?それ普通、逆でしょ。
君。逆行しているよね。

という反応なのである。
つまり、東京にいると気づかないが。
言ってみれば。
東京からドイツ、リューベックは。
ニューヨークで働いていた人が。
北海道の網走に就職する。
みたいなもんなのである。

別に網走に行くのもいいのであるが。
では。冒頭の女子たちは。
N.Y.から網走でも。
えー。いいじゃーん。
と言っただろうか。ということだ。
そして。私は。
網走だったら来たか。ということだ。

網走に単身で乗り込んだら。
過酷であるのは大いに想像がつく。
東京には生活の多様性というものがあり。
よって。30半ばで単身でも。
カフェでお茶したり遊ぶ相手がいくらでもいる。
が。田舎では家族中心でそうはいかない。
しかし。
その舞台がドイツの田舎街となった瞬間。
いいじゃーん。と、帳消しになってしまうのは。
やはり。どこかで。
西洋に夢を見ている。ということだ。

今の時代。
西洋かぶれは格好悪いし。
欧米人と付き合いたーい。
なんていう女子は頭が悪そうに見える時代であるが。
英語をなんとなく話せるようになりたーい。
(これも公言すると頭が悪そうに見える)
と思う人が今でも多いように。
やっぱり。どこかで。
明治維新以降の日本人のDNAには。
潜在的に欧米至上主義が宿っているのではなかろうか。

私は。
迷った時は冒険せよ。
迷った時は安定を捨てよ。
迷った時は勇気がいる方の道を選べ。
という自分の掟に従って来たつもりであった。
決してドイツに夢を見たつもりはなかったのだが。
しかーし。結局。
自分の根底に流れる西洋かぶれDNAが。
ここに来させたのではないかと思う。
クーッっ! ショック…。
結局。そんな理由か…。

ま。ここに来て。
そのDNAにも変化が見られるのであるが…。
(その変化とはまた次号で詳しく)

ま。来てしまったからには。
やり遂げた感を持った上で。
帰りたいとは思うのであるが。
結局。やり遂げるより目の前の快楽。
グータラ、youtubeを見て。
ここ。ドイツ、リューベックで。
やっぱり。
網走のように過ごしているわけである。

あー。
こんなにyoutubeに人生を捧げてよいのだろうか…。

* 注:  『網走』とは単なる例えであり、文中に出る『網走』とは東京より遥かに小さく、寒い街の例えとして使っているだけで。『網走』に限らずとも『甲府』でもよい。

2010年8月7日土曜日

ドイツで鍛える生活 #29

****  哀しき欲の構造 ****

『外国に住んでみたーい』
というバカ丸だしの発想のもと。
私は、ドイツに渡ったり。
南半球、オーストラリアに渡ってみたりと。
数奇な人生を過去に歩んだのであるが…。

その外国とやらで何をしていたかと言うと。
30歳にもなってレストランで。
食器を下げたり、洗ったりする日々で。
気が狂うほどの単純労働。
(たぶん。途中で本当に気が狂っていた)
自由に働ける労働ビザがなく。
職を探す。という、
スタートラインにさえ立てなかった事もよくあった。

ビザが切れる度、外人局と交渉し。
自力で労働ビザを取っていたので。
(労働ビザ。運と情熱で取れたりするもんです)
何でも働ける永住権を持っている人は羨ましかった。

そして。いつだって。
ビザに優遇されるのはエンジニアたちであった。
彼らは会社もバックに付いていて。
会社がビザの手配もしてくれて。
羨ましかったが。
まあ。そんな理系な分野は。
自分には関係のない世界であった。

というのも。
私は30歳くらいまで。
たまーに、カメラマンをやっていたのだが。
アナログ人間だったためデジタルは使わず(←単に使えなかった)
最後までフィルムで通した。
フィルムでもギリギリ納品できた時代であった。
インストールって何?とか言っているような人には。
デジタルの波には乗り切れず。
デジタルに乗って行こうという情熱もなかった。
そして。写真は辞めた。
海外プータロー生活も辞めた。

