2008年11月8日土曜日

履歴書に載らない履歴 #3

ハイ。履歴書に載らない履歴集その3。
ドイツまで来ました。
猫も杓子もドイツ語を操り。
犬だってドイツ語を理解する。
そんな国において、
ドイツ語レベルが犬以下のハンディを背負った人間に。
どんな職があるのか!

27歳、夏。ドイツ ミュンヘン。
いきなり。
デパートの地下食品売り場でスシを一人で売る。
周りはガタイのよいブッチャー。魚屋のオバハンとか。
そんなゲルマン労働者に囲まれ。
ときどき、「ほれ、これ食え」とか言われたりしつつ。
スシを売る。
最後に、従業員エレベータに乗り。
(これがドアもなく、しかも止まらないため、飛び乗って飛び降りる)
売上金をデパートの経理っぽい人に渡す。
で、裏門から出たら。
皆、たばこぷか~。みたいな。
そんなドイツ労働者階級の仲間入りをした。
そんな夏もつかの間。
ベルリンに向うため辞める。

27歳、冬。ドイツ。
こんどはカメラマン。
12日間で、ドイツ14都市を巡りドイツパンの取材。
慌てて足りない機材をそろえ、機材に8万円相当を使うも。
なんせ、なんちゃってカメラマン。
日本で見た事もない電球に使うフィルターを間違えたり。
あわててカメラの裏蓋開けてしまったり(フィルム時代です)。
あー。そういえば、
サブカメラを2階から落としたりもした。
夜は買ってきたパンをひたすらホテルで撮影し。
もうすでにパンの食い過ぎで味のわからなくなったライターの代わりにパンを食い。
パンの感想を言う。
そんな12日間で出来たパンの本は。
サイテーな出来であった。

27歳、冬。
さむーく、くらーい、ベルリン。
ドイツ語犬以下の身分なもので。
とりあえず日本食レストランで働くも。
そこに日本人はいなかったー。
「キツイけどそのうち慣れるからね」とタイ人のお姉さんはドイツ語で言った…。
さむーく、くらーい冬の先進国で。
小奇麗なレストランの地下では。
トロピカルな国から来た人々が、
地下でガムシャラになって働く。あの光景は。
インディアナ・ジョーンズ2に出てくる。
囚われた人々が鎖につながれ働くあの場所であった。
1週間で去る。


27歳、冬。ベルリン。
日本食品店にて店番。
一人で店を開け、一人で店番をし、店を閉める。
客は、ドイツ人、日本人両方来るが。
一日15人くらい。
まあ、気楽だがかなり暇。
私のビザがそろそろ切れるという理由で。
4ヶ月で終わってしまった。
ってかビザ出せよー。

28歳、夏。東京。
出稼ぎに1ヶ月半ほど日本に滞在。
月曜日から金曜日まで。1ヶ月半。
ひたすらコピー機の前で8時間、コピーを取る。
山と積まれたファイルを。ほどきコピーする。
そのファイルの山は、ビルの1フロア分。
一人でやる。
ピカーッと光が通ったら。
次の紙を入れる。
これだけの作業を8時間。立ったまま。
そして、ビルワンフロア分の紙。
いくらやっても焼け石に水。
エンドレス。
数々の単純労働を経験してきたが。
これはなかなかその極意であった。
単純労働で、かつ無意味な作業。
そして。
考えることを放棄しマシーンになることは。
どんな人間にとっても拷問である。
との持論はここにて完成される。

うーん。28歳か。まだ終わりませんなあ。
最後の東京のコピーはキツかった…。
この後、このコピー報酬をもって再びベルリンに渡ります。
次→履歴書に載らない履歴 #4

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