2010年11月2日火曜日

ドイツで鍛える生活 #41

**** 戦う社会と太い神経 ****

めでたーい感じで。
条件付きの契約を更新し。
思わず、ドイツ&ルーマニア全国民まで。
愛してしまった先週から一転。
(参照: ドイツで鍛える生活 #40
やはり。鍛える生活は。
なーんにも変っていなかった…。

月曜日。そこに待っていたのは。
チームランチ。そして。
How was your weekend? 
(参照: 孤独論 1,  拷問的挨拶

このhow was your weekend 攻撃。
だんだんひどくなって。
今や。発表会状態。
チームランチで席につくと。
「えーっと。じゃあ。誰から始める?」とかなり。
(誰からって何がじゃーっ!)
「so... how was the weekend, アンドレ?」となり。
(出たーっ!)
で。アンドレが答える。
土曜日はxxに行って…。
日曜日は誰々と○○をしました。
(もーっ。バカ者っ!そんなに詳しく言うんじゃねー。
後の人もそれに続かないといけないだろーがーっ!!)
「はい。じゃあ次。ガブリエル」
みたいな感じで一人ずつ。
土曜日は何をしたか日曜日は何をしたかと。
発表する事態になっているのだ。

なんじゃー。これ?!
このプライバシーのないかんじ。
ほんと。やってられん。と思い。
最近はテキトーに週末をでっち上げている。
ほんと。でっち上げまですると。
(まあ。こんな事しているのは私だけだと思うが…)
一体。だがための何のための会話なのか。
もう。意味不明。
これが脱出するその日まで続くかと思うと。
ほんとブルーだ。
しかし。こんな事態に陥っているのは。
ドイツ。ン千万人の中でも私だけじゃないのかー?
なぜこんなにも鍛えられねばならぬのか…。

そして。もう一つ。
待っているものがあった。
すんごーい量の仕事。
もう日本より俄然働いている。という状態。

こちらの会社というのは。
基本。日々追い立てられたり。
責め立てられたりするのが普通で。
意外とノンベンタラリンと仕事ができない。
プロジェクトが一旦、スタートしたら。
会社へ行ったが最後。
ほんと。毎日が戦いで日々ヨレヨレ。
もー。死んじゃうっ!というかんじ。
しかし…。皆もこんなに大変なんだろうか。
ふと。周りを見渡すと…。

『まあ。そんな事言われてもね。無理なものは無理だし』と。
わりとケロっとしているのである。で。
「ねえねえ。テーブルサッカーやろうよ」
とか誘ってきたりして。
もー。わたしゃ。クソ忙しいんだよーっ!!
ってか。お前も忙しいはずだぞー。
と、断ろうとすると。
『でも。ブレイクは必要だし…』とか、
懇願するような顔で言うので。
「ほな。まあ」と。またもや丸め込まれ。
テーブルサッカーにちょろっと付き合い。
再び仕事に追いつめられるという状態。

で。当然。
「スケジュールより遅れている!なぜだーっ!」
と責め立てられるわけであるが。
ここが外人。
誰もが、ものすごーく『弁が立つ』ので。
口からでまかせみたいな言い訳が。
スラスラスラ〜っと出てくるのだ。

しかも。皆、戦い慣れている。
たぶん。これは。
社会で日常的に戦っているからだと思う。

たとえば。
何か買ったばかりの物がダメになり。
取り替えてもらおうとお店に苦情を言いに行っても。
担当の人は面倒だから。
一回目は基本。『できません』という。
で。そこで引き下がらずに。
やれ、責任者を出せだのなんやかんや戦うと。
サービス機能がやっと働いて。
取り替えてもらえるわけです。
日本だったらその場で。
「申し訳ございません!お取り替えします」と。
すぐ終わることが。
そこまでたどり着くのに2週間とか。
1ヶ月以上かかることだってある。
サービスも戦って得るものなわけです。

朝。バスに乗れば。
お釣りのないように(大きい額を渡すと怒られる)
ピッタリの額をバスの運ちゃんに渡すと。
「どこにいくんだっ!」と。
朝っぱらから怒られるわけです。
(だからピッタリの額、用意しといたのに…。ションボリ)
で。Rの入っているバス停名なんかだと。
うまく発音できないので。さらに。
「huh?! どこかって聞いているんだっ!」
とさらに怒られるわけです。

