2010年11月24日水曜日

ドイツで鍛える生活 #44

**** 緊急事態発生 ****
※警告: 食事中の方、想像力たくましい方には、
不適切な内容が出て来てきます。

日曜日の朝。
トイレに行って手を洗おうとすると。
蛇口から。
シュポ。シュポシュポシュポ。シュポ〜。
シュルシュルシュル〜。と音だけした。
えっ!?
シャワーも同じ。台所もっ。

えーっ。 家中の水が出ん…。
もー。ショックすぎる…。
しかも日曜日。街は死んでいる。
(ドイツの日曜日は店が全部休み)

さあてと。どうすっかねえ。
昨日の残りのお茶で歯を磨きながら。
今現在ある水をチェック。

エスプレッソマシンのタンクに500cc。
BRITAの容器の中に500ccの水が残っている。
昨日の夜、作ったお茶が700ccほど。
豆乳も1リットルある。

うーむ。これで今日はしのげるか…。
しかし。ハウスマイスター(注1)は。
(注1: 家のケアをしてくれる管理人)
『どうせ、元栓が閉まっているんじゃないのー』
と。言うに決まっている。
そこをなんとか力説し、明日にでも来てもらわないと。
(今日は所詮無理と思っている←ちょと悟りの域)
あー。ドイツ語で電話。気が重い…。
とりあえず。
電話用のカンペの下書きを始めた。
あれ?元栓ってドイツ語ってなんて言うんだ?

そこへ『トゥルルルッ』と電話。
同じ地区に住む日本人からであった。
「水が出ないのー!」と。私。
「ああ。やっぱり…」

なんでも。
リューベックに供給する水のパイプが壊れたとかで。
街中に水が供給されていないらしい。
で。その家はまだ水が出ているとのこと。

なぁーんだ。そうだったのかっ!
それを聞いてなんだか妙に安心してしまった。
だって。自力でこの難問を解かなくても。
おうちでじっとお座りしていれば。
市が勝手に解決してくれるんでしょ。
あー。よかった!
他人まかせとはなんて楽ちんなんだ!

さてと。
復旧はいつしてくれるのかなー。
お皿を洗ったり洗濯はできないけど。
さっき。トイレの水は流れたし。
そのあと水がタンクに流れ込む音もした。
ということは。
トイレだけは大丈夫ってことか。
じゃあ。いっか。と思っていたのだが…。

再びトイレに行き、ボタンを押すと。
なんとっ。
ジャっ。で終わってしまったっ!
ン!?ジャージャー。って言わなかったぞ。
えっ。ヤバイ。
実は…。
ヤバイものをしてしまったのだ…。

とりあえず。
トイレットペーパーを大量に投入し封印。
見なかったことに。
『……… 』

まずい。
これは大変だ!大事件じゃないかー!
街中。皆。
両手にやかんを持って行き来しているに違いない。
あの家もいつまで水が出るか…。
『水を汲みに行かせてー』と先ほどの家に電話し。
急遽。ありったけの容器をかき集め通りに出た。

しかーし。そこには。
いつもと変わらぬドイツの日曜日があるだけで。
容器を抱えて歩いているのは私だけ。
皆。普通にブラブラ〜とお散歩をしている…。
えっ。なんでだー!?

               * * * * * * *
そのお家に行くと。
同じ地区なのに水が出た。
ま。ここもいつ出なくなるかわからない。
ということで。
バスタブにはたんまりと水が貯めてあった。
ついでにトイレも行っておこうと思ったのだが。
私が行って『ジャっ』で終わってしまったら…。
そんな忘れものを残していったら…。
このリューベックで貴重な日本人一家に。
もう二度と会えなーい!と思うと。
『トイレ貸して』とは言えず(←小学生かっ!)。
結局。4リットルほどの水を抱えて。
トボトボと家へ帰った。

ウーム。あの封印したもの。
あれはどうしようかなあ…。

家へ戻ると。やはり水は出ない。
参った…あれと共存せねばならぬ。
しかし。
皆はどうしているのだろうと思い。
ネットのニュースを見ると。

         * * * * * *
復旧の目処はたちません。
警察には100本以上の電話がかかってきており、
パンク状態なので。
もう警察には電話しないでください。
* * * * * *

とのこと。
なんじゃー。その。電話してくるな発言は〜。
しかし。100本って〜。
街中の水が止まっているのに…それだけ?

