2010年12月8日水曜日

ドイツで鍛える生活 #46

**** ドイツの鋼のハート****

ドイツ語で。
ぜーんぜん…でない。というのは。
ガーニヒト…。という。

昨日。パン屋に立ち寄ると。
カマンベールチーズを載せたパンがあったので。
『カマンベールのパン一つ下さい』と私が言うと。
パン屋のお姉ちゃんは。
「あなたが何言っているか、
ガーーーーーーニヒトわかんないんですけどっ」
と。言った…。

☆×△◎!?
あー。もうびっくりした。
もー。何もねぇ、そんな。
ガーーーーーニヒト(ぜーんぜん)って言わなくても…。
そりゃーね。発音悪いですよ。
『カモベールノパン、イッコクダソイ』
みたいに聞こえたかもしれんよ。
でもね。ゲルマンよ。
他の国では。普通。聞き取れない時。
『sorry? 』とか『えっ?』って聞き返すものなんですよ。
『パン一個下さい』で。
いきなり。
『あなたの言っている事、
ぜーんぜん、わからないんだけどっ』
と、客に言わないのよー。

しかし…。
これがドイツなのだ。
で。こういう事がよくあり、凹むのだ。
ま。ドイツの洗礼みたいなもんです。

で。この洗礼がなかなか慣れない。
私なんてもうドイツに計3年以上いるが。
(ドイツ撤退&参戦を繰り返して計3年半)
今だにすごいダメージを受ける。

昨日は。ガーーーーニヒト。
と。パン屋で言われた瞬間(これまた表情もコワイ)。
胸に直径20cmの真っ黒い穴がぽっかり開き。
急にしょんぼり…。
気の抜けた幽霊みたいになってしまい。
怒られながら買ったパンの袋をぶら下げ。
なにも。そんな。
ガーーーーーーニヒト
って言わなくても…ブツブツ。
と。うなだれながら。
テクテクと40分ほど歩き会社に行った。

そう。ここでは。
いちいち壊れているような。
もろいハートでは住めないのだ。

しかし。
いちいちヨロめいている私でも。
わかっているのだ。
彼らが怒っているわけではないことを。
パン屋のお姉ちゃんも怖いバスの運転手も皆。
普通に言っているだけの感覚しかないことも。
そして。その。
はっきり言うのが。
ゲルマン流のやさしさだということも。
私は知っているのだよ。

でもね。
そのゲルマン流のやさしさを本当に理解し。
それがやさしさだと感じられるようになるには。
ガラスのハートではダメなのだ。
はがねのハートを持ちあわせて。
初めて理解できるもので。
おそらく。鋼同士で同じ土俵に立ち。
ぶつかると見えるものなのだ。
片っぽが土俵に立つ前から。
あ〜っ。ヨロヨロ。と倒れていては。
鋼のハートの神髄は理解できない。

強靭な鋼のハートか。
なーんかあんま持ちたくないような響きだが…。
持てばゲルマン社会で楽になるのは確かだ。
しかし。鋼のハートを得ると。
何か失うような気がする…。

さあ。今日も。
パン屋に行かねば。
昨日と違うパン屋にいこっと。
でもあそこのオネエちゃんもコワイのよね…。

よしっ(←気合い)。
強靭な鋼のハートを持って。
パン屋へ行って参ります!
あー。そんなもん。持ちたくねー。

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