2010年11月9日火曜日

ドイツで鍛える生活 #42

**** 時空と異次元 ****

三途の川を渡り。
あの世(=リューベック)に来てからもうすぐ1年。
たった1年なのだが。盛り沢山すぎて。
自分としては7年くらいに感じる…。
日本に居たことがもう遥か昔なのだ。

なんといいますか。
浦島太郎が竜宮城で経験したように。
人間。あまりにも異次元に来ると。
次元だけでなく時空をも超え。
時間という軸にさえも異変が起きるのだ。
まあ。私は。時間という軸を信じておらず。
時間が一定であるとも思っていないのだけれど…。
(アインシュタインのように説明できないので割愛す)

ま。ともかく。
その地球の時間軸で言うところの1年前。
あの日。あの世の入り口。
ハンブルグ国際空港…。
この『鍛える生活』も。
そこからすべてが始まった…。

             * * * * * * * *
飛行機がハンブルク空港に着陸すると。
天井からビートルズの"Norwegian Wood"が流れ、
過去の記憶がどっと蘇り、激しく動揺したのは。
村上春樹の『ノルウェイの森』に出てくる "僕、37歳" であるが。

1年前。同じく"マユゲ、35歳"も。
ハンブルグ空港に到着すると。
ノルウェイの森の"僕"と同様。
こちらは過去でなく。
これからやってくる未来に激しく動揺していた。
("Norwegian Wood"は流れていなかったが)

あの日。空港を出たタクシーは。
アウトバーンをずんずん暗闇へ向かって走っていった。
暗闇を走っても走ってもまだ着かなかった。
いったい。ここはどこだ?
どこに来てしまったのだろう…(←超ションボリ)。

20代後半から30歳にかけて。
何回かこうやって鞄ひとつで海外に引越し。
その度に空港で死ぬほどの不安と戦ったけれど。
あのころはそれでも。
プータローであるがゆえに。
いやだったら。格好は悪いが…帰ればいい。
という逃げ道があった。

しかし。今回。
仕事という生活を守ってくれる砦を得たがために。
砦と共に『足かせ』もできてしまった。
もう。勝手には帰れない…。
この『足かせ』がズシ〜ンときた。

そして。
あの暗闇のタクシーの中で感じた不安は。
やはりそのまま的中した。

まず。あの世の洗礼。
2ヶ月半の洗濯物、手洗い地獄。
つたないドイツ語で必死に家を探し、契約し。
入居したら電気が通ってなかったり。
ロウソクも使ったっけ…。
布団がないのでヨガマットの上で寝たり。
ああ。洗濯機事件もあった…。
(参照: ドイツで鍛える生活 #11
インターネットを契約したら繋がらなかった。とか。
また。100年に1度か2度の極寒の冬にも見舞われ。
数ヶ月間。雪の上をマウンテンバイクで。
コケそうになりながら通勤し。
最終的には自転車も凍った…。
このトンチンカンな生活…。

このトンチンカンっぷりは。
ドイツ語が不自由だったり。
厳しい気候もまあ原因ではあるが。
何よりも。やはり。
社会がなんとなくしか廻っておらず。
土日。世の中が止まっていたりとか。
客より、自分といった調子で。
サービス業が全く機能していないことに。
起因している部分が大きい。

同僚なんかを見ていると思うのであるが。
この国では。仕事も。
言われたことをやらないといけない。
という感覚がないのだ。
ここでは。言われたことは。
『自分なりにやる』ものなのである。
この『自分なり』がドイツ中。
猛威をふるっているので。
サービスセンターでも。
面倒だから『できません』とか言ったり。
戦えばやっと動く。といった調子なのです。

つまり。日本の職場では。
やる事はやらないといけないので。
働く場でストレスを感じ。
ドイツでは。
やる事は自分なりにやればよいので。
そのしわ寄せとして生活の場でストレスを感じるわけです。
(戦い慣れているドイツ人は何とも思ってないかも…)
しかしまあ。
この中間の世界というのは作れぬものか…。

先日。
年末(休暇)の日本行きの航空券をネットで予約した。
しかし。ゲルマン流の仕事を知っている身としては。
今や。なーんにも信じられない状態。
あー。この旅行会社の人たち…。
ちゃんと航空券、発行できるだろうか。
と、やきもきする始末である。
これは。かなり異常事態だと思うのであるが…。
ま。この異次元では日常がそんなかんじ。