で。ニュースのコメント欄を見ると。
『ま。僕はそんなにシャワー浴びないしね』とか。
えーっ。やっぱ。ヨーロピアン、毎日シャワー浴びんのかっ)
『ま。うちはペットボトルの水が何本かあるから平気』とか。
『明日になっても復旧していなかったら、
明日の朝。炭酸の入っていない水を買ってこよっと』とか。
(ドイツのミネラルウォーターはガス入りが人気で主流)
そんな調子なのだ。

もう。さすが。
ある意味。尊敬に値する発言。
やっぱ。皆、不便な生活に慣れている。
えーっ。ってか。
みんな、トイレは〜?どうなのよっ!

これで私は確信した。
前にも言ったがドイツで鍛える生活 #4)
優雅な社会とは不便な社会である。
不便な社会とは優雅な社会である。

日本がゆとりある生活に憧れるなら。
便利さを捨てる覚悟を持つこと。
そこを見ずして。
日本は欧米社会を羨ましがってはならぬのだ。
いいですかー。皆さん。
ヨーロッパの休める社会は優雅であるが。
不便なんですよー。

この世には。
代償を払わずして手に入るものなど。
なに一つとしてないのだよ。

           * * * * * *
午後4時。8時間ぶりに水が出た。
もちろん。まっさきに。
トイレのボタンを押した。

ま。今回は珍事だったとしても。
やっぱり。私は。
トイレの水を。
明日流せばいいやなんて思えない。
そんな域までいけるのか…。
いや。そんな域までいきたいのか。

修行は続きます…。

p.s. 13万世帯の水が止まるという…さすがにこんな事件はドイツでも珍しいらしい。

2010年11月16日火曜日

ドイツで鍛える生活 #43

****  外から見るドイツとニッポンとイタイ人 ****

一時期やっていた。
レッツ・ゴー・ジャパン計画。
日本へ向けての就職活動であるが。
リューベック脱出計画
どうなったかというと。
念ピンポイント方式で書いた履歴書も外れ。
(ドイツで鍛える生活 #38 )
結局。どこも受からなかった模様。
ありゃー。おかしなあ。
念が足りなかったか…。
またどっか応募するかねぇ。
それか。雇われが無理なら自分で仕事を作るか…。

しかしまあ。
英語はたぶん犬以上理解していると思うが。
ドイツ語は間違いなくチワワ犬より理解していないし。
満足に操れるのは日本語だけ。という人が。
なぜ。ドイツで職があって日本でないのだー。
こんな人。いるのだろうか?
ドイツの会社で働きたい。
という日本人は沢山いるだろうに…。
(その夢想のドイツにリューベックは入ってないか…)
ま。なんか世の摂理を見ているような気がします。

さて。私のゲルマン不信症。
今や。年末の日本行きのE-ticketが来たにもかかわらず。
なんかのミスでこれだけ席が取れてなかったりして〜。
と思ったりする始末。
もー。ここまでくると完全にビョーキである。 

でも。 
世の中は自然にまわるものでなく。
ここでは。 
世の中は自分で押してまわすもの。
確認して押す姿勢が大事である。

ま。それだけ信じていないドイツ。
散々。不満も言ってきたし。
ここでもドイツをほとんど褒めていないが。
それでも。
えー。なんかドイツって…イマイチ。
日本が一番。とか言われると。
非常に腹立たしいのである。
かといって。
『えー。いいじゃーん。ドイツっ!』
みたいな女子の発言も非常に腹立たしく。
なんというか。こう。
両者に共通する絶対的経験の不足と。
視点の狭さと。
よいか。悪いか。という。
その2極的思想が気に入らないのである。

じゃあ。海を超え。
ドイツに住んでいる日本人や。
海外に住んだことのある人が。
もう日本なんてバカバカしくて。とか。
私は日本はダメだわ〜。
と言う分にはいいかというと。
それはそれで。
やはり。腹立たしく。
また。イタくもあるのだ。

いや。確かに。
見方によってはそう感じるのもわかる。
でもねえ。
20代の人が言っている分にはよい。
しかし。30歳を超えてそれを言うとイタい。
で。わりと。
そういう人を沢山見て来たのですねぇ。

