2011年4月28日木曜日

ドイツで鍛える生活 #58

**** ドイツ撤退への道 #2 ****

前回の続き(ドイツ撤退への道 #1)。
ネットの解約のお手紙はどうなったかというと 。
お返事がきたー。解約完了ー!と思いきや…。

『ドイツを出て海外に住むからと言って、
2年契約を解約できるということはありません』
ガーン。
『しかしながら、解約する手筈はあります。
次に住む国の住民票を私たちに送り云々〜』

いやねえ、その国の住民票は…日本語なんですけど〜。
あんたたち理解できないでしょーがーっ。
ん!? ってことは大使館の翻訳の認証がいる…。
翻訳。数行でも手数料込みで5000円…。
あーあ。ともかく。
日本に引越ししてからじゃないとできないので後回し。
その間も、毎月の通常額。
数十ユーロの引き落としは続くのだー。あーあ。

で。例の大問題。
最後の日まで使う光熱費の引き落としであるが。
引き落としが完了するまで銀行口座を開けっ放しにすることにした。
電気は。
電力会社にアパートの契約最終日に。
電話で数値を自分で報告するらしいのだが。
ワタシ、ドイツ語ヘタ。デンワ、ムツカシイ…。
多分、アナタ、イマデキル。とか。
管理会社(大家)の人にグチグチ言ってたら。
電力会社に電話してくれた。
最後の請求書は1ヶ月以内に引き落とされるらしい。
ふう。一つ解決。

「で。暖房代はどうすればよいの?」
(注:ドイツの暖房代は基本、家賃に含まれているが1年に1回検針して過不足分を支払う)
「今年分は検針の時じゃないとわからない」と管理会社(大家)。
えっ。それって~。いつ?
「7ヶ月後」
「ハ?! 精算が7ヶ月後ということは…それまで銀行口座を閉めれないってこと?」
「そうなりますねえ」

えーっ。日本だったら翌月で終わるものが。
7ヶ月後ですかあ(注)
で。その暖房代にいくら金を残しておけばいいのか…。
(注: 後で聞いたのだが、翌月に精算してくれる所もあるらしい)

この話を持って銀行に行き、打ち合わせ。
7, 8ヶ月後の引き落としを待ってから、
銀行口座を閉めることはできるとのこと。
「じゃあ。全部引き落としが終わって、その後の金は?」
「ドイツ国内の銀行に限り送金できます」
「…… 」
ドイツ国内の銀行に送金できたって…。
私はドイツを撤退するのに~。

というわけで。
引き落とされる予想額を適当に残し。
(まったく検討がつかないが、日本円に換算して5万円程度残した。海外送金は手数料が4000円もするので、足りないという事態にならぬよう…)
すべての引き落としが終わったあと(9ヶ月後ね)。
残金はベルリンにいる日本人の友達のドイツ口座に自動送金する。
で。その友達が日本帰国時、手持ちで持って来てもらう。
という手筈になった。

ウーム。しかし。このシステムでは。
人の協力なしで解決は不可能である。
いやあ。ホント人は1人じゃ生きられません。

次。物理的な引越し。
粗大ゴミはどうすんのかねー。
というまた初歩的な問題。
まあ。布団なんかは。
市の粗大ゴミかなんかに引き取りに来てもらえばよいわけだが。
それだって、指定日なんかもあるわけで…。
となると、最後の2週間くらいはホテル暮らしか、
床の上で寝るなり、寝袋を借りたりして過ごすしかない。

が。しかし。今回。
救いの女神(= 家の後釜)がいるのだ。
(参照: ドイツで鍛える生活 #51
彼女がすべて引き取ってくれるので。
洗濯機や、布団など家具はすべて置いていく。

よって。
私の引越し荷物は服やらキッチン用品など、
30kg程度のダンボール、2箱程度になる模様。
しかーし。ここは海外。
どこにあるの~?ダンボール?という。
また超初歩的な問題が発生するのだ。

おそらく、30kgに耐えられるダンボールは。
日曜大工店に行けばある。
しかし。そういうのは大体郊外にある。
田舎街では車を持っていない人にはキビシイ…。

ってなわけで。
実は。日本からドイツに引越した時のダンボールを。
1年数ヶ月、大事に取っておいたのだ。
いつか撤退する日のために。と思って…。
役立つ日が来ましたー!
しかし問題はボロイんだな。これが。
もう一回、海を超える引越しに耐えられるのかこのダンボール。

ってなわけで。
頑丈なガムテープで補強することにした。
がっ。ここで問題。
どこに行っても布のガムテープがないっ!
あるのは一カ所切ると、
『メリっ。ビリっ』てすぐ全体が切れててしまうヘボいテープのみ。
これでは補強にならん!
文房具店も、郵便局も、デパートも行った。
金と時間をかけてバスで日曜大工店も行った。
どこもなかった…。
気がつけば、ガムテープを探すこと4日間(←バカ)。
もーっ!この国に頑丈なガムテープはないっ!