おっ。航空券の確認証がメールで来た!
おお。よくできましたー!ドイツ人!(バカにしてんのか笑)

やれやれ。
年末。日本に戻ったら。
1人だけ7年分、年取っているのかあ。
いやだなあ…。
1人だけ老けているの…。

2010年11月2日火曜日

ドイツで鍛える生活 #41

**** 戦う社会と太い神経 ****

めでたーい感じで。
条件付きの契約を更新し。
思わず、ドイツ&ルーマニア全国民まで。
愛してしまった先週から一転。
(参照: ドイツで鍛える生活 #40
やはり。鍛える生活は。
なーんにも変っていなかった…。

月曜日。そこに待っていたのは。
チームランチ。そして。
How was your weekend? 
(参照: 孤独論 1,  拷問的挨拶

このhow was your weekend 攻撃。
だんだんひどくなって。
今や。発表会状態。
チームランチで席につくと。
「えーっと。じゃあ。誰から始める?」とかなり。
(誰からって何がじゃーっ!)
「so... how was the weekend, アンドレ?」となり。
(出たーっ!)
で。アンドレが答える。
土曜日はxxに行って…。
日曜日は誰々と○○をしました。
(もーっ。バカ者っ!そんなに詳しく言うんじゃねー。
後の人もそれに続かないといけないだろーがーっ!!)
「はい。じゃあ次。ガブリエル」
みたいな感じで一人ずつ。
土曜日は何をしたか日曜日は何をしたかと。
発表する事態になっているのだ。

なんじゃー。これ?!
このプライバシーのないかんじ。
ほんと。やってられん。と思い。
最近はテキトーに週末をでっち上げている。
ほんと。でっち上げまですると。
(まあ。こんな事しているのは私だけだと思うが…)
一体。だがための何のための会話なのか。
もう。意味不明。
これが脱出するその日まで続くかと思うと。
ほんとブルーだ。
しかし。こんな事態に陥っているのは。
ドイツ。ン千万人の中でも私だけじゃないのかー?
なぜこんなにも鍛えられねばならぬのか…。

そして。もう一つ。
待っているものがあった。
すんごーい量の仕事。
もう日本より俄然働いている。という状態。

こちらの会社というのは。
基本。日々追い立てられたり。
責め立てられたりするのが普通で。
意外とノンベンタラリンと仕事ができない。
プロジェクトが一旦、スタートしたら。
会社へ行ったが最後。
ほんと。毎日が戦いで日々ヨレヨレ。
もー。死んじゃうっ!というかんじ。
しかし…。皆もこんなに大変なんだろうか。
ふと。周りを見渡すと…。

『まあ。そんな事言われてもね。無理なものは無理だし』と。
わりとケロっとしているのである。で。
「ねえねえ。テーブルサッカーやろうよ」
とか誘ってきたりして。
もー。わたしゃ。クソ忙しいんだよーっ!!
ってか。お前も忙しいはずだぞー。
と、断ろうとすると。
『でも。ブレイクは必要だし…』とか、
懇願するような顔で言うので。
「ほな。まあ」と。またもや丸め込まれ。
テーブルサッカーにちょろっと付き合い。
再び仕事に追いつめられるという状態。

で。当然。
「スケジュールより遅れている!なぜだーっ!」
と責め立てられるわけであるが。
ここが外人。
誰もが、ものすごーく『弁が立つ』ので。
口からでまかせみたいな言い訳が。
スラスラスラ〜っと出てくるのだ。

しかも。皆、戦い慣れている。
たぶん。これは。
社会で日常的に戦っているからだと思う。

たとえば。
何か買ったばかりの物がダメになり。
取り替えてもらおうとお店に苦情を言いに行っても。
担当の人は面倒だから。
一回目は基本。『できません』という。
で。そこで引き下がらずに。
やれ、責任者を出せだのなんやかんや戦うと。
サービス機能がやっと働いて。
取り替えてもらえるわけです。
日本だったらその場で。
「申し訳ございません!お取り替えします」と。
すぐ終わることが。
そこまでたどり着くのに2週間とか。
1ヶ月以上かかることだってある。
サービスも戦って得るものなわけです。

