2010年3月15日月曜日

ドイツで鍛える生活 #14

**** 基本複数形社会 ****

『堅実』の同義語『ケチ』。
『堅実』もしくは『ケチ』と評判のドイツ人において。
生活の基本は常に。
自分たちで何とかすることである。

つまり。引っ越しなど。
自分たちでなんとかできるものは自分たちでやる。
金は払わん。
で。ポイントは。
『自分』でなく『自分たち』なのです…。

ここの生活で何が大変かというと。
すべてドイツ語でこなさないといけない。
というのも人生ドリルを難しくしている要因の一つではあるが。
( ドリルの意: ドイツで鍛える生活 #13 )
それよりももっと大きな問題がある。
それは。
『自分たち』というこの複数形ベースである。

一見、会社員として普通な生活を送っているが。
三途の川を渡る大きな引越しをしたもので(ドイツへ引越 #4 )。
普通の人が持っているような生活物資。
布団、マットレス、洗濯機、掃除機、机などがない。
で。
毎週末のように買い物し続けているのだが。
ここで金で解決できない問題と常に対峙する…。

あー。これも必要…。
でも。持てない…。
持って帰れない…。
配達か…。でも。土日は配達なし。
平日は会社にいるから受け取れない。
日にちも時間も指定できない。
再配達もしてくれない…。

しかし。これは。
荷物を一緒に持ってくれる人や。
家にもう一人いて、荷物を受け取ってくれる人がいれば。
簡単に解決される問題であって…。
つまり。
街自体が独りで生きるように構築されていないのです。
そこをムリヤリ独りで生きているからすごーい大変なわけです。

この国に住むということは。
パートナーを作り生活ベースを複数形にするか。
配達あるから明日、会社来れないかもー。
みたいなことを月に数回できる図々しさか。
または。
たとえ、友達というほどの仲でなくても
大きなものを買ったんだけどさあー。
ちょっと運んでくれなーい?
と気軽に人に頼める太い神経がなどが要求されるわけです。

私は。
自分のことは自分でやる。
自分のことは自分で養う。
そして。
自立すること、していることが。
働く意欲であり生きるエネルギーであった。
それを糧に20歳から16年間ずっと自立し続けてきた。
そう。
私は養われたら死んでしまうのだー。

しかし。そんな人に。
今、実は与えられている人生ドリル…。
それはおそらく…。
人に頼むこと。頼ること。

これがねー。
女子として生きてきていないもんで。
なかなか苦痛で。
今、私に求められていることは。
工具を揃え、配管や配線と格闘することではなく。
毎回、重い荷物を一人でえっこら運ぶことでもなく。

「きゃー。できなーい。やって〜」
と人に言うことなのです。

あー。やれやれ。
人生、がんばって独りで何でもやってきて。
その結果。
要求されていることが。
「きゃ〜」と女子っぽく言うことかと思うと。
あー。やってられません。ホント。

でもやっぱり工具セットは欲しい…。


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