自由であってもいい。
自由に発言してもいい。
ただ。
イタイ人になってはいけない…。

イタくみえるのは。
そこに矛盾と無理があるからである。
言動や物事に芯が通っていれば。
いくら無様な姿でもどこかに威厳があり。
イタくみえないはずなのだ。

ン!?私のリューベック生活は。
やっぱり。イタく見えるのだろうか…。
ああ。それはキツイ…。

2010年11月9日火曜日

ドイツで鍛える生活 #42

**** 時空と異次元 ****

三途の川を渡り。
あの世(=リューベック)に来てからもうすぐ1年。
たった1年なのだが。盛り沢山すぎて。
自分としては7年くらいに感じる…。
日本に居たことがもう遥か昔なのだ。

なんといいますか。
浦島太郎が竜宮城で経験したように。
人間。あまりにも異次元に来ると。
次元だけでなく時空をも超え。
時間という軸にさえも異変が起きるのだ。
まあ。私は。時間という軸を信じておらず。
時間が一定であるとも思っていないのだけれど…。
(アインシュタインのように説明できないので割愛す)

ま。ともかく。
その地球の時間軸で言うところの1年前。
あの日。あの世の入り口。
ハンブルグ国際空港…。
この『鍛える生活』も。
そこからすべてが始まった…。

             * * * * * * * *
飛行機がハンブルク空港に着陸すると。
天井からビートルズの"Norwegian Wood"が流れ、
過去の記憶がどっと蘇り、激しく動揺したのは。
村上春樹の『ノルウェイの森』に出てくる "僕、37歳" であるが。

1年前。同じく"マユゲ、35歳"も。
ハンブルグ空港に到着すると。
ノルウェイの森の"僕"と同様。
こちらは過去でなく。
これからやってくる未来に激しく動揺していた。
("Norwegian Wood"は流れていなかったが)

あの日。空港を出たタクシーは。
アウトバーンをずんずん暗闇へ向かって走っていった。
暗闇を走っても走ってもまだ着かなかった。
いったい。ここはどこだ?
どこに来てしまったのだろう…(←超ションボリ)。

20代後半から30歳にかけて。
何回かこうやって鞄ひとつで海外に引越し。
その度に空港で死ぬほどの不安と戦ったけれど。
あのころはそれでも。
プータローであるがゆえに。
いやだったら。格好は悪いが…帰ればいい。
という逃げ道があった。

しかし。今回。
仕事という生活を守ってくれる砦を得たがために。
砦と共に『足かせ』もできてしまった。
もう。勝手には帰れない…。
この『足かせ』がズシ〜ンときた。

そして。
あの暗闇のタクシーの中で感じた不安は。
やはりそのまま的中した。

まず。あの世の洗礼。
2ヶ月半の洗濯物、手洗い地獄。
つたないドイツ語で必死に家を探し、契約し。
入居したら電気が通ってなかったり。
ロウソクも使ったっけ…。
布団がないのでヨガマットの上で寝たり。
ああ。洗濯機事件もあった…。
(参照: ドイツで鍛える生活 #11
インターネットを契約したら繋がらなかった。とか。
また。100年に1度か2度の極寒の冬にも見舞われ。
数ヶ月間。雪の上をマウンテンバイクで。
コケそうになりながら通勤し。
最終的には自転車も凍った…。
このトンチンカンな生活…。

このトンチンカンっぷりは。
ドイツ語が不自由だったり。
厳しい気候もまあ原因ではあるが。
何よりも。やはり。
社会がなんとなくしか廻っておらず。
土日。世の中が止まっていたりとか。
客より、自分といった調子で。
サービス業が全く機能していないことに。
起因している部分が大きい。

同僚なんかを見ていると思うのであるが。
この国では。仕事も。
言われたことをやらないといけない。
という感覚がないのだ。
ここでは。言われたことは。
『自分なりにやる』ものなのである。
この『自分なり』がドイツ中。
猛威をふるっているので。
サービスセンターでも。
面倒だから『できません』とか言ったり。
戦えばやっと動く。といった調子なのです。

つまり。日本の職場では。
やる事はやらないといけないので。
働く場でストレスを感じ。
ドイツでは。
やる事は自分なりにやればよいので。
そのしわ寄せとして生活の場でストレスを感じるわけです。
(戦い慣れているドイツ人は何とも思ってないかも…)
しかしまあ。
この中間の世界というのは作れぬものか…。