しかーし。
そんなアナログ人間が。
5年前まで食器を下げたり洗ってたりした人が。
今から数ヶ月前。
ドイツの会社に拾われ再びドイツに来たとき。
そのビザにはいつの間にか。
QAエンジニア。となっていた。
(私は画像処理ソフトのテストする人)
エンジニアって…。
お前が?そんなわけないだろー。
ま。本当にそんなわけはないと思っているのだが…。

とにかく。
なんちゃってだろうとなんだろうと。
QAエンジニアという名のもと。
給料から引かれる大量の税金を。
このまま払い続けていると。
永住権がもらえてしまう立場になってしまった。

あんなに欲しかった。
自由に働ける権利。
今。永住権さえ。
手に入れることが出来る立場になったのであるが。
不思議なことに。
手に入る立場になると。
ぜーんぜん。欲しいと思わないし。
なんというか…、要らんのである。

まだ東京にいたとき。
あんなに大好きだった外国のシュワシュワの水。
スパークリングウォーター、
ゲロルシュタイナーとかペリエ。
ここでは数十セントで買えるというのに。
全然飲まなくなった。

人は。手に入るようになったとき。
もう要らないのだ。と思う。
なんか残念だけど。

そして。私は。
永住権には目もくれず。 
この『鍛える生活』が終わったら、
また日本で。
シュワシュワの水を飲みまくるのであろう。
そして。
ドイツパンの店とかに行くわけだ。

ああ。人の欲の構造とは。
なんたることか…。

2010年7月22日木曜日

ドイツの電気の配線(照明器具)

****鍛える生活、 番外編 ****
どうやら。
ドイツの電気配線がわからず。
ネットをさまよっている人々が。
少なからずいる模様なので。
私が身体を張って得た、
ドイツ、電気配線のまめ知識を紹介します。

基本的にIKEAなんかで照明器具を買うと。
(天井から吊るすタイプ)
ブルーとベージュの線が出ています。

しかーし。
ドイツの天井からは。
様々な色の線がピロロンっとでています。
3本出ていたり、4本出ていたりします。
で、問題なのは。
照明器具の線と色が合わなかったり。
ケーブルの数が合わなかったりするのです。

以下、ケーブルの色と対策:

天井から3本のケーブルがあり以下の色の場合:
*黄色と緑 → アース 無視
* 水色  →照明器具の水色の線につなぐ
* 黒 → 照明器具のベージュの線につなぐ

天井から4本とか5本のケーブルがある場合は、
黒が何本もあったりするが黒の線は無視。
ベージュと水色の線があると思うので。
それに色を合わせてつなげる。

配線を間違えると爆発の危険があるので。
ブレーカーを落としてやりましょう。
あと。感電死の危険があるので。
(エレキギターで感電死ほど有名になれません)
濡れた手は厳禁。
配線をし終わったら。
ブレーカーを上げ。
一応。爆破に備え。
盾を持ってスイッチオン。
(↑私はちゃんとドアを盾にしてやりました)

電気、付きましたかー?

以上。
p.s. 感電、爆破の責任は終えません…。

2010年7月19日月曜日

ドイツで鍛える生活 #28

**** 修行の結末とは ****
ボクは家族と友人がいる土地で暮らしたい。
彼らが一番大事だから。

7年前。
オーストラリアの砂漠のど真ん中で。
とある旅人のデンマークの青年が言った言葉である。
**************

私の休暇は。
都会に出ることに焦点が当てられている。
まあ。言ってみれば。
都会の人が自然へ逃避して充電する逆バージョンで。
多様さを受け入れる社会と。
おしゃれに気を使うそのパリっとした雰囲気とかで。
私は。都会にて充電されるわけです。

