2010年2月22日月曜日

ドイツで鍛える生活 #11

**** 配管と配線と女の価値と****

洗濯機配送日。
いろいろ想像した。
到着しないのではないかとか。
ピンポンが鳴らないのではないか。とか。
洗濯機置き場に入らないのではないかとか。
(↑確認はしたのだが)
そして。その審判の日が今日来るのです!
あー。神さま〜!

そして。ここ1週間。
照明器具も取り付けたいと思っていたのだが。
夜、帰宅すると暗くてケーブルの配線の色がわからん。
という事態だったもんで。
週末に電気配線をして照明器具を取り付けたいと思っていた。
やはり。ブレーカーは落として配線したい。
しかーし。
ブレーカーを落とすとピンポンが聞こえないかも…。

この国。電圧は日本の2倍。
日本でプラスマイナス間違えて、
爆発させたことがある身としては。
配線間違えはもう恐怖…。
感電死の恐怖と戦いながら。
これで間違えたらー。
ここで死んだらー。
エレキギターで感電死した山田かまちのように。
手記が公開されちゃうかもー。
きゃー。どうしようー。
バコ〜ン!髪の毛がチリチリ〜ッって…。

いや。でも。
それでも、私はブレーカを落とさん!
だって。洗濯機のピンポンが来る!
2ヶ月の手洗い地獄からの解放。
遠いコインランドリーからの解放。
ブルジョア生活への一歩!
爆発がなんだ。感電がなんだ!

それくらい私は洗濯機に懸けていた…。

そして。
ピンポーン!来ましたー。洗濯機!
そして。洗濯機が。
洗濯機置き場に入りましたー!

がっ。配送のお兄さん達、
「あー。こりゃダメだねー」
「長さ足りないねー。部品も足りないねー」
あと必要な部品はこれこれだから。
ホームセンターで買って自分でやってね。と。

ガーン。想像はいっぱいした。
でもどれでもなかった…。
どんなに想像しても。どんなに準備しても。
想定外のことしか起きないのか。世の中は…。
(参照: (続2)自説: 想像したことは起きない


明日は日曜日。店は閉まる。
チャンスは今日しかない。
ホームセンターを行ったり来たり。
見慣れぬ配管と格闘し、
70kg近くある洗濯機も配管のため一人で動かし。
途中ビシャ〜ッと噴水のように水が吹き出したりしつつ。
8時間の格闘の末、洗濯機が稼働した。
翌、日曜日は疲れてひたすら寝た。
そして。
洗濯機に振り回された私の週末は終わった…。

しかーし。。
電気配線に加え。
配管さえも出来るようになった女は。
人間としての価値が上がっても。
女の価値は下がるわけで。
あー。女とは本当に難しい生き物です。




格闘した洗濯機。無事設置。管まみれ。
この洗濯機、蓋は上だが中ではドラムが縦に回転する。


感電死の恐怖と戦った電気。天井になんとなーく取り付け完了(笑)

2010年2月15日月曜日

ドイツで鍛える生活 #10

**** 引越し完了****

引越し。
と言っても移動先は徒歩で10分のところで。
総荷物は、スーツケース一個。
パックパックにギター。
日本から送った25kgの荷物。
シャンプーなど生活用品と食料。と。
あれ〜。
わたくしの人生の総荷物、65kg程度ですかぁ…。
といった感じなのである。

あー。なんだか。なーんもない。
あー。このまま。
本当にあの世にでも逝けそうなくらい身軽。

私もなーんもないが。
当然、引越先もなーんもないので。
布団やら電気を買いに。
60km離れたハンブルグのイケアまで行った。

そして。郊外にあるIKEAが見えた時。
あ〜。やっと自分の家ができるのだー。
手洗い地獄からも解放されるのだー。と、
雪道をザクザクと踏みしめるその一歩が。
IKEAへの一歩が。
もー。栄光への一歩となり。
もー。感慨深く、
IKEAの看板で目頭が熱くなった(←バカ)。

しかーし。
IKEAへ向けズンズン歩く35歳のリュックを背負った女が。
栄光への一歩だ!と涙ぐみながらイケアの看板を見ている姿は。
どこか間違っているので。
やっぱりここは『あの世』なのだと思う。