朝。バスに乗れば。
お釣りのないように(大きい額を渡すと怒られる)
ピッタリの額をバスの運ちゃんに渡すと。
「どこにいくんだっ!」と。
朝っぱらから怒られるわけです。
(だからピッタリの額、用意しといたのに…。ションボリ)
で。Rの入っているバス停名なんかだと。
うまく発音できないので。さらに。
「huh?! どこかって聞いているんだっ!」
とさらに怒られるわけです。

この。サービスは戦って得る。
接客が無愛想。
給料の40%以上が税金。
(日本で28万くらいの給料の人でも扶養がいなければ40%取られる)
で。その税金は。
生活費が足りない家に十分な生活費として回される。
という社会。お肉券こそ支給されないけれど。
(かつて。社会主義国ではお肉券なるものが支給されていた)
この国は限りなく社会主義に近いような気がする笑。

戦闘態勢が必要な社会ではあるのだが。
これが日常の彼らにとっては。
戦っているという感覚はない。
バスの運転手の態度も彼らにとっては。
『質問された』くらいにしか感じていないはず。

そもそも社会がタフなので。
彼らも、ものすごーくタフに出来ているのだ。
そして。そのタフな社会を口で渡ってきているので。
誰もが異様に言い訳機能が発達している。
(テキトーな論理立てがうまい)

察するという機能が発達した私たち日本人は。
口の機能が発達しなかった。
和を重んじる私たち日本人は。
日常的に戦闘態勢である必要もなかった。

というわけで。
私なんかが仕事の遅れの理由を説明しても。
『そんなのは言い訳にならん!』
と一蹴されて終わりなのである。

           * * * * * * *
あー。また同僚がやってきた!
もー。今。遊べないからねーっ。
忙しいから。今ダメだからねーっ。
あんた達みたいに口からでまかせが出ないんだからーっ。
と。思っていたら。

「ねえねえ。夜とか街に1人で出かけるの? 」
「 …… 」

もー。そんな事、フツー。聞くかーぁ?
あのねー。単身で来たのよー。このド田舎にーっ。
察しなさいよーっ!
あー。察するという機能がないのか。
君たちには…。

あーあ。もー。
物事を察してくれる国に住みたい…。
バスに乗っても怒られない国に住みたい…。

そういや。日本に送った履歴書はどうなったんだろう。

2010年10月24日日曜日

ドイツで鍛える生活 #40

**** 最終決断(後編)****
前回までのお話↓
参照: 最終決断(前編)

私の人生を懸けて。
日本とのメールのやり取りが。
仕事そっちのけで始まった…。

友人A:運命に流されてみなよ。
マユゲ:えっ。運命ってどっち?
友人A:誘われるほうが運命。
マユゲ:えっ。じゃあ。フランスじゃん。いやだー。いやだー。
友人A: 選択肢があるときは困難な方を選ぶんじゃなかったの?
(人生選択の方法: 失業ブルース#3, ドイツへ引っ越し#3
マユゲ:そうだけど…。
人生の選択はハードコアな方を取るべきだけどっ。
精神崩壊したら終わりなのよーっ!
冒険もそのへんの節度をもって冒険しないといけないのっ!

別の友人も参加:
友人B: 辞める時期もマユゲの勘だよ…。
マユゲ:でも。ここの生活がいやだから辞めるなんていうのは。
単なるわがままかも。今、簡単に日本に帰ったら。
神様から罰が与えられて仕事が見つからないかも…。
でも。あと半年ねばれば。
ご褒美に日本でも仕事をもらえるかも…。
友人B: そっかー。難しいねえ。 じゃあさ。
色々、契約に条件出せばいいじゃん。

再び友人A: もー。どれだって同じだよー。

ドイツと日本とフランスと。
どーやったら同じになるのよーーーっ!(←キレ気味)
でも。そうかも。結局。私は日本で4年半。
安定したヌクヌクした生活を送った。
これから4年間はどこ行っても転落人生ってわけか。
そういう意味では同じかも。
じゃあどこで転落するか。という選択なわけだ。

タイムリミットは刻々と迫る…。
もー。わかんなーい!というわけで。
コインを投げた(職場が個室だからこんな奇行もできる)。
10回投げてドイツだったら私は腹をくくる。

1回目-ドイツ。2回目-ドイツ。3回目-ドイツ。
ふう。『ドイツか… 』
4回目-日本。5回目-日本。6回目-日本。
『…… 』
ここでアホらしくなってやめた。
やっぱり、裏と表しかないから50%の確立ってわけか。
自分の頭で考えろってわけだ。あと半年か…。

友人B: だからさ。半年以内でも東京で仕事が見つかったら。
辞めてもいいみたいな契約にすればいいんだよ。
言ったもん勝ちだよ。
マユゲ:そっかー。
再び友人A: 日本は不況だよー。

夕方5時。ボスを捕まえた。
Can we talk now? Of course.