そんなわけで。今回。
お友達もいるしー。と。
デザイン王国、フィンランド。
ヘルシンキに行ってきましたー。

きゃー。マリメッコ。
きゃー。イッタラ。
デザインが身近にある世界って素晴らしい!と。
大いに俗世間に呑まれ。
大いに買い物し。

フィンランドといえば。
森でしょ。と。山の中へも行き。
帰りのバスがない…。もしや野宿?
という危機にも。
キャッ。キャッ。と楽しく過ごしていた。

実は。これ。
私にとって、何が非日常であったかというと。
都会云々より。
この期間だけ私は一人でなかったのだ。

何かを見て。
「ねえ。これどう思う?」
と聞く事ができるという信頼感。
「これ、いいよねー」
と共感を求めることができるという心地よさ。
野宿の危機。となっても笑えるという安心感。
そんな危機。一人だったら世界の終わりでしょ…。
それが友人らが横にいるだけで。
笑いに変わるのである。
人がいる。ってすごい…。と思った。

そう。ここ最近。
私はこの『ドイツで鍛える生活』の終焉が。
見えてきた気がするのである。
この修行は(←勝手に修行にしている)結局。
人は一人では生きられない。
と言う事を学ぶための修行だったのではなかろうかと。
こんなフツーな事を発言するのは。
非常に。むしずが走るのであるが。
それを体感する修行だった気がしてならない。

『ボクは家族と友人がいる土地で暮らしたい』
これが、7年たっても忘れられないのは。
たぶん。
この言葉がどこか真理に近いからかもしれない。

人は一人では生きられない。

やれやれ。
こんな誰でも知っている。
フツーな結論を得るために。
友達ひとりとしていない土地に送り込まれ。
(まあ。自分で来たのですが…)
こんなフツーでない生活を送っているかーっ。
で。このフツーな結末…。
なにそれ。


妙にシンメトリーな
フィンランドの森。



で。こんななデザイン。
(フィンエアーのsalt & papper )


2010年7月7日水曜日

ドイツで鍛える生活 #27

**** 想像するが負け ****

私の座右の銘(?)
自分の努力と無関係な場合。
想像した事は起きない↓
(続2)自説: 想像したことは起きない

たとえば。ヒコーキで。
隣にイケているお兄ちゃん/ お姉ちゃんが偶然座って。
そっからなんか始まったりして〜。
なーんて想像した時点で。
君。それは確実に起きない。
そーゆのは想像しない邪心がない人にだけに。
不意に訪れるものなのだ。
なもんで。
間違った対策かもしれんが。
私は。日々、悪い事を想像しておく↓
自説: 想像した事は起きない

先日。わけあって。
洗濯機用の蛇口を一度閉めたのだが。
それ以来、その蛇口からは。
水が出なくなってしまった。
ホースを外し蛇口を捻っても全く水が出ない…。
ガーン…。

洗濯機のある生活。
これを手にいれるまでは長い道のりだった。
そして。
生活とはここまでコントになり得るのか。
というくらいの労力を使った洗濯機の設置。
(参照: ドイツで鍛える生活 #11 )
それからたった4ヶ月。
今度は水が出ない…。
自力での修理もギブアップ。
もー。悔しいやら悲しいやら。
結局。
管理人が翌々日に来てくれる事となったのだが…。

ここで新たな問題が…。
これだけ『蛇口から出ないんです!』と主張しおいて。
水が『ジャー』と出てしまったら目も当てられない。
最悪の事態を想像し、その日から。毎日。
2時間置きに蛇口を開けては。
『よし、やっぱり出ない』と確認。
(なんか期待値が逆であるが…)
当日の朝も。管理人が来る30分前に最終確認。
『よし。やっぱり。水は出ない』
そして管理人が来た。

『ほーら。水が出ないでしょ』と、
私が蛇口を捻った瞬間。
出た。水が…。
『ジャー、ジャー』って出た…。
『…… 』

あり得ん…。
なんじゃー。
このオチを与えられる人生はー。

で。その瞬間。何か。
自分の後ろで(いや、上かもっ!)
何かが高らかに笑っている気がした。
やられたー!