翌日、前から計画していた、
スペインのバルセロナへ旅立った。
当然。今、欲しいものはオリーブオイルでも靴でもなく。
ガムテープっ!
デパートで超頑丈そうな奴をみつけ一件落着。

そして。カルパッチョの食中毒で、
もうろうとしたままガムテープを抱えドイツへ戻る。

撤退まで残り2日。
念願のガムテープを使い、必死こいてパッキング。
海を超える引越しはちょっとの荷物でもお金かかるので。
何としても2箱に納めたい。

あとで聞いたのであるが。
ドイツは環境先進国だから、
ガムテープとか使わず、
次回も箱を使えるように箱を工夫するので。
発達したガムテープがないのでは。とのこと。
なるほど…。
布ガムテープがない。って…この遅れた国めーっ!
という私の発想の方が遅れていた。
というわけだ。

ともかく。日本から来た箱プラス、
スペインのガムテープ+ドイツの紐で。
グルグル巻きにされた私の反エコな荷物が完成。
重さ。測れないけどたぶん、30kgくらい(一箱30kg以上は送れない)
これ、もう。持ち上げるのも不可能。ってわけで。
どうしたかは。また次回。
















すんません。撤退話。まだおわりません…。
まだ、問題が出て来るんだなー。

2011年4月21日木曜日

ドイツで鍛える生活 #57

**** ドイツ撤退への道 #1 ****

会社も終わった。
あとはドイツ撤退に向けて。
まっしぐらなのであるが…。
近々、大家が家を見にくるというのに。
洗面所の電気の接続ケーブルがどっかで外れてて。
電気がつかない…。もー。

さてと。
手続き関連が色々山積み。
インターネットの解約やら電気、水道、暖房代の精算。
ドイツ版NHKみたいな公共放送の解約(GEZ)。
銀行と口座の閉鎖についての打ち合わせ。
引越し荷物の手配など。

ウーム…。
これまた全部ドイツ語で切り抜けるわけで。
もう頭が痛い…。
当然。引越し荷物のパッキングもある。
しかも。スペイン旅行なんかも入れちゃったので。
全てを3日間でやる予定なのである。

ドイツの解約は何でも(ネットやら携帯やら、家など)。
基本。月末から数えて3ヶ月前に言わないといけない。
(つまり、実質。3ヶ月半くらい前に言う)
しかし。家は自分で後釜を見つければこの制度は免除される。
で。今回、運よく次に住む人を見つけたので。
(参照: ドイツで鍛える生活 #51
色々と助かったのであるが。
問題なのは銀行口座。
もちろん。撤退前夜まで家は使うわけで。
電気、水道、暖房やら、電話なんかも使う。
となると。
それらの精算と引き落としは。
自分が撤退した後に行われるわけだが。
その時には自分はもうドイツにいないし。
銀行口座も閉めて金も持ち出してしまうわけで。
一体どうしたものか…。

で。昔。ドイツにいた時は。
暖房なしのアパート + 低賃金のブルーワーク で。
寒さやらなんやらで精神ともどもイカれ。
わたしゃ、もう一生。
ドイツなんか来ないぞー。
ブラックリストにでもなんでも載せてくれやー。
エイッ!と。銀行口座だけ閉め。
後は知らないもんねー。ってズラかったら。
引き落とせなかった携帯なんかの請求が日本まで到達し。
最後には赤紙のようなすんごい警告とかが来たりして。
きゃー。ナチ。とかビビリまくり。
結局。延滞金を含め、高い海外送金をして払うハメになったので。
今度はちゃんとしたいのである。
まあ。無謀な事をするにはもういい年だしね。

というわけで。
やるぞー。手続き。開始!