            * * * * * * * * *
私は辞めるのを半年延ばせる。だけど。
でも…。なんといいますか…その…。
半年以内でも日本で職が見つかったら辞めてもいい?

ボスはちょっと考えた後、OKと言った。
でも…。と私。
辞めるって分かっている人を雇いたい?いいの?
と聞いてみた。

普通は雇わない。なぜならば。
辞めるってわかっていると、人はちゃんと働かない。
だけど。君はそういう事する人じゃないから。と。
ニコッと笑ってボスは言った。
半年延長。日本に仕事が見つかったら1ヶ月前に言うこと。
これがボク達のAgreementだ。いいね。
ま。普通、こういう事しないけどね。
と言って。またボスはニコっと微笑んだ。

この瞬間。私はルーマニア全国民を愛した。
君たちがジャカイモと肉しか食わなくてもいいっ。
私は君たちが大好きだ。
そして。この決定は。
ドイツ人の一番上の大ボスまで伝えられ、承諾された。

辞めるのを前提で正社員で契約。という。
不思議な契約。
良識が常識を超えた…。
これは私が見たかった世界だ(参照: はかなき常識 )。

もちろん。これは。単に。
会社側としても都合がいいだけかもしれない。
でも。それでもいい。
たぶん。私は。
これからどんなに嫌なドイツ人とルーマニア人に会っても。
ドイツとルーマニアを心から嫌いにはなれない。
ま。こういう個人ベースで通じ合うことが。
国際平和みたいなものなのかしらね。
だって。その2つの国。もう憎めないもん。

日本の若者よ。よーく聞け。
レールから降りて自ら脱線せよ。
日本を出よ。世界は広いのだよ。
日本の下らん服装規定や。
軍隊チックな就業規則を止め。
残業地獄を止め、人間的な労働環境にするには。
皆が外に出て見聞してこないといけないのだよ。
そして。
そういう人たちが日本に戻って偉くなって権限を持ったとき。
ニッポンの会社が変わればいいなって思うのですね。

若者よ。日本を出よ。
そして。私に職を明け渡しなさい(←結局これが言いたい)
オバハンはもう世界で冒険してきました。
帰る場所が欲しいのです。

                   * * * * * * *
契約の決定をメールで日本に伝えたら、友人は言った。
「でもさ。来月とかに日本で職が決まったらどうするんだろうね」
『………』
あー。そんなーっ。そんな非人道的な事になったら…。

ともかく。残された日々。
私は。彼らに愛されるように過ごそうと思う。
彼らがどんなに嫌な日本人に会っても。
日本が嫌いになれないくらい。
皆にね。愛されるようにね。
1人にだけ愛さてしまわないように気をつけながら…。
だって。1人に愛されてしまったら。
脱出できなくなるしー。

ってことは。ン?あれっ!?
恋愛禁止ですかー。えーっ。
やっぱり。ここ、絶対。お寺だーっ!禁欲だーっ!

というわけで。
リューベック寺での生活はもう少し続きます。

p.s. 夜中に。日本から私の人生ゲームのコマを進めてくれたみんな、ありがとう。

2010年10月21日木曜日

ドイツで鍛える生活 #39

**** 最終決断 (前編) ****

この街に私の生活はない。
プライベートが充実していなければ。
仕事にも情熱がもてない。
だから。
プライベートライフは仕事よりも。
優先されるべきものだと思う。
私は仕事より。
プライベートライフを取る。

契約更新インタビュー。
辞めると言った。

ボスは私に無期限の契約書を用意していたが。
(ヒェ〜ッ!60歳までいられんがなーっ!)
この言葉を聞いたボスは納得した。
彼はルーマニア人。
やはり。仕事のためにドイツに来た。
彼の奥さんは。
誰も知らないこの街で。
この閉ざされた私生活の虚無感に耐えきれず。
自国に戻った。
彼は単身赴任なのだ。
そう。彼にも私生活はない…。
しかし。彼は止めた。