絶対、誰かが上から見ていて。
すべて見透かし、何かを操作している…。
頭の中も何もかも見透かされている…。
想像したら起きないから。と。
邪心で想像しいるのも見透かされている…。

この摂理を回避するには。
無心になること。
見透かされても何も見られないこと。
そう。目指すはやっぱり『無』!
この蛇口事件を通して。
無心になることが人生の鍵になる。と。
体感したのでした。

ま。今回。絶対。
上で笑いころげていたに違いない。
いたずらすぎる…。

私は。無になりたい…。

2010年6月25日金曜日

通勤とは思えぬ通勤路

**** 鍛える生活ちと脱線 ****

これ、私の通勤路(↓写真)。
夏は運河沿いを走ります。
こんな道を自転車で20分くらい走って。
普通の道を3分くらい走ると会社。

(注: これは郊外じゃなく中心地です!)
このジャリ道を走っていると。
画像処理ソフトの開発会社に行く道とは思えず…。
稲刈りに行くのかと思ってしまう。

散々。田舎街の生活に対して文句を言ってきたが。
木と緑だけは美しく。
緑の色がなんともおかしいのです。
見た事もないような緑色なのだ。
(写真では再現できてませんが…)
まあ。この世じゃないからかな笑

これは通勤路のお気に入りの木↓

2010年6月21日月曜日

ドイツで鍛える生活 #26

**** 後悔お片付け人生 ****
人生に『もし』はないと言う。
もし。◯◯だったら…。
もし。◯◯していれば…。
でも。所詮。
その『もし』は起きなかったことなのである。

しかし。
私はその『もし』を一個一個片付けてきた。
なんか、常に後悔のお片付けをしているのだ。
『もし。あの時…あーしていれば…』
じゃあ…。今から。ウー…やるか…。と。
いわば。後悔の実践である。

クソーっ。英語が話せていたらー。
じゃあ…。と。英語を猛勉強したり。
あー。ここがドイツでなく。
英語圏だったら…よかったのでは。と思い。
一転。オーストラリアへ引越したこともあった。
いや。あの時。
ドイツを離れないでドイツで踏ん張っていれば…。
じゃあ…ウ〜。ウウッ〜。
と。またドイツへ勝手に戻ったり(←バカ)。

『もし』はいつだって、強引に現実になった。
しかし。その
『もし。◯◯だったら、…なのではないか』
の『…なのではないか』の部分は。
いつだって現実にはならなかった。
結局、『もし』は起こらないのであるが。
変わることが一つだけある。

後悔が一つ片付くのだ。
あの時。やはり。
『もし』はなかったんだと…。

そして。今回のドイツも。
実は『後悔の実践』のために来た。
『…ではないか』の部分はやはり。
現実には起こっていないが。
また一つ、『もし』が片付いた。

しかし。人間というものは。
諦めも悪く、欲深いもので。
一つ『もし』が片付くと新たな『もし』が浮上する。
そう。ここに来て。
新たな『もし』が浮上してしまった!

田舎の街というのは家族生活が中心であり。
エンターテイメントが家族である。
やはり。
私みたいなよそ者の単身者には難しいのではないか。
プラス、言語障害児(ドイツ語能力: 低)だし。
もし(←でたーっ!)。都会であれば生活ももっと…。
じゃあ…。えーっ。都会へ引っ越し!?

ここから近い都会と言えば。
ハンブルグ、えっー。
で。リューベックへ新幹線通勤?
住まい東京(ハンブルグ)。
勤務地、小田原(リューベック)みたいな。
いやー。日本と違い、電車もよく遅れるし無理でしょ。
となると。東京に戻る!? えーっ?! 落ち着けー。

桃源郷はないとわかっているのに。
(参照: ドイツで鍛える生活 #23 )
私の悩ましき学ばぬ日々は続く…。

でも。この後悔お片付け人生。
一つだけわかっていることがある。
今際の際に。
ジタバタしない自信だけはなんかある。
残っている後悔は。いつだって。
新たに浮上してくる一個だけだから…。

あ。それとも。その一個だけで。
最期。ジタバタするのかしらん?