中へ入ると。
どれもこれも一つ必要なため。
電気コーナーでどれにするか迷い。
マットレスで悩み。
掛け布団、一個だけ買うならどの厚さか。
と絞るのに迷い。
シーツ、どれもイケていない…でも必要だしなー。
と。また迷い。
もう。一個一個がそんな調子なので、
なんと5時間も費やした。
5時間もいたわりには出費は260 Euro。
ベットもなくマットレスのみ。
全然ブルジョアじゃないのだが。(参照: ドイツで鍛える生活 #8
11月からずっと住居を転々としている身としては。
引越というのは本当にしんどいので。
(参照: ドイツへ引越 #4
ドイツ撤退の日のことを考えると。
おそろしくて家具をあまり買いたくないのである。
だって。
皆、いつかはどこかへ旅立つのですよ。
本当に逝ってしまうときだけは。
残された人が片付けてくれますが…。

引越先は5階。建設年1900年だから当然エレベータはない。
一人で徒歩で10kgずつ運んでいると。6往復。
というわけで。同僚に声をかけたら車で手伝いに来てくれた。
ありがたい!
終了後、お礼にカフェでもということで。
カフェに行きました。
カフェですよー。皆さん、カフェ!
あの世だから。いつも一人で行ってたカフェ。
しかし。
今日は人と一緒ですわー。3人ですわー。
こんな些細なことが。
あの世ではとても感慨深い事なのです。

わかるかー! 現世の皆さん!
IKEAの看板で泣け。
人とカフェに行けることで感激する。
これが『あの世』なのです。

ま。普通、こんな所。来ないわな…。




****以下。結局、ブルジョアより変わり種を選んだ新居****

この赤く囲われた屋根裏部分の住居。
中身もやっぱり三角。


自分の玄関のドアを開けるといきなり階段

階段を登って左手が居間。
天井は手を伸ばすとあと10cmで届くかんじ。


居間にキッチンも。


階段を登った居間と反対側が寝室。7畳程度。こちらではこの大きさだと部屋数に入らずこの部屋は0.5部屋とカウントされている。


マットレスが届くのが3日後のため、3日間はここでヨガマットで寝ます。←全然ブルジョアじゃなーい。

2010年2月11日木曜日

原理: 玉葱とヌカ床と人間

安住の地は楽である。
しかし。
風通しが悪いとタマネギが痛むように。
かき混ぜないとヌカ床が腐るように。
たぶん、人間もかき混ぜられたり。
風にあたっていないと。
知らぬ間に腐るのだと思う。

そんな意味でも。
自分の置かれる環境を変えるのは。
なんとなくよい気がします。
そして。
自らのヌカ床を自分でかき混ぜる事ができるのが。
引越しのような気がします。

ま。私のように『あの世』まで引越しすると。
(参照:  ドイツへ引越 #2)
ヌカ床、総入れ替えですが…。

あれっ。新しいヌカ床は味が落ちるのでは!?

2010年2月8日月曜日

ドイツで鍛える生活 #9

**** 幸福⇔不幸論 ****

私の人生には。
『何でも当たり』という特性がある。

つまり。
景品から普通起きないことまで。
まあよう色々、当たるのです。
箱に手を突っ込む景品のクジなんて。
手で掴んだ瞬間。
あ〜っ!掴んだ。しまったー。
あー。これ、きっとアタリだ。
という感触すらある。
で。本当にアタリだったりする。
でも。なぜ嬉しくないかというと。
人生において、ずっと幸運ということはないわけで。
くだらん景品とかに幸運を費やしている場合ではないのです。

つまり。
幸運とか幸福というのは。
限りある資源のようなもので。
その幸福資源を増やすには。
不運と不幸を経験するしかない。
不運と不幸を経験するとで、ご褒美ポイントとして
幸運と幸福資源が増え、貯蓄されるわけで。
あー。人生とは、
結局。不幸でも幸福でもない。
とうのが最近の私の説。

そして。
例にもれず今回も『当たり』が来ましたー。
私の住んでいる街、ドイツ、リューベックは。
冬は雪は年に1, 2回。気温は寒い時でマイナス5度程度。
というのが常識なのだが。
今年は『当たり年』。
もー。毎日ドカ雪。吹雪だったり。
とかいうのが既に1ヶ月も続いている。
気温もマイナス10度を超える日も多々ある。

というわけで。
毎日、マトモに歩けないようなコンディションの中、
雪の上をヨロヨロと自転車で通勤しているのだが。
地面が凍っていたり、雪でぬかるんでいたりするので。
道中半分は自転車を押しているという次第。
3足持って来たブーツは2ヶ月でどれもボロボロ。
なんつうか、こう自然がキビシイというか。
毎日自然と戦っているという気がするのですねぇ。

