2010年9月20日月曜日

ドイツで鍛える生活 #35

**** 会話の条件 ****

会社というのは。
無作為に選ばれた人々の集団である。
会社のためには多少、選ばれたかもしれないけど。
それは。仕事を抜きにしたら。
単に『無作為に選ばれた人々』である。
会話なんて当然噛み合ない。
しかし。そんな人々と。
時にはおしゃべりをしないといけない…。

        * * * * * * * * * *
さて。再び。
恒例の月曜日のチームランチ。
ボスは。やはり言った。
so... How was the weekend?
出たーっ。もうお前は月曜日、それしか言えんのかー!
(参照: 孤独論, 拷問的挨拶
いや。まて。あっ。これは。
会話をしようという彼なりの気遣いかも…。

外人と話す。となると。
語学力が大事と思いがちだけど。
実は。語学力以前に。
当たり前だが話す事がないと話せない。
(↑ここを多くの日本人は忘れている!)

会話(いわゆる『おしゃべり』)というものは。
共有するもの、共感するものがその人とあるか。
というところがポイントとなる。
もちろん、必要によって反論もするが。
結局。『そうだよねー』とか『そうそう!』
と言えるポイントがどこかでないと。
会話というものは成立しない。
『ツボ』が同じでないといけないのだ。

しかし。このツボが難しい…。
日本というのは。
音楽も欧米のメジャーなポップスだけじゃなく。
イギー・ポップだって聞くぜー。
アンダーグラウンドシーンだって知っているぜー。 
みたいなところがあり。
自分たちは欧米に属している。
という錯覚を起こすことがあるが。
世界は結構遠かったりする。

たとえば。
日本人は日本独自のアニメを見て育つが。
その他諸外国はアメリカ発のディズニーやシンプソンズで育つ。
欧米人(特に英語圏)は。
シンプソンズやサウスパークといったアニメが大好きで。
シンプソンズに出てくるさあ…。
みたいなおしゃべりをよくする。
シンプソンズなんかがわからないと。
単語を全部理解していようとも会話には入れない。
欧米人と国際結婚した人なんかも。
このへんで凹んだりするのではないかと思う。
実は。日本と世界はかなり距離があるのだ。

ここの場合はさらに遠く。
ルーマニアと日本という(*注1)
お互いの国のイメージすらないという遠すぎる関係。
そして。
同僚=社会から無作為に選ばれた人々。
ランチ=仕事以外の話をする礼儀。
この条件での会話…。

そう。私たちにはもはや。
地球という同じ時間軸を共有している。
という事くらいしか共通項がないのだ。
ボクに週末があったように君にも週末があったはず。
というわけだ。

しかしねえ…。
毎週、週末をどのように過ごしたか。
というこの発表会状態。なんですか。
あー。もう辛いですねえ。
浅い会話を永遠とするこの辛さ。

しかしまあ。共通項が。
地球の時間軸と天気くらいしかないとは。
なんと哀しいことか。

お互いのお国事情の質問でもすればよい?
そんなもんは最初の3ヶ月でネタ切れです。

(注1: ドイツで働いているけどチームメイトはルーマニア人)

2 件のコメント:

  1. ホント、日本のタレントの話とかぜんぜんできないんだよねー。自分のダンナと。ははは。やっぱり共通項がせまいっつうのは辛いよね。ところで同僚の皆さんの週末ってのは一体どんな感じなの?

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  2. ハハハ。私も一時期はがんばってシンプソンズとか見てましたが…。やっぱり日本のお笑い番組とかのほうが『共通項』が多いからかツボにはまる…。同僚の皆さんはねえ、土曜日はお買い物で日曜日は安息日じゃないか?ヨーロピアンだから笑。
    ってかねえ。私はこのhow was YOUR weekend?質問をしないので、皆の週末はあんま知らないのだ。
    ベルリンで働いている友達が言っていたが、その子の同僚はDid you have a good weekend? と聞くと言っていた。そうすると、『うん』とか『まあまあ』で終わるわけで…。あー。この質問の仕方は優しいなあ…と思うのでした。

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