まず。役所に行き、ドイツの住民票を抜く。
ハハー。もう住民じゃないぞー。
もう給料の40%の税金を払わなくてよいんだ。
いや。まあ。給料もなくなるんですけどね。
ハイ。ホント。
たくさんドイツ国にお金を献上しました。

次。インターネット。
これは家の後釜の人が使うというので。
一緒にショップに出向く。
名義変更完了!
ウーン。順調だ!
2年契約のモバイルネットも同じ会社なので。
そこで一緒に解約しようとすると。
ショップのお兄ちゃんは。
ここでは出来ないから
本社のカスタマーサービスに『辞めます』
という旨の手紙を書いて遅れと言う。
「えー。解約する用紙とかないわけ?」
「ない」
えー。フリースタイルの手紙ですかー。
なにそれ。

次。TV、ラジオの公共放送の解約。
とある銀行に用紙があるとの噂を聞いたので銀行に出向く。
が。用紙がなかった…。
家に帰り、ネットで。
ドイツ語版の『なんでも相談室』のQ&Aみたいのをみると。
やっぱりその銀行にあるらしい。
もう一度、銀行に出向く。
今度は銀行のお兄ちゃんに
『用紙がほしい』と言ったら出て来た。
あー。もう。何でさっき聞かなかったのか…。
これを。先ほど抜いた住民票のコピーと共に郵送すればよいらしい。
よーし。一個一個解決しているぞー。

そう。今まで。
『鍛える生活』で奮闘してきただけあり。
ドイツ語も手続き関連は意外と問題ないのである。
しかーし。
トラブル解決用語ばかり使っているので。
『これ。解約したのだが、解約されていないんだけど』とか。
『トイレの配管から水が漏れているんだけど』とかは。
スラスラ〜っと言えるのであるが。
実は。お恥ずかしながら。
『今夜、遊びに行かない?』みたいな文句は。
サラッと言えないわけです。
あー。哀しいですねえ。
どんな生活をしてきたのか、この語彙が物語っています。

さて。例のフリースタイルお手紙というのを。
書いておくってみた。

これに対するお返事を郵送で貰えば。
無事。解約らしい。
というか…。
お返事。私がドイツにいる間に間に合うのだろうか…。

しかし。このフリースタイルお手紙。
携帯の解約などでは一般的らしいのだが。
なぜ故に決まった用紙を作らないのか。
必要なデータを書き忘れる人がいたりで、
となると。
手紙が行ったり来たりしてかなり効率悪いと思うのだが…。
ゲルマン=効率。
という世間一般のイメージとかなり違うんですけど。
(実は解約に時間を取らせ、1ヶ月でも2ヶ月でも多く金を取る悪徳商法のような気もするが、まあ。なんも信じられないビョーキなもんで笑)

が。この解約の件。
このあと。意外な展開を見せたのであった〜。

引越し手続きはまだまだ続く…。

2011年4月19日火曜日

ドイツで鍛える生活 #56

**** 勤務最終日 ****

ドイツで会社を辞めるの時は、
日本と同様、こっそり辞めるものらしい。
ということがわかり、
残り日数がわずかとなってからも。
淡々と日々の勤務をこなしつつ、
少しずつ、自分のオフィスを片付けたり、
コンピュータのデータを消したりして。
沈黙を守っていた。

そして。最終日。
さすがにやることもなく手持ち無沙汰。
ボスから皆に。
一斉メールが出る事になっていたのだが。
一向に出る気配がない
やっぱり。
外国ではいちいち催促しないといけないのかなあ。
と思っていたところ。出た。
『マユゲが日本に戻る決断をしました。彼女の貢献に感謝し云々~。 thank you

すると。
同僚たちがポツリポツリと私のオフィスにやってきて。
えーっ。知らなかったよー。なんでー。
と口々に言うので、

ウーン。いい街だけどね、
やっぱりここは小さい街だし、
家族主体だから。
独り者が住むには難しいところだよね。とか。
当たり障りのない返事をしていたのだが。
一番仲の良かったルーマニア人の子は悲しそうな顔をして。
「じゃあ.....君はロンリーだったんだ」と言った後、
うつむいてしまった

えーっ。ロンリー。って
そうか、私はロンリーだったのか。
ウーム。ロンリー
ロンリーって改めて言われると。
元もこうもないし。
なんだかものすごーく小恥ずかしい。
ロンリーねぇ