先日。
年末(休暇)の日本行きの航空券をネットで予約した。
しかし。ゲルマン流の仕事を知っている身としては。
今や。なーんにも信じられない状態。
あー。この旅行会社の人たち…。
ちゃんと航空券、発行できるだろうか。
と、やきもきする始末である。
これは。かなり異常事態だと思うのであるが…。
ま。この異次元では日常がそんなかんじ。

おっ。航空券の確認証がメールで来た!
おお。よくできましたー!ドイツ人!(バカにしてんのか笑)

やれやれ。
年末。日本に戻ったら。
1人だけ7年分、年取っているのかあ。
いやだなあ…。
1人だけ老けているの…。

2010年11月2日火曜日

ドイツで鍛える生活 #41

**** 戦う社会と太い神経 ****

めでたーい感じで。
条件付きの契約を更新し。
思わず、ドイツ&ルーマニア全国民まで。
愛してしまった先週から一転。
(参照: ドイツで鍛える生活 #40
やはり。鍛える生活は。
なーんにも変っていなかった…。

月曜日。そこに待っていたのは。
チームランチ。そして。
How was your weekend? 
(参照: 孤独論 1,  拷問的挨拶

このhow was your weekend 攻撃。
だんだんひどくなって。
今や。発表会状態。
チームランチで席につくと。
「えーっと。じゃあ。誰から始める?」とかなり。
(誰からって何がじゃーっ!)
「so... how was the weekend, アンドレ?」となり。
(出たーっ!)
で。アンドレが答える。
土曜日はxxに行って…。
日曜日は誰々と○○をしました。
(もーっ。バカ者っ!そんなに詳しく言うんじゃねー。
後の人もそれに続かないといけないだろーがーっ!!)
「はい。じゃあ次。ガブリエル」
みたいな感じで一人ずつ。
土曜日は何をしたか日曜日は何をしたかと。
発表する事態になっているのだ。

なんじゃー。これ?!
このプライバシーのないかんじ。
ほんと。やってられん。と思い。
最近はテキトーに週末をでっち上げている。
ほんと。でっち上げまですると。
(まあ。こんな事しているのは私だけだと思うが…)
一体。だがための何のための会話なのか。
もう。意味不明。
これが脱出するその日まで続くかと思うと。
ほんとブルーだ。
しかし。こんな事態に陥っているのは。
ドイツ。ン千万人の中でも私だけじゃないのかー?
なぜこんなにも鍛えられねばならぬのか…。

そして。もう一つ。
待っているものがあった。
すんごーい量の仕事。
もう日本より俄然働いている。という状態。

こちらの会社というのは。
基本。日々追い立てられたり。
責め立てられたりするのが普通で。
意外とノンベンタラリンと仕事ができない。
プロジェクトが一旦、スタートしたら。
会社へ行ったが最後。
ほんと。毎日が戦いで日々ヨレヨレ。
もー。死んじゃうっ!というかんじ。
しかし…。皆もこんなに大変なんだろうか。
ふと。周りを見渡すと…。

『まあ。そんな事言われてもね。無理なものは無理だし』と。
わりとケロっとしているのである。で。
「ねえねえ。テーブルサッカーやろうよ」
とか誘ってきたりして。
もー。わたしゃ。クソ忙しいんだよーっ!!
ってか。お前も忙しいはずだぞー。
と、断ろうとすると。
『でも。ブレイクは必要だし…』とか、
懇願するような顔で言うので。
「ほな。まあ」と。またもや丸め込まれ。
テーブルサッカーにちょろっと付き合い。
再び仕事に追いつめられるという状態。

で。当然。
「スケジュールより遅れている!なぜだーっ!」
と責め立てられるわけであるが。
ここが外人。
誰もが、ものすごーく『弁が立つ』ので。
口からでまかせみたいな言い訳が。
スラスラスラ〜っと出てくるのだ。

しかも。皆、戦い慣れている。
たぶん。これは。
社会で日常的に戦っているからだと思う。

たとえば。
何か買ったばかりの物がダメになり。
取り替えてもらおうとお店に苦情を言いに行っても。
担当の人は面倒だから。
一回目は基本。『できません』という。
で。そこで引き下がらずに。
やれ、責任者を出せだのなんやかんや戦うと。
サービス機能がやっと働いて。
取り替えてもらえるわけです。
日本だったらその場で。
「申し訳ございません!お取り替えします」と。
すぐ終わることが。
そこまでたどり着くのに2週間とか。
1ヶ月以上かかることだってある。
サービスも戦って得るものなわけです。