君の言うことはよくわかる。
でもあと1年。
いや。半年。がんばろうよ。
その間に東京の仕事探せばいいじゃん!
明日。もう一回聞くから。ねっ!
と言って。最終決断だと言う私を遮り。
1時間の面接は終わった…。

あと半年か…。ムリだー。
この不毛な私生活をあと半年はできない!
仕事のためにはいられない。
私は金よりプライベートライフを取る。
いや。待て。でも。
日本に。まだ私の生活はあるのだろうか。
もうないのかも…。
でも。ドイツにもない…。
結局。私は。
あの世(リューベック)に渡ったけど。
あの世にも入りきれず。
でも現世(日本)にもおらず。
三途の川で溺れているんだ…。
(参照: この世とあの世,  あの世へ行く意味


「マユゲ!」と声がした。
別の部署の子に呼ばれ、付いて行くと。
チョコレート買ってあげる。と言って。
10セント(10円)のチョコレートを買ってくれた。
みんな。やさしい…。
チョコレート。嬉しいけど。でもこの子。
私があと数年で40歳って知っているのだろうか…。


さて。自分のオフィスに戻ると。
ン!?フランスからメール。
パリのデパートで知り合ったあの人。
私とカンヌで。
セックス、ドラッグ&ロックンロールしたい、
(↑勝手に決めている)
あの女性である(参照: ドイツで鍛える生活 #37

ねえ。南フランスで仕事しない?
知り合いが仕事斡旋業やっているから。
仕事用意できるわよ。
今日なんてカンヌは25度よーーっ!

『………  』
運命よ。私をもて遊ぶんじゃないっ!無視!

帰り道。
トボトボとあぜ道を歩くと、もう泣けた。
こんな道を45分歩く
ドイツは引き止めてくれるのに。
よくわからんが。
フランスにも仕事あるのに…。
(なんでだー!?)
日本よ。君は振り向いてくれないのかい?

あー。大空よ。日本よ。
私を見捨てないでくれーっ(←魂の叫び)。
あっ。もしかしたら。
日本があの世になりつつあるのかも…。
もー。悲しーいっ!
どこにも属していない…。

夜。ベルリンの友達とSkype。
「もー。なんで、こう止められたりさあ。
なーんも関係ないフランスからも横やりが入るわけー?」
「トラップだよ。マユゲちゃん。トラップ」
そっか。わかった。罠か。
チョコレートも罠か…。

心は決まっている。
トラップには引っかからんぞー。
そもそも。私は男気あふれるので。
決断を変えたことなんてない!
だって。言った事を撤回するって格好悪い…。

今。日本が『あの世』になりつつあっても。
私はまだ三途の川にいる。
まだ間に合う。
今、戻れば間に合う…。

**** 翌朝 ****
Final decisionを掲げ。いざ出陣!と。
意気込んでいつものバスに乗り込んだはずが。
あれ〜っ。景色が違う…。このバス違う…。
途中で飛び降りたり、走ったりと。
奇行を繰り広げつつ会社到着。

よーっし。午後になった。
もう後には引けない。
そろそろ言わないと…。
ちょっと。一応。友達にも聞いてみよっと。
日本にメールした。

ここから数時間。
もう仕事そっちのけで。
数十本のメールのやり取り。
私の人生を懸けたギャンブルを。
皆が真剣に考えた。そして。
不動だったはずの何かが動き。
舵が急に大きく切られたのであった…。
最終決断 - 後編 - へ続く)



2010年10月18日月曜日

ドイツで鍛える生活 #38

**** 常識的就職活動と自己満足 ****

MC: 帰国ライブ(←想定)!イェ〜イ!
えーっと。これは。
肉とじゃがいもしか受け付けない同僚との。
チームランチの苦悩を唄った替え歌です(元の歌詞

♫ああ。料理することは。
難しいことじゃない。
ただ、食べたいものをー
つくればいいのさー♫
(中略)
♫だけど君たちはーっ、いつだぁーって
肉とじゃがいもしかーっ、
食わないーぃーよー♫
サビ:
♫今日だっーて君たぁーちーを想ーいながら
料理人は、作るよ。
だけど言えなかぁーったことーばがある。
短いから聞いておくれーよ♫
(ここで演奏を止める)
台詞: ああ。チームランチが…。
♫嫌いだあーったー。
(ジャーンジャカジャカジャカと演奏入る)