そして。
人が集まればいつものごとく。
『テーブルサッカーしよっ!』となるので、
よーし、最後の試合だー。と
テーブルサッカーをはじめようとしたその時。
1人のルーマニア人が。
「君はボクが初めて会った日本人なんだ」と。
ボソっと言った。
すると横にいたインド人も。
「ボクもだよ」と

いや。まあ。
おそらく、そうであろうとは思っていたが。
改めて言われるとなんかずしっと重い。
私は過去にも。
インド人もルーマニア人も身近にいたし。
話したこともある。
しかし彼らにとっては。
私が初めての日本人であり、
おそらく。最後の可能性も高い。

つまり。私の一挙一動が。
彼らにとっては。
私の行動でなく、日本人の行動なわけです。

出社時間は遅く、
椅子の上であぐらをかいて仕事をし、
そのまま隣の部屋くらいなら、靴を履かないで行く。
こっちでは非を認めないのが常識なのに。
あっけなく。
『あ。ごめーん。それ、私のミスだ』とか平気で言う。
チームランチで作るごはんは。
なんか得体の知れぬもの(やきそば)が出て来たりする。

というわけで。日本人は。
朝が遅く、靴を履かないで、すぐ謝るんだよー。
で、ごはんもなんか変なの作るの。
って伝わるわけですね。
もー。日本の皆様、申し訳ない!

その後。入れ替わり立ち代わり、
色んな人とテーブルサッカーをした後。
色んな人のところに立寄り、
最後の挨拶まわり。
このへんも日本と同じである。
違うのはハグしたりすること。
しかし。これ。外人だから違和感ないけど。
日本だったら。
会社で隣のおっさんとハグして別れるとか。
あり得ません。

で。最後の決まり文句は。
キープ イン タッチねー。
みたいなことをあちらこちらで言い合うわけです。
これも、まあ。親しい度によって。
単なる挨拶だったり、義理だったり。
本気だったりするわけです。
この辺りも日本と同じ。

そして。外国では。こういう時。
Facebookのアカウントを交換するのが通例なのだが
うかつにもボスとも交換してしまい。
ブログのリンクを貼ってあったため、
この『ドイツで鍛える生活』もバレてしまった。

「あ。でも。日本語だから読めないよ」と私が言うと。
グーグル翻訳で読むから大丈夫」とボス。
……
けっこう職場の事書いているしなあ。。。まずいなあ。
でも。所詮、機械の翻訳だしいっか。
「ほーら、こうすれば、君がブログをアップしたとき、
自動でメールで知らせが来るし』
と。ボスはRSS登録なんかもしてみせた。
……
(なんかいやな予感

そして。
会社のIDカードと鍵を返し、
オフィスを去った。

家へ向かってテクテクと歩くと。
風がきもちいい。
空もきもちいい。
そう。自由だ。自由なのだー!
仕事という足かせが取れたと同時に無職になっちゃったけど。
もー。異様なる解放感!

もう東京に帰れちゃうぞー。
帰ったら『ちょっとお茶しない?』とかできるのである。
微妙なニュアンスの会話だって楽しめる。
車がなくても行きたいところに行ける。
気軽に地下鉄や電車にヒョイっと乗り。
帰りたい時はいつだって電車に飛び乗ればよい。
自力で気軽に移動できるのだ。
寒くないからオートバイだって買えちゃうぞー。

そして。
遂に。金曜日の夜から月曜日の朝まで。
一言も喋らない無言行の生活とも、
お別れなのであるが
(つまり会社以外で喋り相手がいないわけ。ま。努力しなかった私の責任も大きい)

実は。これ。
裏をかえせば『超自由』ということでもあった。
究極の自由は常に孤独とセットである。
『孤独でなくなる』とは。
『自由でなくなる』ということだ。
私は。孤独を捨てるのと引き換えに、
自由も捨てる

バイバイ、ロンリネス。
バイバイ、フリーダム。

 * * * * * * *
ともかく。
実は。自由を捨てているのだが。
なんだかわからぬ解放感にひたりつつ。
テクテクと歩き家に到着。
ボスの言ってたグーグル翻訳で自分のブログを英語に訳してみる。
ガーン!わかる
けっこう何書いているかわかる
慌ててグーグル翻訳をかく乱させる書き方を研究すること数時間。
まずい部分を書き直すこと数時間。
解放感もすっとんだ。

あー。くだらない。
もー。何やってるんだろ。

(もう読んでないと思うので、普通の書き方に戻しました)