2010年6月14日月曜日

ドイツで鍛える生活 #25

**** トラブル体質とガテンと ****

土曜日。よっしゃー。
引きこもりはいかん。
出だしが肝心。
と朝っぱらからヨガクラスを受けようと。
ハンブルグに行く支度をし着替えていたら。
電車に間に合わなくなってしまった…。
電車は1時間に1本。また来週か。
『……』
結局。家でヨガを1時間半。

じゃあ。
ハンブルグの楽器屋さんに行ってみよう!と。
しかーし。
営業時間が13時から15時。とか。
11時から14時とか。
なんじゃー。そのピンポイントの営業時間はー!?
ドイツの大都市。ハンブルグよ。お前もかー!
乗り越えるべき関門は、電車だけではなかった…。

さて。
新しい土地、外国に引っ越すと。
わけがわからぬまま暮らしているため。
いろんな事が色々と遅ればせながら判明する。
えっ。乗り換えはチケット買う必要なかったの?とか。
えっ。こういうものはここにあったのかー!とか。
もう。知らなかったがための損害は計り知れない。
私の場合、トラブル体質も手伝って。
この半年で損害は10万円近くか…(←ショック)

で。今回のハンブルグ小旅行。
一人でちゃーんと生きられるように。
ちゃーんと下調べして。電車の中でも地図を広げ。
『着いたら地下鉄No.3のxx行きに乗って…』と。
ちゃーんとシュミレーションもしたのに。
地下鉄No.3のxx行きは工事中で封鎖であったー。
『……』

しかーし。良い事もあり。
楽器屋がみつからずウロウロしていると。
イケているフリーマーケット発見。
あー。また遅ればせながらの発見!
とりあえず。寒くて凍えそうだったので。
カシミアのセーターを即買い、即着用(6月なのに…)。
さらに。
自転車が壊れたので中古自転車もそこで購入。
やっぱり。お外に出るといい事があるようだ。

さてと。
自転車を持ってリューベックに帰らねば。
ドイツの電車は。
自転車を持ち込めるのだが、その車両。
自転車持ち込んでいた人の数、10人=10台。
車椅子の人。5人= 5台。
なんか、もー。
車内が自転車と車いすで埋め尽くされ。
電車の中とは思えぬすごい光景。
で。座る場所がなかったので。
自転車に寄りかかりながらリューベックに帰還。
駅のホームで自転車を担いで階段を上っているとき。
ふと。思った。

この光景…。
私は8年前もこうやって。
いつもベルリンで自転車を担いでいた。
私の生活はいつまでこうガテンなのか…。

もー。ガテンに生きなければならないならば。
男の肉体を与えてほしかった…。
ちょっとー。神様。君。
私が男だと勘違いしているんじゃないかー?
ま。
電気配線から洗濯機の配管まで自分でやるから。
神様も勘違いするのか。
しかーし。
今日は自転車の籠を着けないと…。

そんなわけで。
私は今日も。ドイツの路上で。
ペンチとドライバーを持つのであった…。

2010年6月7日月曜日

ドイツで鍛える生活 #24

**** たかが味覚されど味覚 ****

会社では毎週月曜日がチームランチ。
1人が全員分のランチを作り。
1ヶ月に一度自分の番がまわってくるのだが。
メニューが悩ましい。

ルーマニア人同僚たちは。
慣れていない味は食べられない。
カレーとかスパイシーな味もダメ。
魚もダメ。そして今回。
ルッコラのサラダも残していたー。
もー。野菜もダメかお前ら〜っ!