この。サービスは戦って得る。
接客が無愛想。
給料の40%以上が税金。
(日本で28万くらいの給料の人でも扶養がいなければ40%取られる)
で。その税金は。
生活費が足りない家に十分な生活費として回される。
という社会。お肉券こそ支給されないけれど。
(かつて。社会主義国ではお肉券なるものが支給されていた)
この国は限りなく社会主義に近いような気がする笑。

戦闘態勢が必要な社会ではあるのだが。
これが日常の彼らにとっては。
戦っているという感覚はない。
バスの運転手の態度も彼らにとっては。
『質問された』くらいにしか感じていないはず。

そもそも社会がタフなので。
彼らも、ものすごーくタフに出来ているのだ。
そして。そのタフな社会を口で渡ってきているので。
誰もが異様に言い訳機能が発達している。
(テキトーな論理立てがうまい)

察するという機能が発達した私たち日本人は。
口の機能が発達しなかった。
和を重んじる私たち日本人は。
日常的に戦闘態勢である必要もなかった。

というわけで。
私なんかが仕事の遅れの理由を説明しても。
『そんなのは言い訳にならん!』
と一蹴されて終わりなのである。

           * * * * * * *
あー。また同僚がやってきた!
もー。今。遊べないからねーっ。
忙しいから。今ダメだからねーっ。
あんた達みたいに口からでまかせが出ないんだからーっ。
と。思っていたら。

「ねえねえ。夜とか街に1人で出かけるの? 」
「 …… 」

もー。そんな事、フツー。聞くかーぁ?
あのねー。単身で来たのよー。このド田舎にーっ。
察しなさいよーっ!
あー。察するという機能がないのか。
君たちには…。

あーあ。もー。
物事を察してくれる国に住みたい…。
バスに乗っても怒られない国に住みたい…。

そういや。日本に送った履歴書はどうなったんだろう。

4 件のコメント:

  1. これよ、これ、言いたいの
    良くぞ劇画調にかたってくれました。
    バスとか、スーパーとか怖いのよねー。

    マエストロつかっていいレーンでも、マエストロだしたら
    「もう、なんでカードなの」ってかなり強く口調で
    いわれながら、お客の僕が「すみません、お願いします」ってな感じだ・・・。

    このドイツは、共産主義の国であって、労働者が一番
    偉いに違いない。

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  2. > masatsuguさま、
    そう。この。客の方が怒られるっていう制度。
    どうにかなりませんかねえ。
    慣れたとは言え、バスに乗って怒られる度、その後1時間くらいはブルーになる(昔は一日ブルーであった)
    しかし。ドイツ人はなんとも思わないから改善されないのよね…。

    お隣りのオランダは同じゲルマン民族だが。
    店員さんはにこやかで優しいのに…。
    こんなに客に無愛想なのは旧共産圏でも、もうないんじゃないか。
    旧ソ連とかではあったかもしれないが…。
    (というかここ。旧西ドイツだし、旧共産圏でもないのにー)

    でも。サービス業の人には天国なのですよね。サービスしなくていいから。
    私も昔、ドイツで店番のバイトをしたが、客がきても奥でドイツ語の宿題とかやっていていた。さすがに客に怒ったりはしなかったけれど笑。

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  3. えーオランダになると、 にこやかになるの?
    信じられん
    そういえば、オーストリアのインスブルックってところが好きでもう4回いっているのですが
    総じてスーパーなど、にこやかに対応してくれますねー。かなり英語通じるし、助かります。

    まぁ、サービス業は存在しないってことね、ここドイツに

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  4. やっぱり、同じゲルマン系でも何が違うかというと、これは小国と大国の差ではないかと…。小国って英語を勉強したりする謙虚さがある。ほんと、サービス業のない社会の大変さがドイツでよくわかる笑。うちは5階なのだが、前に2Mの板を買って配送してもらったのだが、通常は5階まで運ばず、1階の家の前までしか運ばないと言われ、ひっくり返りそうになった。運べないから配送を頼んでいるのに…。

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