2012年1月4日水曜日

ドイツ人とのTOKYO観光 - 中編 -

(前編→ ドイツ人とのTOKYO観光 - 前編

今日案内する人がどんな人であろうと。
一日、東京を絶対楽しませてやる!という決意で。
ホテルにお迎えに赴いたものの…。
私の低俗な脳みそが。
『なんだよっ!ジジイかよっ!』と反応し。
急激にテンションが下がったのが前回

しかし。ここは気を取り直して、
一日東京観光スタート!
フリーマーケットを目指し、青山通りを歩く。

                        * * * *  * * *
「いやー。君が今日来てくれて助かるよー。
ボク一人じゃどこ行ってよいかわからないしー」
(ギクッ。私もわからない…)
「でさあ。東京は。日曜日、店は開いているの?」

ふむ。早速。ドイツ的発言。
ドイツでは戦前から閉店法なるものがあり、
日曜日はお店を開いてはいけない(注1)
(注1)平日も20時までという規制があったが。
2006年に大幅に改訂され、だいぶ規制も緩くなったけど日曜日はやっぱり休み。

「うん。日曜日も店は開いているよ」
「えーっ。じゃあ、働いている人は休みがないの?土曜日だけ?」

ウーン。これまたドイツ(ヨーロッパ?)的発想か。
つまるところ。
閉店法はキリスト教からきている。
日曜日=安息日だから。

「いや。水曜休みの人もいれば月曜休みの人だっているし…」
「ふうん。ドイツではねえ、日曜日は何もしないんだよ」
まあ。それはキリスト教的文化背景だからねぇ…。

コンビニに寄った。
彼は。ドイツのミネラルウォーターを買った…。
えーっ。それ。
観光客として、ダメでしょ。チミー!

そうこうしているうちに、
フリーマーケット会場、明治公園に到着。
フリマが好きな彼はテンションがあがる。
おおーっ!
こちらも低俗な脳みそとはいえ、
喜んでもらえるとモチベーション上がります。
来てよかったー。

よーしっ!私も楽しむぞーっ!
と思い、店を見ては立ち止まるのだが。
彼は同行者の行動おかまいなしに。
スタスタ行ってしまう。

ウーム。
さすが個人主義社会で生きてきた人ってかんじ。
と思うのは、いささか短絡的か。
でも。お互いが個人行動を取っていては。
あの人、ケータイ持ってないし…はぐれてしまう。

しかし。哀しくも。
バカの一つ覚えのように。
意味を考えることも。疑問に思うこともなく。
集団ラジオ体操なんかで育ってしまった私は。
会社の忘年会には行かなくとも。
『人に合わせる』という血はどこかに流れている。

彼が立ち止まった店の隣で、
無意味に商品を取り上げたりして。
店を見ているフリをし。
私も楽しんでますよー。的な素振りをみせつつ。
そのドイツ人を見失わないよう、
目の隅で追うことに専念する。
↑まさに添乗員!
いや。添乗員は堂々と同行者を見張れるから。
こっちの方が高度な技だ。と思うのも。
いささかおこがましいのか…。

「なんかいいのあった?」と彼。
「あ。ウ…。えーっと。まあ…。ウーン。ないね」と私。
「そうだよねー。ゴミばっかり!全部シャイセだね(←ドイツ語でクソという意味)
あのねー。フリマはそういうものなのよー。
ゴミの中から何かを見つけるものなのよー。
というか。チミ。案内係に失礼だなー。全く。
ま。正直とも言うが。
そもそも。
ホンネというのは失礼なものである…。

しかし。このドイツ人。
フリマは大好きというが。
どうやら、CDの山しか反応しないようだ。
お。またCDの前で立ち止まったが。
『全然ダメ』というふうに首を振ってまた去って行った。
これは。まずい…。

「どんなCD探しているの?」
「レゲエ」
「そっか。レゲエが好きなんだー」
「えっ。君もー?」
彼がうれしそうに言った。
「いや。アレステッド・ディベロプメントは好きだけど」
「それ、レゲエでなくヒップホップだから」と。
がっかりするような口調でクギを刺された。
「あ。レゲエか。えーっと…」
あれ?レゲエあんまり聴かない…。
「ボブ・マリーくらいかな」と私。
「まあ。皆ボブ・マリーだよね」とまたテンション下がる。
ちょっとー。あのねー。そこ。
盛り下がりポイントじゃないし〜。頼みますよー。

そして。珍しくCDでないところで立ち止まった。
Tシャツがいっぱい売っている。
「品物はここにあるのが全部か聞いてくれる?」と。
ウーン…。でも。フリマだからねえ…。
当然、ここにあるものが全てとの回答を得たあと。
その店の兄ちゃんを見て、
「あのT-シャツが欲しい」と。
「えっ。どれ?あの彼が着ているやつ?」
「そう」
「いや。あれは彼が着ているから…」

                       * * * * *
ウーム。確かに…。
何ごとも聞いてみないとわからない。
と教えてくれたのはドイツであった。
ドイツはサービス業が盛んでない。
店員が面倒だと思うと、出来ることでも。
『それはできません』とかテキトーな事を言う。
だから。ドイツの生活の基本は。
ダメと言われても。ダメだと思っても。
もう一回、掛け合ってみることだったりする。
交渉したり、食い下がらなけらばいけないことが日常的にある。

                      * * * * * * *
結局。お兄ちゃんの着ている、
レゲエのレーベルのT-シャツは断られ。
フリマは終了。

さあ。困った。
東京観光はまだ始まったばかり。
しかし。私はこのフリマの間。
密かに次のプランを練っていたのである。

Disk Unionが気に入ったという話を聞いたので。
では。下北沢のDisk Union に行ってそのあと。
日本のB級グルメ、お好み焼きでも食べにいくか。と。
で。誘っておいた友達とその辺りで合流すれば。
3人集まれば文殊の知恵となり。
あとはなんとかなるかなと。

「下北沢のDisk Union行ってみる?」
「あ。行きたーい!近い?」
「電車で10分くらい」
「ああ…。ウーン…そっか。じゃあダメだね」

えっー!? 何がダメなのか。電車がダメなのか?!
(参照: ドイツ人とのTOKYO観光 - 前編
とりあえず。代々木公園まで歩く。

        * * * * *代々木公園 * * * * *
「わーっ。いいねー。いいねー。きもちいいねー」
と。大はしゃぎ。
お〜。今までで一番喜んでいる。
でも〜。
ベルリンにもこんな公園たくさんあるし…。

「わー。いいねー。いいねー。いいよー。ここ」
ごめん…。でも。
マウワーパーク(注2)じゃダメなんですか〜?
(注2:ベルリンの公園)

「隣に有名な神社、明治神宮もあるけど。行く?」
「ンー。ボクはあんまり興味ないからべつにいい」 
ごめん。本当に。
マウワーパークじゃダメなんですかー? 

真冬の中。
公園にずっといるわけにはいきません…。
困りました…。
 一日はまだ始まったばかりです。まだ昼の2時30。
ガンバレ〜。マユゲ。 

次回はこの続きを後編にて。

(次、ドイツ人とのTOKYO観光 - 後編 -

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