2010年11月24日水曜日

ドイツで鍛える生活 #44

**** 緊急事態発生 ****
※警告: 食事中の方、想像力たくましい方には、
不適切な内容が出て来てきます。

日曜日の朝。
トイレに行って手を洗おうとすると。
蛇口から。
シュポ。シュポシュポシュポ。シュポ〜。
シュルシュルシュル〜。と音だけした。
えっ!?
シャワーも同じ。台所もっ。

えーっ。 家中の水が出ん…。
もー。ショックすぎる…。
しかも日曜日。街は死んでいる。
(ドイツの日曜日は店が全部休み)

さあてと。どうすっかねえ。
昨日の残りのお茶で歯を磨きながら。
今現在ある水をチェック。

エスプレッソマシンのタンクに500cc。
BRITAの容器の中に500ccの水が残っている。
昨日の夜、作ったお茶が700ccほど。
豆乳も1リットルある。

うーむ。これで今日はしのげるか…。
しかし。ハウスマイスター(注1)は。
(注1: 家のケアをしてくれる管理人)
『どうせ、元栓が閉まっているんじゃないのー』
と。言うに決まっている。
そこをなんとか力説し、明日にでも来てもらわないと。
(今日は所詮無理と思っている←ちょと悟りの域)
あー。ドイツ語で電話。気が重い…。
とりあえず。
電話用のカンペの下書きを始めた。
あれ?元栓ってドイツ語ってなんて言うんだ?

そこへ『トゥルルルッ』と電話。
同じ地区に住む日本人からであった。
「水が出ないのー!」と。私。
「ああ。やっぱり…」

なんでも。
リューベックに供給する水のパイプが壊れたとかで。
街中に水が供給されていないらしい。
で。その家はまだ水が出ているとのこと。

なぁーんだ。そうだったのかっ!
それを聞いてなんだか妙に安心してしまった。
だって。自力でこの難問を解かなくても。
おうちでじっとお座りしていれば。
市が勝手に解決してくれるんでしょ。
あー。よかった!
他人まかせとはなんて楽ちんなんだ!

さてと。
復旧はいつしてくれるのかなー。
お皿を洗ったり洗濯はできないけど。
さっき。トイレの水は流れたし。
そのあと水がタンクに流れ込む音もした。
ということは。
トイレだけは大丈夫ってことか。
じゃあ。いっか。と思っていたのだが…。

再びトイレに行き、ボタンを押すと。
なんとっ。
ジャっ。で終わってしまったっ!
ン!?ジャージャー。って言わなかったぞ。
えっ。ヤバイ。
実は…。
ヤバイものをしてしまったのだ…。

とりあえず。
トイレットペーパーを大量に投入し封印。
見なかったことに。
『……… 』

まずい。
これは大変だ!大事件じゃないかー!
街中。皆。
両手にやかんを持って行き来しているに違いない。
あの家もいつまで水が出るか…。
『水を汲みに行かせてー』と先ほどの家に電話し。
急遽。ありったけの容器をかき集め通りに出た。

しかーし。そこには。
いつもと変わらぬドイツの日曜日があるだけで。
容器を抱えて歩いているのは私だけ。
皆。普通にブラブラ〜とお散歩をしている…。
えっ。なんでだー!?

               * * * * * * *
そのお家に行くと。
同じ地区なのに水が出た。
ま。ここもいつ出なくなるかわからない。
ということで。
バスタブにはたんまりと水が貯めてあった。
ついでにトイレも行っておこうと思ったのだが。
私が行って『ジャっ』で終わってしまったら…。
そんな忘れものを残していったら…。
このリューベックで貴重な日本人一家に。
もう二度と会えなーい!と思うと。
『トイレ貸して』とは言えず(←小学生かっ!)。
結局。4リットルほどの水を抱えて。
トボトボと家へ帰った。

ウーム。あの封印したもの。
あれはどうしようかなあ…。

家へ戻ると。やはり水は出ない。
参った…あれと共存せねばならぬ。
しかし。
皆はどうしているのだろうと思い。
ネットのニュースを見ると。

         * * * * * *
復旧の目処はたちません。
警察には100本以上の電話がかかってきており、
パンク状態なので。
もう警察には電話しないでください。
* * * * * *

とのこと。
なんじゃー。その。電話してくるな発言は〜。
しかし。100本って〜。
街中の水が止まっているのに…それだけ?

で。ニュースのコメント欄を見ると。
『ま。僕はそんなにシャワー浴びないしね』とか。
えーっ。やっぱ。ヨーロピアン、毎日シャワー浴びんのかっ)
『ま。うちはペットボトルの水が何本かあるから平気』とか。
『明日になっても復旧していなかったら、
明日の朝。炭酸の入っていない水を買ってこよっと』とか。
(ドイツのミネラルウォーターはガス入りが人気で主流)
そんな調子なのだ。

もう。さすが。
ある意味。尊敬に値する発言。
やっぱ。皆、不便な生活に慣れている。
えーっ。ってか。
みんな、トイレは〜?どうなのよっ!

これで私は確信した。
前にも言ったがドイツで鍛える生活 #4)
優雅な社会とは不便な社会である。
不便な社会とは優雅な社会である。

日本がゆとりある生活に憧れるなら。
便利さを捨てる覚悟を持つこと。
そこを見ずして。
日本は欧米社会を羨ましがってはならぬのだ。
いいですかー。皆さん。
ヨーロッパの休める社会は優雅であるが。
不便なんですよー。

この世には。
代償を払わずして手に入るものなど。
なに一つとしてないのだよ。

           * * * * * *
午後4時。8時間ぶりに水が出た。
もちろん。まっさきに。
トイレのボタンを押した。

ま。今回は珍事だったとしても。
やっぱり。私は。
トイレの水を。
明日流せばいいやなんて思えない。
そんな域までいけるのか…。
いや。そんな域までいきたいのか。

修行は続きます…。

p.s. 13万世帯の水が止まるという…さすがにこんな事件はドイツでも珍しいらしい。

2 件のコメント:

  1. ところで、水道は復活したので?

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  2. あ。そうか。ちゃんと。書いてなかった…。
    はい。復旧しましたー。やっぱり。水は常に2リットルくらい常備しておいた方がよいことを学びました笑。地震用じゃなくてね。単純に社会がまわってない時用(笑)

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