2011年1月16日日曜日

ドイツで鍛える生活 #49

**** ニッポン ****

待ちに待った2週間半の長期休暇。
年末年始を日本で過ごそうと。
この休暇のために。
25日間の有給を半分残しておいた。
(1年間に25日の有休をもらえる)
さあ。日本へ向け、いざ出発!

しかーし。
ゲルマン不信病にかかっているので。
頼れるのは自分だけ。
よって。いつものごとく心配事の嵐。
その上。ここ数日。
異常な雪で交通は混乱状態であった。
リューベック中央駅まではタクシー。
そこからハンブルグ空港までバスか電車なのだが…。

タクシーは来てくれるのだろうか。
バスは定刻通りに来るのだろうか。
電車の方がいいのか。
でも…。電車。この前、2時間止まったのよね…。
ウーム…。と。うなだれているうちに。
タクシーは来た。

今回。事情により重いスーツケース、2個。
そして。うちはエレベータなしの5階。
まず。スーツケース1個をエッコラ1階まで降ろし、
タクシーのトランクの中へ。
そして。もう一個を取りに5階へ駆け上がるのだが…。
ここで。ビョーキが始まる…。

このタクシーのおっちゃん。
私のスーツケースをトランクに入れたまま。
走り去るのではなかろうか…。
という妄想に駆られ、
階段の踊り場に到達する度。
踊り場の窓から、
カッ。と顔を出しては。
キーッ。と睨み。
見てるわよ〜。盗むんじゃないわよ〜。
と無言の圧力をかける。
そんな奇行を繰り返すこと数回、5階に到着。
もう、ほとんど精神異常者。

そして。
無事、もう一個のスーツケースも下に降ろし。
タクシーに乗り込んだのはよいが。
乗り馴れていないもんで。
マヌケにも助手席に座ってしまった…。
よって。中東系のタクシーの運ちゃんは。
親しみを覚えたらしく。
横からガンガン話しかけて来る。
「へえ。休暇で日本に行くんだー」
そして。またビョーキ再発。
しまったー。空き巣に入られるーっ!

ま。そんなこんなで。
結局。色々な乗り物を乗り継ぎニッポン到着。

12月末のニッポン。
そ、空が青ーい!
ひ、日差しがっ!
た、太陽が眩しい!

スコーンと抜けた青空の下。
行き交う、たくさんの人々。
久々に見る東京はなんだか、とっても眩しく。
ただ。空が青いだけで。
エネルギーに満ちあふれているように見えた。

ウォーっ。と。
手を広げて天を仰ぎたかった。
映画『ショーシャンクの空に』の主人公が、
刑務所からの脱出に成功し
両手を広げ、天を仰ぐあのシーン。
私は。そんな気分であった。
ウォーっ!トーーキョーっ!

そして。実家。
ああ。シャワーが温かい。
しかも。42度とか45度とか1度刻みで設定できるぞー。
そして機械がしゃべる。
『お風呂が沸きました』
なんだ。ここはブレードランナーか(古い)。
まあ。そんな事は言わんでよろしい。機械よ。

シャーッ!
サランラップがすごいっ。切れる!
ハサミでラップを切っていた私は。
一体なんだったのか…。

綿棒で耳をイジイジ。
おー。綿棒が折れん。使いやすいっ。
ドイツのは枝が折れるは先がボワボワになるわ。
そういや。昔。ドイツ人の友達が日本に来た時。
綿棒を自分の土産に買ってたっけ。
今。その意味がわかる…。
持って帰りたいなー。綿棒。

そんな感動もつかの間。
翌日からすっかり東京の人となり。
毎日。お茶、ランチ、お茶と。
朝から晩まで。
人を変え場所を変え、喋りっぱなし。
そう。この『トーク』という、
エンターテイメントを奪われてたのだ。私は。
そして。いつしか。
そんな非日常が日常となり。
リューベックにいたことが遠い昔になってしまった。

しかーし。
2週間は自動的に経ち、
ドイツに自分の生活があるという実感がないまま。
成田を飛び立つことに…。

リューベック到着。
すると。不思議なもんで。
ここはここで。
『戻って参りましたー』という感じになり。
今度は東京が『遥か昔』になった。
これは意外であった。
ああ。ニッポンよ。遠くに行かないでくれー。

翌日。出勤すると。
皆に。Heeeeey! Welcome back!と言われ。
なんだか小っ恥ずかしく、
年甲斐もなくテレていたのだが…。
ウム。ここにも自分の生活があるようだ。

そして。家に帰って洗濯。
あれ?! 洗濯機から水が出ない…。
ホースを外し、蛇口を直接ひねっても水が出ない。
もー。いやだっ。
蛇口。壊れたか、凍結か…。
ああ。また。基本的生活トラブルかよーっ。
ああ。ドイツ語で電話か…。
もー。ホントいやだっ!

修行生活、再び。
はじまり。はじまり。

p.s. 結局。蛇口は、凍結であった。twitterで解決策を提供され、一件落着。

Photo: こんな世界に戻って参りました。↓
この世界から東京に来たら、そりゃ、ショーシャンクの主人公のようになるわいっ。
午後2時でこの暗さ。あり得ん!露出、アンダーで撮ってません!

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