2009年11月27日金曜日

ドイツへ引越 #5

**** 電波少年的幕開け? ****

あの世行きが近づくにつれ。
(参照: ドイツへ引越 #4 )
最後の食事とか最後のお茶とかの機会も増え。
なんでも『最後』が冠詞のように付くようになってきた。

しかし。
実は頭の中で色んな人とのお別れというか。
この時期を何度もシュミレーションしていたので。
自分の中では既に何かが終わってしまい。
もう片足を向こうに突っ込んでいるかんじ。

実際の『最後の○○シリーズ』が訪れている現在。
今わの際のジタバタは終わり、
アワアワする周りをよそに妙に凛としている。
そんなわけで。
自分的には結構おだやかな最期を迎えている。
(パッキングしてないのにーっ!)

ま。なんと言いますか。移行としては。
日常 → 危篤 → 臨終 →あの世。
でなく。
日常 → あの世。
のように直接移行したいわけです。
つまり。
『コロリと逝きたい』というのが人生最期の目標であるように。
(参照: 死に向かって健康 )
明日、ドアを開けたらドイツ。という移行がしたいのです。
わかるかー。この感じ。
つまり。
この『最後の○○シリーズ』儀式が、
どうも危篤から臨終を経験するかんじなのだ。
ウーン。
十数時間ヒコーキに乗れば行き来できるとは言え。
皆もホントに私をあの世に行かせようとしているーッ笑。

で。
その『あの世への移行』であるが。
 3日後、あの世への扉は以下のように開く。

ドイツ、ハンブルク空港、22時着。

タクシーが迎えに来ている。
そのタクシーのおっさんにアパートの鍵を渡され。
そのまま1時間ほどタクシーに揺られアパートに連れていかれ。

翌朝10時。ドアのベルが鳴る。
アシスタントの姉ちゃんに外人局に連行される。
労働VISAをもらう。

その後、会社に連れていかれるんですかねぇ。

そう。
なぜか空港でタクシーのおっさんに鍵を渡され幕が開き、
もう連れていかれるがまま。
えっ。でも。これって…。
電波少年ですかー?

2009年11月19日木曜日

ドイツへ引越 #4

**** 三途の川辺に到着 ****

あの世(ドイツ)まであと10日。
(あの世と呼ぶ理由: ドイツへ引越 #2)
三途の川は飛行機で渡るので荷物は23 kgまでである。
よって。
荷物はほとんどこの世に置いていかねばならないので。
物の移動のための引越をした。
4年住んだ家を引き払い実家へ引越し(↓Photo)


(↑この中で、あの世に持って行けるのは椅子の上のパックパック一つ。右端のギター。そしてダンボール一つか…)

27歳から4年間、海外ブータロ生活なんかをしていたので。
今回、27歳から数え15回目の引越し(今35歳ね)。
3カ国、5都市に渡る大移動。
その度に、物を捨て人に譲り手放してきた。
一番大事なものだけを手荷物にし空港へ行ったら。
重量オーバーでカウンターと喧嘩。
泣きながら空港に物を捨ててきたこともあった。
で。23kgに減らしたのに、
それすらも事故で成田へ届かなかったりと。
もう踏んだり蹴ったりで呆然と日本へ帰還した。

しかーし。
今、振り返ってみると。
あの時、大事だと思っていたもの。
泣きながら捨てたものの中で。
今、必要だと思ったり欲しいと思うものはない。
たぶん。人にとって。
手放せない物なんてないのである。

なーんていってると。
またドイツに荷物が届かなかったり紛失してしまうのか…。
もう十分捨ててきました。
たくさん手放してきました。
それだけは勘弁してください…。

ところで。
今いる三途の川辺(=実家)は、もう全てがトンチンカン。
ボケた婆さんは。
『ドイツ、いつ行くんだっけ?』と5分おきに聞き。
天然ボケの父は。
『あれ?! マユ(<--私の本名)はダウン症だったっけか?』
と意味不明発言。
ダウン症って治るもんじゃないんですが…。と思いつつ。
あー。やはり。ここは。
あの世の一歩手前。
あの世への船着き場なんだと再認識している。