あれ。履歴書を書くつもりでPCに向かったが。
替え歌が1本できちゃった…。
そう。私は、これ以上就職活動できないのだ。
2件応募した。私はこれ以上もう書けない。

一般的に就職活動とは。
20件とか応募するようであるが。
私ははあの意味がわからんのだ。
その中の本命はほんの1、2件であろう。
それなのに20件出すということは。
自分の念と想いを20分の1にして応募するということなのだ。
本人は20件出した達成感もあり満足だろうが。 
実は。安全を狙っているようで。
非常に危険なことをしていると思う。

私は。もしこれ以上履歴書を書いても。
あの2件と同じくらいの情熱を持って応募できない。
だから。出さない。
私が採用する人だったら。
20件応募するような人を取らない。
だから。出さない。

今までもこの『念』ピンポイント方式で(笑)
狙った職を外さずに得てきたが。
今度は外すのだろうか。でも。
そしたら。もっと想いを込められるところに。
一件応募すればよい。それだけのことだ。
それでもダメだったら…。ウーン…。
あっ。替え歌専門の作詞家になろうかな…。
でも著作権がないから金にならないか…。
ウーン…。と、またもや迷走しつつ。
見えない先と対峙しているのだが…。

先日。ボスからメールが来た。
タイトル: Contract: 1 year interview
あーっ! そういえば。
一年ごとの契約であった!
あ。見えた! ドイツ撤退への一歩が…。
ボスとの面接は今週。
契約更新する気はないのだが何て言ってやめようか…。
『日本に住みたいから辞める』とか?
しかし…。

この街を気に入って住んでいる人に。
この街が嫌だから出たいとは言えない。
ドイツ人に。
日本の方がいいから日本に住みたいとは言えない。
そんな私個人の主観なんて彼らは一生知らなくていい事なのだ。
何事も『全てを言う』という行為には愛がない。
それは。自分がすっきりするという。
単なる自己満足である。
人間。全ての事実を暴露する必要も知る必要もないのだ。
あー。明日。なんて言おうかなあ…。

よし。ともかく。
何かが刻一刻と動きはじめた。
よーし。一個一個乗り越えれば。
日の出ずる国。ジャポーン。があるはずだ。
あれっ!?  しかーし…。
その『日の出ずる国』に私のものなんかあったっけ?
もう自分の家もないし…。職もないし…。
まあよい。行けー!日の出ずる国へ!
ニッポン!

2010年10月11日月曜日

ドイツで鍛える生活 #37

**** 迷走のススメ ****

「みんな大変な時期だったし忙しかったと思う。
おかげで◯◯と◯◯がリリースされました。Good Job guys!」
と。課の会議で言われて始めて知った。
えーっ。みんな忙しかったのぉ〜?
私、結構。暇だったんですけど…。
ウーム。
辞めるの言いにくいなあって思っていたけれど。
実は。辞めてもなーんも問題ないかもしれん…。

さて。私のリューベック脱出計画
目指せ日本!というわけで。
無事。履歴書も書き終わり2件ほど応募した。

しかーし。私。
履歴書に載らない履歴というのは沢山あるのだが。
(参照: 履歴書に載らない履歴 #1- 4
企業に見せられる職歴というのはほとんどなく。
見せられるのは直近の5年間のみ。
ま。5年の経験なんて大したことないので。
それを捨ててもよいわけで…。
つまり。何してもよいわけです。
そう。またもや超自由なのだ。

つまり。
すがれる経歴らしきものがない分。
前途は真っ暗であると同時に。
前途は無限に広がっているとも言える。
しかし。無限すぎるがために。
減った靴底を見るだけで。
『あっ。靴を修理する人になろうかなー』
とかなんとか思い始めたり。
もー。なんと言いますか。
迷走も甚だしいのです。

で。人生。迷走している時というのは。
ヘンテコリンな物事が寄ってくるもので…。
2週間前。パリのデパートで。
カンヌの海辺の豪邸にお住まいの。
アルジェリア人女性とお知り合いになった。
とは言え、5分間立ち話しただけなのだが…。
先日。メールが来て…。

ねえ。来月。会えないかしら?
今。カンヌは国際テレビ番組見本市をやっているの。
うちはねぇーっ! 毎晩パーティーなのよーっ!
パーティーよーっ!  PARTY!! と言う。

