2011年2月14日月曜日

ドイツで鍛える生活 #53

**** いよいよ会社残り1週間 +ちょい ****

辞表を提出してから数週間が経過した。
ドイツで鍛える生活 #51: 辞表提出

会社を辞める時というのは。
日本ではわりとコソコソするもんである。
で、最終日に。
『本日をもって退社します。皆様のご多幸とご発展を云々〜』
的なメールが流れ。
おお。そうだったのか。
というふうになるのだが。
はて。ドイツではどうなのかというと。

どうやら。
やっぱりコソコソするものらしく。
秘書のお姉ちゃん(手続き担当)には。
『誰にも言わないからね』と耳打ちされた。
で。
おお。秘密にするもんなんだ。
と思った次第なのだが…。
その1週間後には、別の部署の人が。
私の所にコソコソやって来て。
「ねえ。辞めるんだってっ!」と言ってきた。
そして。また。
「誰にも言わないからねっ」と。耳打ちされた。

ほう。なるほど。
一応。秘密扱いらしいのだが。
ま。それは皆の気分だけで。
やっぱり。
どこかでは噂として広まっているのであろう。
このへんも日本と同じである。
というわけで。
なに食わぬ顔で普通に仕事をしているのだが。

しかしまあ。
もうすぐ去るとわかりつつ。
一つのプロジェクトに携わるというのは妙なもんで。
残業までして一生懸命やるのもわざとらしいし。
10時に来てそそくさと5時に帰れば。
辞めるからって、テキトーにやりやがって〜。
となるわけで。
そのどちらの感情にも触れない程度の行動を取るのであるが。
もう今さら重要なプロジェクトには関わらないので。
やっぱり。部外者的意識はある。
そんなところへ社内メールが流れた。

              * * * * *
皆さん、
社内全体の結束を高めるため、
顔写真入りのメンバー表を作り、
社内全体でシェアします。
自分の職種、家族と趣味を提出してください。
           * * * * *

えー。趣味と家族構成ですかあ…。
ま。私は辞める身なので。
さすがにもうこれはいいだろうと。
提出しなかったのだが。
私も出せと言われて出す事に。
フム。どうやら。最後の最後まで。
この会社の一員として扱ってくれるようだ。
まあ。有り難いけれど。
じゃあ。もう来なくていいよ。とか。
言われる可能性はないってことかあ。

しかしまあ。
こちらの会社って。
仕事は仕事。
プライベートはプライベート。
なのかと思っていたのだが。意外や意外。
なにかとイベントを催したりして。
仕事以外での結束みたいなものを求めるというか…。
仲間意識を持とう的な活動がけっこうあるのである。

さてと。家族メンバーか。
いないんですけど…『None 』とか書いていたら。
リューベックのドイツ人の大ボスが。
私のオフィスへ来た。

「どう?調子は?日本への引越の準備は進んでいるかい?」と。
ああ。そうそう。撤退時の一番の問題。
銀行の最後の引き落とし…。
「いや。まあ。ちょっと銀行をどうしようかと…。
電気とかインターネットとかの支払いは1ヶ月後だから。
銀行口座を閉めるにも閉められないし〜。でも。
口座を維持するにはドイツの住所が必要だしねぇ」と私。
「なんなら会社の住所使っていいよ。
なんでも不都合な事があったら、会社使っていいからね』
とそのボスは言って去っていった。

おお。
去るという決断をした人に向かって。
なんと。や、やさしいではないかー。
まだチームの一員どころか。
去った後も協力してくれるとはなんと有り難い。
やさしいじゃーん。ドイツじーん!
(↑いきなり好印象)
あれ?。しかし。これ。
ドイツが腐れ縁になったりして〜。
『ドイツで鍛える生活アゲイン』とかは。
勘弁してほしいなあ…。

さて。その。
社内の団結を高めるとかなんとかのメンバーリスト。
ドラフトが上がってきたのだが…。
あれ〜!? 3分の1くらいの人が。
デフォルトで入っている顔写真と職種以外空欄。
そうなのよねー。こっちの人って。
やれ。って言われても。
やらなきゃいけないという感覚がなく。
まあ。これは別にいいだろう。と。
自分で判断したらやらんのである。
しかし…。
あんなにリマインダーが出てても。
やらんという姿勢を保つのか。
すごすぎる…。

で。この趣味欄がわりと面白い。
まあ。職業柄、趣味は写真とか。
コンピュータ関連が多い。
お国柄だなあと思うのは。
うちの会社は80%くらい男性なのだが。
趣味、ピアノ。という人多数。
さすが。クラッシック音楽の国である。
さらに見ていくと。
突っ込みどころ満載の趣味も。

趣味: 家族。
いやー。まあね。このへんはねえ。
まあ言いたいことはわかるが…ねぇ。
それ。趣味って言ってしまいますか…。

はい。次。
趣味: キリスト教。
あー。この人。
私のオフィスまで来て。
ジーザス・クライスト。はいかにエラかったか。
という話を永遠としたのよねえ。
趣味だったのか。
しかも。彼のコンピュータの上に、
いつも聖書が乗っかっている…。

次。
趣味: 自己啓発。
おーーーーい! 
もー。さすがっ。外人の管○職。
言う事に『ケンキョ』さというものがない。


自分をエラくみせたり、
強くみせるより。
わざと落としてみせるくらい方が。
部下はついて来るもんだと思うのだが…。
謙虚にしてては生きていけんか。ここでは…。
主張せんとね。

じゃあ。私も。
最後の1週間。もう意味ないんで。
行かなくていいですかー。
とか主張すべきか。

言えーん…。そんな事。
それなりのやる気をみせつつ。
働いちゃうんだろうなあ…。

やっぱし。
自分は日本人であったー(←なにを今更)。

6 件のコメント:

  1. ドイツでもこそこそするみたいですね
    旦那の職場の人が辞めるときもそんな感じ。
    一部の人しか知らなくて
    でもうわさにはなるのよね。

    やめるときの自分の立場って言うかあり方の
    難しさ、中途半端さ良くわかるわ。

    後少し頑張ってくださいね。

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  2. まゆまゆげさん
    ドイツ生活、ほんとうに一旦(?)終了になりそうなんですね。
    いつもリューベックでの奮闘ぶりに自分を重ねつつ読んでいました。
    帰国まであと少し、楽しんでください!!

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  3. >もとぽさま、

    そうですか。やっぱりコソコソ退社していますか。うちの会社、誰も辞めないので、前例がないからわからないんですよね。しかもドイツのしきたりもよくわからない。最後のスピーチとかないのかしら? 最後の2日間とかほんとどうしたものか…。ドイツ人なら来ないのかしら。

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  4. >AKI さま、
    一旦じゃなくてドイツは撤退のはず笑。でも、帰国までまだまだ山がありそうです。『鍛える生活』読んでくれていたのですか。ありがとうございます!日本でもブログは続きますのでお楽しみください。『インドで鍛える生活』とか始まってしまったらどうしましょ。。。ぜったいそれキツイ…。

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  5. 最後はどうなんだろう?
    送別会見たいのがあった人もいてたし
    休暇の消化をしてそのままいなくなった人もいてるし……。
    仕事柄、研究材料を時々取りに来てる人もいてるし。
    よくわからないな。
    送別会はないんですか?
    あったら、なんとなく締めくくりができるのにね。

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  6. コソコソ隠すかんじだから送別会はなさそうですねえ。まあ何も挨拶しないのもあれなんで最後の日に同じ課の人には挨拶しようかと思っている。しかし。コソコソっぷりがなんだか意外でドイツらしくなくてちょっとおかしい笑。

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