そういや。
ジャガイモとか。缶詰の野菜とか。
シチューに入っているクタクタに煮込まれた野菜。
なんかは食すのであるが。
それ以外はあまり食べないかも…。
ウーン。肉だけか…。
しかし。私は普段、肉を食べない主義なので。
もう皆がハッピーになれるメニューはあり得ないのだ。

で。
5人分の買い出しや料理を運ぶのも、もー問題!
トマトソースを自転車の籠に入れて運搬中。
ソースの入ったボールがひっくり返って大惨事。
エコバック内がソースまみれになり。
道中。バック内に散乱したトマトソースを。
手ですくってボールに戻し。
まあ…。昼にそれを食わせてしまった…(コラっ!)。
なーんてこともあった。

大体。もういいオバさんなのに。
35ℓのバックパックが日常的に大活躍する。
というのは一体どういうことか。
あー。本当のブルジョアになりたいっ!

で。
味の封鎖性の問題であるが。
ドイツ人でも東ドイツ出身の人は味覚が封鎖している。
これは。
社会主義の封鎖性が人類にもたらした味覚の封鎖性じゃー。
と思ったが。
おそらく。社会主義でなくとも。
経験がない人は同じことが起きるであろう。

先日。友人が。
肉食文化圏の中で。
魚を食べられる人や、
異国の食べ物を受け付けられる人は。
インテリ層が多い。と。

狭い味覚しかない人は。
味覚が狭いだけでなく。
おそらく。
その人生にまつわる世界も狭くなるということだ。
というわけで。
子供に味を経験させるのは大事なのですねえ。
(いや。キース・リチャーズがもし偏食だったりしてもよいのですよ。凡人の場合です)

ま。次回は。もう肉料理だな。肉。肉。
肉とじゃがいも料理で塩、こしょう味。
もしくはピザか。
余計なお世話だけど。
なんか。そんな枠の中の人生。
つまらん。

あ。エラそうなこと言って。
私は納豆が食えなかったー。
何か納豆分の人生を失っているということか。

p.s. 全部のルーマニア人が上記とは限りません。
サンプルが少ないのであしからず。

2010年5月29日土曜日

ドイツで鍛える生活 #23

**** 桃源郷 ****

子供のころから外国に憧れていた。
制服や運動会の行進がある日本を。
遅れた国と思い、ダサイと思っていた。

なもんで。
わりと早い時期から。
自分は日本を出ようと思っていて。
中学校のときにはどうやってビザを取ろうか考えていた。
オーストラリアで。
お好み焼き屋さん開くか…。とか。
イギリスで犬の訓練士になろうか。とか。
電車の中の中吊り『海外青年協力隊員』
にも反応したりしていた。

今、振り返ると。
なんの一貫性もなく。
かなり頭が悪そうな発想であるが。
まあ。ともかく。
日本を出たかったのである。

で。27歳の時。
もう後がない!と思って。
日本を出たのだが。
勝手に外国に引っ越ししても。
仕事があるわけでも学校があるわけでもなかった。
社会の底辺でプータローなバイト生活を4年経験し。
もう。どん底の生活はいやだっ!と思い。
海外生活に見切りをつけて日本に戻った。

海外で自分にできることなんて何一つなかった…。
あるのは皿洗いレベルの仕事だけだった…。

そんな人が今。
日本人がいない場所で。
日本人がいないドイツの会社で働いている。
これ。考えてみると。
私が12歳から24年かけて辿り着いた夢の場所なのだ。

そう。ここは私の桃源郷。
そう。私は桃源郷にいるのだ。
そう。桃源郷のはずなのだー。
おかしーい。
桃源郷じゃなーい!