私に残された時間。あと10日。
そして。
10日後、私は30代の精神を持ちつつ、
アウトプット(ドイツ語)は3歳児となる…。


2009年11月11日水曜日

ドイツへ引越 #3

**** あの世へ行く意味 ****

アシスタントの子に毎日メールした効果か。
私のあの世(=ドイツ ドイツへ引越 #2 )での家が決まった
家具付きのとりあえずの家で、2〜4ヶ月住めるらしい。
その後再び家探し。あーあ。

私のドイツ語レベルは3歳児以下である。
つまり。
三途の川を渡ってしまったら。
言語能力が3歳児に低下するわけで…。
3歳児が一人で住民登録から電話の開通、口座開設、
ケータイの契約、荷物の運送手配、LANの工事依頼、
プロバイダと契約し、ネットを繋げなければならないのだ。
そして、間借りの家を追い出されたあと再び、家探しと引越…。
はあ…。3歳児ですよ。3歳児。

遡ること7年前のベルリン。
当時はドイツ語レベルがさらに下がり、子犬程度。
引越しなければならなかったのだが。
言語能力が全く機能していないため。
言語能力を使わない手段として。
引越手段、地下鉄…。
頭まで届くバックパックを担ぎ地下鉄で15往復もした。

そーんなあの世。
そして。そーんなあの世になぜもう一回行くかというと。
私のルールとして、目の前にある道を選択するとき。
楽な方でなく、勇気がいるほう。
ギャンブルなほう。
めずらしい経験が出来るほう。
を選ばなくてはいけない事になっている。

安定した生活は楽である。
しかし、安定はある意味、その世界での完成形であり。
完成したものをそれ以上なものにするには。
完成したものを捨て、崩さないといけない。
土台から構築し直さないとそれ以上のものはできない。
体力が続く限り。
この世では、崩し続けなければならない。

では。君はなにを目指し崩しているのか。
それは、ひとえに。
オモロイ人間になりたーいッ! (←アホ)ってだけのことで。
歳をとったら、面白い人間こそ価値がある。
と思っているからで。
面白い人間になるには幅広い経験をしないとなれないからで。
ま。つまり。
結局、目指すところはお笑いなんですが。
お笑いのために体張っているわけです。

というわけで。
来月から、3歳児としてやり直し。
私に残されたこの世の時間、あと2週間半!
ひぇ〜ッ!



2009年11月3日火曜日

ドイツへ引越 #2

**** この世とあの世 ****

引越の費用は出してくれるのかなー?
飛行機はどうなってるのかなー。
労働ビザはどうなってるのかなー。
お家がないから探してくれるのかなー。

と毎日質問をアシスタントのお姉ちゃんに投げること1週間。
いっぱい質問しても不明な事はフツーに無視!
なのがゲルマン魂らしく。
翌日に不回答のものをしつこく質問し、1個回答を得る。
という日々を繰り返しているので。
質問は1日1個しか進まない。
そしてやっと。
飛行機チケットを買ってもらった。

飛ぶ日は勤務開始直前の11月末。
総旅時間16時間。
それでもまだ隣の都市へ着くだけ。さらに移動。
で。すぐ勤務開始。
人に言わせると無謀なスケジュールらしいのだが。
行ってしまったらずっと向こうだし。
もーっ、日本にいれなくなるーッ!
という思考回路になっているためギリギリまで日本に残ることに。

この発想。何かに似ているなー。と思ったら。
この世とあの世の関係と似ている。
今わの際にドタバタし、少しでも長くこの世にいたいっ!
というのと同じである。
この世の別れを惜しんでくれる人たちもいれば、
向こうには向こうで待っている人たちもいるわけで。
なんだか、ちょっと三途の川を渡るようである。
で、三途の川を渡ってしまったら。
買い物ができーん。
あんな田舎に何も売っていなーい。
(地図: リューベック
イケてない物に金なんて出したくなーい。
と。いきなり三途の川から俗っぽくなり。
ものすごーい勢いでipodからダウンジャケット、スペアのメガネ。
と。もう、値段ってなんですか?っていうくらい。
今わの際にものすごい勢いで買い物をしている。

しかし。実は飛行機でいつでも渡れる三途の川なんですが…。
なぜか生き急いでいます。

p.s. 相変わらず、まだ家はありません…。