2010年10月24日日曜日

ドイツで鍛える生活 #40

**** 最終決断(後編)****
前回までのお話↓
参照: 最終決断(前編)

私の人生を懸けて。
日本とのメールのやり取りが。
仕事そっちのけで始まった…。

友人A:運命に流されてみなよ。
マユゲ:えっ。運命ってどっち?
友人A:誘われるほうが運命。
マユゲ:えっ。じゃあ。フランスじゃん。いやだー。いやだー。
友人A: 選択肢があるときは困難な方を選ぶんじゃなかったの?
(人生選択の方法: 失業ブルース#3, ドイツへ引っ越し#3
マユゲ:そうだけど…。
人生の選択はハードコアな方を取るべきだけどっ。
精神崩壊したら終わりなのよーっ!
冒険もそのへんの節度をもって冒険しないといけないのっ!

別の友人も参加:
友人B: 辞める時期もマユゲの勘だよ…。
マユゲ:でも。ここの生活がいやだから辞めるなんていうのは。
単なるわがままかも。今、簡単に日本に帰ったら。
神様から罰が与えられて仕事が見つからないかも…。
でも。あと半年ねばれば。
ご褒美に日本でも仕事をもらえるかも…。
友人B: そっかー。難しいねえ。 じゃあさ。
色々、契約に条件出せばいいじゃん。

再び友人A: もー。どれだって同じだよー。

ドイツと日本とフランスと。
どーやったら同じになるのよーーーっ!(←キレ気味)
でも。そうかも。結局。私は日本で4年半。
安定したヌクヌクした生活を送った。
これから4年間はどこ行っても転落人生ってわけか。
そういう意味では同じかも。
じゃあどこで転落するか。という選択なわけだ。

タイムリミットは刻々と迫る…。
もー。わかんなーい!というわけで。
コインを投げた(職場が個室だからこんな奇行もできる)。
10回投げてドイツだったら私は腹をくくる。

1回目-ドイツ。2回目-ドイツ。3回目-ドイツ。
ふう。『ドイツか… 』
4回目-日本。5回目-日本。6回目-日本。
『…… 』
ここでアホらしくなってやめた。
やっぱり、裏と表しかないから50%の確立ってわけか。
自分の頭で考えろってわけだ。あと半年か…。

友人B: だからさ。半年以内でも東京で仕事が見つかったら。
辞めてもいいみたいな契約にすればいいんだよ。
言ったもん勝ちだよ。
マユゲ:そっかー。
再び友人A: 日本は不況だよー。

夕方5時。ボスを捕まえた。
Can we talk now? Of course.

            * * * * * * * * *
私は辞めるのを半年延ばせる。だけど。
でも…。なんといいますか…その…。
半年以内でも日本で職が見つかったら辞めてもいい?

ボスはちょっと考えた後、OKと言った。
でも…。と私。
辞めるって分かっている人を雇いたい?いいの?
と聞いてみた。

普通は雇わない。なぜならば。
辞めるってわかっていると、人はちゃんと働かない。
だけど。君はそういう事する人じゃないから。と。
ニコッと笑ってボスは言った。
半年延長。日本に仕事が見つかったら1ヶ月前に言うこと。
これがボク達のAgreementだ。いいね。
ま。普通、こういう事しないけどね。
と言って。またボスはニコっと微笑んだ。

この瞬間。私はルーマニア全国民を愛した。
君たちがジャカイモと肉しか食わなくてもいいっ。
私は君たちが大好きだ。
そして。この決定は。
ドイツ人の一番上の大ボスまで伝えられ、承諾された。

辞めるのを前提で正社員で契約。という。
不思議な契約。
良識が常識を超えた…。
これは私が見たかった世界だ(参照: はかなき常識 )。

もちろん。これは。単に。
会社側としても都合がいいだけかもしれない。
でも。それでもいい。
たぶん。私は。
これからどんなに嫌なドイツ人とルーマニア人に会っても。
ドイツとルーマニアを心から嫌いにはなれない。
ま。こういう個人ベースで通じ合うことが。
国際平和みたいなものなのかしらね。
だって。その2つの国。もう憎めないもん。