で。
わかったのだが。結局。
桃源郷とは場所ではないのです。
仕事が出来る人はどこでも出来る。
楽しめる人はどこでも楽しめる。
そこが都会であろうと田舎であろうと。
外国だろうと。日本だろうと。
場所ってあんまり関係ないのです。

つまり。
桃源郷って。
自分のなかにあるもので場所ではないのです。

とういわけで。
都会でないと死んでしまうような私でも。
この田舎くさーい街が桃源郷になり得るのだ。
自分の中の桃源郷に辿りつけば…。

そんな意味で。
私の修行の旅は、まだまだつづく…。

あー。私の桃源郷よ。
辿り着くぞー。

p.s. しかし。この極寒の国が桃源郷にねぇ…。今年の冬の寒さを思い出すと…自信半減。

2010年5月16日日曜日

ドイツで鍛える生活 #22

**** 超無意味な小旅行 ****

ドイツでは日曜日に店が開かないため。
土曜日は食料品の買いだめをする日。
で。日曜日は皆さん、公園か川。
というのがライフスタイルなのだが。

私の場合。
土曜日は皆と同様、食料品買い出し。
しかし日曜日は。
まだクソ寒いし(東京の冬くらい)。
一人で公園で優雅に楽しめるほど人間がデキていないので。
引きこもり。
という活動範囲の狭い生活を送っていたのであるが。
これではいかん。と思い。
立ち上がった。

そうだハンブルグへ行こう!
ヨガクラスと…スターバックスも行きたーい。
(注: お恥ずかしながら。スタバが。
都会=東京を思い出し安心するツールなのです)
よし。ショッピングもしよう!と。
60km離れたハンブルグへ電車で行った。

しかーし。
お目当てのヨガクラスはやっておらず…。
(ちゃんと調べたのにーっ!)

次。スタバ。
リューベックはスタバないから堪能せねばっ!
と、スタバに向かう途中。
カラスに襲われ。カラスに頭を蹴られた…。
別のカラスも襲ってきてまた頭を蹴られた。
ヒエ〜っ!なぜ私だけなのかー。
スタバには無事着き、堪能完了。

次。
郊外のアウトレットに行ってみよう!
ハンブルグからさらに電車で揺られること50分。
ちょこっと電車で揺られるともう田園地帯。
車窓からは牧草しか見えないのですが…。
牛と馬しかいない。子牛かわいい…。
しかし。ちゃんと帰れるのだろうか…。

なんか海外の見知らぬ土地に一人でいると。
街にいるときは平常心なのだが。
美しい牧歌的な光景に身を置くと。
その美しいはずの光景が単なる恐怖になるのです。
つまり。
こんな所に来てしまったのはよいが…。
帰れるのだろうか…。電車あるのか…。
という不安がつきまとい。
身体はキーンとし。
心はキュイ〜ンとなるのです。
でも。
こういう不安と緊張をくぐり抜けることが大切だから。
若者よ。旅をせよ。と言うのだろう。
こういう感覚が。
人の雰囲気となりを作る原料となる気がします。
まあ。
誰も30半ばの女に旅をせよとは言ってないんだけど…。

ま。そんなこんなで。
迷ったり。キュイ〜ンとなったりしつつ着いたのだが。
そこにアウトレットはなかった…。
ちゃんと調べたのにーっ!

で。ハンブルグへ戻る帰り。
あ。電車来たー。
あれ〜。誰も乗らない…。
あれ〜。電車。2両しかない。反対方向なのかな。
と思って足が止まって動けないこと5秒。
電車は去っていったー。
単に。皆は反対方向に行くので乗らなかった模様。
はあ…。(←バカ)
もー。5秒しか停まってくれないなんてひどい。
風がピューピュー吹く牧草地帯で。
さらに30分も電車を待つこととなった。

というわけで。
朝。10時に私の街、リューベックを出て。
夕方17時にヨレヨレになって帰宅。
総交通費 25ユーロ(3200円)の収穫は。
スターバックスに行けたこと。という。
もーなんのこっちゃ。
東京にいたら。そんなもん。
会社の行く途中に行けるもんじゃーっ!
やっぱり。スタバでもショッピングでもなく。
川と公園を目指さないといけないのか…。

