2010年5月29日土曜日

ドイツで鍛える生活 #23

**** 桃源郷 ****

子供のころから外国に憧れていた。
制服や運動会の行進がある日本を。
遅れた国と思い、ダサイと思っていた。

なもんで。
わりと早い時期から。
自分は日本を出ようと思っていて。
中学校のときにはどうやってビザを取ろうか考えていた。
オーストラリアで。
お好み焼き屋さん開くか…。とか。
イギリスで犬の訓練士になろうか。とか。
電車の中の中吊り『海外青年協力隊員』
にも反応したりしていた。

今、振り返ると。
なんの一貫性もなく。
かなり頭が悪そうな発想であるが。
まあ。ともかく。
日本を出たかったのである。

で。27歳の時。
もう後がない!と思って。
日本を出たのだが。
勝手に外国に引っ越ししても。
仕事があるわけでも学校があるわけでもなかった。
社会の底辺でプータローなバイト生活を4年経験し。
もう。どん底の生活はいやだっ!と思い。
海外生活に見切りをつけて日本に戻った。

海外で自分にできることなんて何一つなかった…。
あるのは皿洗いレベルの仕事だけだった…。

そんな人が今。
日本人がいない場所で。
日本人がいないドイツの会社で働いている。
これ。考えてみると。
私が12歳から24年かけて辿り着いた夢の場所なのだ。

そう。ここは私の桃源郷。
そう。私は桃源郷にいるのだ。
そう。桃源郷のはずなのだー。
おかしーい。
桃源郷じゃなーい!

で。
わかったのだが。結局。
桃源郷とは場所ではないのです。
仕事が出来る人はどこでも出来る。
楽しめる人はどこでも楽しめる。
そこが都会であろうと田舎であろうと。
外国だろうと。日本だろうと。
場所ってあんまり関係ないのです。

つまり。
桃源郷って。
自分のなかにあるもので場所ではないのです。

とういわけで。
都会でないと死んでしまうような私でも。
この田舎くさーい街が桃源郷になり得るのだ。
自分の中の桃源郷に辿りつけば…。

そんな意味で。
私の修行の旅は、まだまだつづく…。

あー。私の桃源郷よ。
辿り着くぞー。

p.s. しかし。この極寒の国が桃源郷にねぇ…。今年の冬の寒さを思い出すと…自信半減。

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