日本の若者よ。よーく聞け。
レールから降りて自ら脱線せよ。
日本を出よ。世界は広いのだよ。
日本の下らん服装規定や。
軍隊チックな就業規則を止め。
残業地獄を止め、人間的な労働環境にするには。
皆が外に出て見聞してこないといけないのだよ。
そして。
そういう人たちが日本に戻って偉くなって権限を持ったとき。
ニッポンの会社が変わればいいなって思うのですね。

若者よ。日本を出よ。
そして。私に職を明け渡しなさい(←結局これが言いたい)
オバハンはもう世界で冒険してきました。
帰る場所が欲しいのです。

                   * * * * * * *
契約の決定をメールで日本に伝えたら、友人は言った。
「でもさ。来月とかに日本で職が決まったらどうするんだろうね」
『………』
あー。そんなーっ。そんな非人道的な事になったら…。

ともかく。残された日々。
私は。彼らに愛されるように過ごそうと思う。
彼らがどんなに嫌な日本人に会っても。
日本が嫌いになれないくらい。
皆にね。愛されるようにね。
1人にだけ愛さてしまわないように気をつけながら…。
だって。1人に愛されてしまったら。
脱出できなくなるしー。

ってことは。ン?あれっ!?
恋愛禁止ですかー。えーっ。
やっぱり。ここ、絶対。お寺だーっ!禁欲だーっ!

というわけで。
リューベック寺での生活はもう少し続きます。

p.s. 夜中に。日本から私の人生ゲームのコマを進めてくれたみんな、ありがとう。

5 件のコメント:

  1. うー弱い、弱いぞ。。。と思いつつ
    僕もそうなるなと納得
    「きみはそんな人ではない...。」という台詞は、上から、やれよって言われるより拘束力あります。信じられたら弱いよね。。。
    いやー活字好きな僕、はらはら、どきどき楽しみました。まぁ、寒気団、冬将軍が襲ってきておりますが、なんとか生き抜きましょう

    ちなみに
    『若者よ。日本を出よ。
    そして。私に職を明け渡しなさい(←結局これが言いたい)』
    をひとり、ゲラゲラ笑いました。
    ありがとうございました。

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  2. はじめまして。いつもこっそり読ませていただいていました。
    私もいまドイツに住んでおり、同年代でもあるまゆまゆげさんの言っていることに共感する部分がたっくさんあってついつい全部読んでしまいました。
    まゆまゆげさんが日本に帰るかもしれないというのを少し残念に思っていたところ、しばらくはリューベックに残ることになったそうでなんとなくほっとしています。
    ではでは、また遊びにきます:)

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  3. > masatsugu さま、
    えーっ。やっぱり、情に流されてというか、騙されたというか、まるめこまれただけか? ウーン…。でもまあ、流されたにせよ、何にせよ。半年という終わりが見えたからよしとします。はあ。日本は一瞬近づいたと思ったが、まだ遠いなあ…。なんでこんな地の果てにいるのやら。

    > AKI さま、
    そうですか。ドイツにお住まいですか。こっそり読んでくれているなんて嬉しい!日本ではね、『ドイツ』って言うだけで、いいなー。しか言われないけど、ここの生活は過酷っすよね。でも、日本に来ている外人も同じように過酷なのかも。白人はチヤホヤされてもアジアの人とかは大変よね、きっと。では。寒い冬。私のドタバタ劇で楽しんでください。 次は何が来るのかしらね? あー。コワっ。

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  4. おおおっ!まゆげさんっ!!
    人の愛に触れて、はじめて顧みれる好い側面もあったのですね〜。終わりよければ全てよし、ですよ。ドイツ最終章突入だね、残りの生活楽しんで!be positive!

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  5. >キカイマルさま、
    そうそう。最終章突入だね。ここに来るまでながかったねー。最初に乗り込んだの2001年っすよ。2003年に撤退して、2005年にも撤退して。なのになぜか今またドイツいるしね。今回こそ最後の撤退! もー。寒い!汗とかかきたい。

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