というか。
一体、私の調べたものはなんだったのか…。
今回は。単なるキュイ〜ン損であった。


2010年5月14日金曜日

Twitter 開設

つぶやきが足りないわけではないし。
(いや。足りないかも…)
この『つぶやき日記』も続けていきますが。
短い言葉で日々、つぶやきを綴れたらと思い。
つぶやきブログと言われるtwitterを別途開設しました。
http://twitter.com/mayu_mayuge/

一応。スタンスとしては。
エンターテイメント性を忘れずにつぶやきたいと思います。

つまり。アイドルは。
『ランチを食べました。おいしかったー。ルンっ!』
というつぶやきが許され、価値あるものとなり得るが。
一般人がそんな事をつぶやいても単なる自己満足であり。
そのつぶやきには何ら価値はないのです。
その辺の節度を持って。
毎日つぶやいて行きたいと思います。

あー。つぶやくだけでうんちくが多いことっ!

2010年5月9日日曜日

ドイツで鍛える生活 #21

**** 思考回路にみる違い ****

やっぱり。人間って皆同じだねー。
人種とか関係ないねー。
と言うのが世の中の期待値であるが。
知れば知るほど。
やっぱり同じじゃないかも…。

先日。西洋と東洋の違い。
という番組をyoutubeで見たのだが 。
(youtubeリンク:  西洋と東洋の違い1/2, 2/2
これがおもしろかった。

空を漂っていた風船が急に速度をあげて飛んでいきました。
なぜでしょう? という質問に対し。
欧米人は風船から空気が出たたからだ。
と答えるという。

えーっ?!強い風が吹いたからでしょ。
バカじゃなかろうか。
と思ったのだが…。解説によると。
欧米では物を見る時、その中心を見。
また。その主体が周りに影響を受け変化する。
という考えがあまりないらしい。

ウーム。
会社でも思い当たる事は日々ある。
ミーティングで、とある定義を物差しに。
白か黒に判断しようと永遠と議論をしているのだが。
うーん。それはねえ…。
その定義をどの視点から見ているかの問題であるから。
実は。
どちらも正しいい。と同時に。
どちらも正しくないとも言える。
視点を変えると定義の解釈が変わるということです。
しかし。彼らにとっては。
正しいか。正しくないか。しかないのです。
要は。善と悪しかないのです(中間や曖昧さを嫌う)。
なぜならば。
その定義は風に影響を受けない風船 = 絶対値だからです。

仕事のプロジェクトなんかも彼らにとっては。
その周りに影響を受けない風船 = 絶対値であるので。
「じゃあ。その計画通りに行かなかった場合はさあ…」
なーんて、ミーティング中に口を挟むと。
計画通りに行かないわけはない。
行くはずだし。そうあるべきだ。の一点張り。
なんというか。やはり。
『Yes! We can do it!』の世界なわけです。
で。もちろん。人間界ですから。
いろんなことに影響を受け予定が狂ったりするわけで。
そうすると。
「なぜだ?なぜ計画より遅れるのだーっ!」となる。
もー。お話にならん。と思って。
常々。バカじゃなかろうか…。
と思っていたのだが。
バカじゃなくて文化の違いなのです。

私としては。
ものを見るときの基本は。
視点を主体から外し。
遠くからみれば見るほど。
実は。真理に近づくと思っているのだが…。
単に。東洋的発想なのかしらん。

先日。
人間を含め動物は基本。
死ぬのも。生まれるのも明け方だからね。
(人間は医療でコントロールされていますが…)
と言ったら。
全員。何それ!? とキョトンとしていた…。
あー。そうか。
君たちは周り=月の満ち欠け= 引力に影響を受けないのか。
要は自分次第で。
Yes, We can do it ! だから…。

でも。やっぱり。
風に飛ばされるから風船って呼ぶと思うのだが…。
あー。君たちは風船って呼ばないのか。

やはり。
知れば知るほど。
何かが遠い…。

引き続き。民族観察は続く…。

p.s. これは数億人のアングロサクソンのうち。
たった数十人を観察した感想なので。あしからず。