こんだけ寒く自然もキビシイと。
顔もやっぱり険しくなるもんです。
自転車も超真剣に乗らないと雪で転ぶし。
寒いと、気分は。
ノンベンタラリンとはなりません。

私は過去、世界各国の人々を観察した結果。
人間の性質は太陽が作るという結論に達した。
つまり。国民性とかというのも。
太陽の日照時間の影響がほとんどなのではないかと…。
外がキーン!と寒かったら人間もキーン!となるわけで。
キーンとなってたら、レゲエとか唄って踊れんわけです。
やっぱり。
全ては太陽の陽の量と風土が物事を作っている気がします。
そして。
寒いことによって。
ヨーロッパは発展したのではないかと…。

ま。
こんな風にぐちゃぐちゃ考えているのも。
お外が寒いから家でひたすら、
キーボード打っているわけですねぇ。

そして。私は。
毎日自転車を押す代わりに。
お気に入りのブーツがボロボロになっていく代わりに。
幸福資源の貯蓄を増やしている。
と願いたいもんです。

あー。そうだ。景品が当たってしまうんだったー。
景品に持っていかれるだけか。ウーン…。

2010年2月1日月曜日

ドイツで鍛える生活 #8

**** ドイツ中産階級的生活 ****

目下の目標、引越。
大いに心配したものの(ドイツで鍛える生活 #7
とりあえず新居の契約は結んだ。
何事も起こらなければ(←まだ言ってる)
2月中旬に引越。
とは言え。引越ししたところで。
布団もなければ、電気さえない状態なので住めない。
というわけで。
鍵を受け取ったら週末ごとに物をひたすら買い。
新居に投入せねばらなない。
なもんで。
物をチマチマ運び、2週間くらいかけての引越しになる模様。
おー。夢の『洗濯機のある生活』はそこまで来ているーっ。
でも。洗濯機の配送でまたひと悶着あるんだろうなあ…。
配達日が指定できんから受け取れんとか…。
ま。夢の生活のためならばっ。そんなん何とかしますわ!

なぜならば。
今回、私のドイツ生活の目標は。
ブルジョアな生活!
なのである。

遡ること数年前のドイツ。
時給600円程度で働いたり。
暖房がろくにない家に住んだり。
ドイツで下層階級な生活は過去に十分堪能した。
下層階級な生活に負け、日本に戻ったので。
私にとって今回のドイツはリベンジなわけです。

で、その目標ってのが。
中産階級な生活!ブルジョアじゃー!
という、ま。低い目標なのだが…。
現在、ドイツ人のようにドイツの会社から給料をもらい。
給料の40%も税金を払い。年金も健康保険もドイツのに入り。
クレジットカードもドイツのを作り。
友達が一人もいない、家族がいない、言語障害。
未だに乾電池はどこに捨てるかわからない。
という点を除けば。
ま、普通の中産階級ドイツ市民のように生活している。
(なんか全然フツーに聞こえない…)

しかーし。
ブルジョアはブルジョアで問題が…。
なんと『料理の臭いがクサイ!アパート中に臭う』と苦情が来た。
おそらくカレー、もしくは魚の出汁の臭いの事だと思われのだが…。
こんな話。
アウトロー人々が集まる大都市の安アパートではあり得ん話である。
さすがブルジョア。お家が宝物。
さすがブルジョア。料理しないらしい。
さすがブルジョア。小うるさい。

いやー。しかし。これによって。
うちのアパートに住んでいる人々から。
『日本人は強烈な臭いの料理をするから気をつけたほうがよい』
と広まるわけですね。
すんません。
私のせいでドイツ国民の100人くらいにこの情報が流れるかも…。

ほんと。
外国人と接する時は誰もが日本代表になるわけで。
しかも一回だけで判断されたり…。
ま。これを読んだ日本人も。
『ドイツ人は小うるさいらしい。料理もしないらしい』
となるわけで、情報ってコワイです。

ま。とりあえず、その苦情にも。
『知らせてくれてありがとう!気をつけるね!』と。
返しておいた。
ここで。討論をするように仕組まれている西洋人は。
『それは何時の話か。私のせいだという根拠はどこにあるのか』
と討論に持っていくと思うのであるが。
ま。自分を誉めるわけではないが。
やっぱり、人との潤滑な関係を保つために、
不本意であるが自分が折れる。輪を重んじる。
という自己主張をしない日本人は。
西洋人がその特性を批判しようとも私は美しいと思うのです。

大した問題でもないのに、いちいち主張する。
って、やっぱり。
人としてダサイです。

というわけで。
最近は窓を前開にしてコッソリ料理している。
だって。
もうすぐ引越し。夢の洗濯機の生活だしー。
あー。引越が待ち遠しい〜!

p.s. 引越先はやっぱりブルジョアになりきれずアウトローな感じのへんな物件。一階はセックスグッツ販売店、向かいはPRADAというステキな組み合わせのロケーション。