うーむ…。そのパーティーとやらは。
レス・ザン・ゼロ(*注1)のような世界じゃないだろうなぁ。
(*注1:  80年代のアメリカ映画。ロスの上流階級の若者がコカインとパーティーに明け暮れ、ドラッグに溺れていく様を描いたもの)
なぜ。君はそんなに私に会いたいのだ。
なぜ。カンヌで私と時を過ごしたいのだ。
えっ。まさかっ。ウーム…。

そう。これこそが。
自分が迷走している証なのだ。
ヘンな事が起きるのです。

そういや。昔。
ドイツで時給5ユーロで皿洗いしたりして。
やはり迷走していたとき。
日本人の物件探しのバイトに応募したら。
なんとその日本人。
ロシアに出入り自由な元武器商人!
戦地に武器を売るジャパニーズマフィア!
ヒョッ。ヒェ〜ッ!なーんてこともあった。
出で立ちも誰もが振り返るマフィア風。
結局。数日でビビって辞めたが。
あれも『迷走』が呼んだドラマであった。

人生は迷走すればするほど。
数奇な事が起きる。
人生が退屈だという人は。
迷走すればよい。
しかし。
迷走しつづけることはキツイのだ。

さあ。ここからのゲームは。
もう自分の第6感に従うしかない。
私の第6感よ。
私を正しい道へ導いてくれ。
カンヌは。
セックス&ドラッグ&ロックンロールですかー?
きゃ〜っ!
ああ。私のサイコロよ。
私をあまりへんなところに立ち寄らせないでくれ。
そして。3ヶ月後。
私はどこにいるんですかぁ〜?

ボードゲームの上でない。
本当の人生ゲームは続く…。

2010年10月4日月曜日

ドイツで鍛える生活 #36

**** リューベック脱出計画 ****

いよいよ。
リューベック脱出計画。
そのためにはこの土地以外に職を得ないといけない。
というわけで。
ずーっと、英語版、日本語版と。
履歴書を書いては改訂している。
昨日は10時間、今日も10時間。
それでもまだ一件も出来上がらないという有様。
あまりのストレスに途中、iTuneを起動し。
ワンクリックでアルバムを一枚買ってしまったりと。
迷走しつつ、履歴書と奮闘している。

何をそんなに改訂しているかというと。
もっとこんな風に言ったほうがいいのではないか。とか。
あ。あの件もアピールに付け足そうとか。
ウーム。ここの読点はおかしい…とか消したり。
句点を足したり消したりしているわけです。
そうこうしているうちに。
別な良いフレーズが浮かんだりして。
また書き直す←バカ。

さて。職探しをしていると。
いろいろと目に入る。
東京を目指しているのだが。
勤務地。北京とか。グラスゴーとか出て来たり。
ねえ。ロンドンに来ない? と言う人もいたりで。
その度に。
北京かあ…。東京に近いぞとか。
ウーム。ロンドンねえ。悪くないかも…と思う。
なんかこう。
言われる度に心が一瞬ブレるのです。

もうなんといいますか。
あまりにも失うものがなさすぎて。
あまりにも制約がなさすぎて。
あまりにも自由すぎて。
世界のどこに住んでもいいわけです。

つまり。超自由なのだ。
しかし…。

自由とはそれだけ希望があり。
それだけ夢もあるが。
自由とはそれだけ孤独でもあり。
それだけ哀しいということなのだ。

自由とは。
希望でもあり哀しみでもある…。

自由を得るということは。
孤独と哀しみをも抱え込むことで。
孤独と哀しみから脱却するということは。
自由を捨てるということなのだ。

両方はないのだよ。この世には。

さて。私の就職活動。
目指せ東京!というわけなのだが。
20時間かけてもまだ履歴書が一件も出来上がらず…。
そういや。今の会社に応募した時は。
『じゃあ。履歴書送って』と言われ。
ウッ。それが…。今。旅行中で…帰ったら送る。
とかなんとかウソついて。
実は。それからずっーと家に籠って書き続け。
完成したのは一週間後であった…。

はあ。
何をやらせてもこんなスローな人間に。
果たして。
東京の会社は反応するのだろうか。
そして。
わたくしは東京に帰還できるのでしょうか。
乞うご期待!