朝。バスに乗れば。
お釣りのないように(大きい額を渡すと怒られる)
ピッタリの額をバスの運ちゃんに渡すと。
「どこにいくんだっ!」と。
朝っぱらから怒られるわけです。
(だからピッタリの額、用意しといたのに…。ションボリ)
で。Rの入っているバス停名なんかだと。
うまく発音できないので。さらに。
「huh?! どこかって聞いているんだっ!」
とさらに怒られるわけです。

この。サービスは戦って得る。
接客が無愛想。
給料の40%以上が税金。
(日本で28万くらいの給料の人でも扶養がいなければ40%取られる)
で。その税金は。
生活費が足りない家に十分な生活費として回される。
という社会。お肉券こそ支給されないけれど。
(かつて。社会主義国ではお肉券なるものが支給されていた)
この国は限りなく社会主義に近いような気がする笑。

戦闘態勢が必要な社会ではあるのだが。
これが日常の彼らにとっては。
戦っているという感覚はない。
バスの運転手の態度も彼らにとっては。
『質問された』くらいにしか感じていないはず。

そもそも社会がタフなので。
彼らも、ものすごーくタフに出来ているのだ。
そして。そのタフな社会を口で渡ってきているので。
誰もが異様に言い訳機能が発達している。
(テキトーな論理立てがうまい)

察するという機能が発達した私たち日本人は。
口の機能が発達しなかった。
和を重んじる私たち日本人は。
日常的に戦闘態勢である必要もなかった。

というわけで。
私なんかが仕事の遅れの理由を説明しても。
『そんなのは言い訳にならん!』
と一蹴されて終わりなのである。

           * * * * * * *
あー。また同僚がやってきた!
もー。今。遊べないからねーっ。
忙しいから。今ダメだからねーっ。
あんた達みたいに口からでまかせが出ないんだからーっ。
と。思っていたら。

「ねえねえ。夜とか街に1人で出かけるの? 」
「 …… 」

もー。そんな事、フツー。聞くかーぁ?
あのねー。単身で来たのよー。このド田舎にーっ。
察しなさいよーっ!
あー。察するという機能がないのか。
君たちには…。

あーあ。もー。
物事を察してくれる国に住みたい…。
バスに乗っても怒られない国に住みたい…。

そういや。日本に送った履歴書はどうなったんだろう。

2010年10月24日日曜日

ドイツで鍛える生活 #40

**** 最終決断(後編)****
前回までのお話↓
参照: 最終決断(前編)

私の人生を懸けて。
日本とのメールのやり取りが。
仕事そっちのけで始まった…。

友人A:運命に流されてみなよ。
マユゲ:えっ。運命ってどっち?
友人A:誘われるほうが運命。
マユゲ:えっ。じゃあ。フランスじゃん。いやだー。いやだー。
友人A: 選択肢があるときは困難な方を選ぶんじゃなかったの?
(人生選択の方法: 失業ブルース#3, ドイツへ引っ越し#3
マユゲ:そうだけど…。
人生の選択はハードコアな方を取るべきだけどっ。
精神崩壊したら終わりなのよーっ!
冒険もそのへんの節度をもって冒険しないといけないのっ!

別の友人も参加:
友人B: 辞める時期もマユゲの勘だよ…。
マユゲ:でも。ここの生活がいやだから辞めるなんていうのは。
単なるわがままかも。今、簡単に日本に帰ったら。
神様から罰が与えられて仕事が見つからないかも…。
でも。あと半年ねばれば。
ご褒美に日本でも仕事をもらえるかも…。
友人B: そっかー。難しいねえ。 じゃあさ。
色々、契約に条件出せばいいじゃん。

再び友人A: もー。どれだって同じだよー。

ドイツと日本とフランスと。
どーやったら同じになるのよーーーっ!(←キレ気味)
でも。そうかも。結局。私は日本で4年半。
安定したヌクヌクした生活を送った。
これから4年間はどこ行っても転落人生ってわけか。
そういう意味では同じかも。
じゃあどこで転落するか。という選択なわけだ。

タイムリミットは刻々と迫る…。
もー。わかんなーい!というわけで。
コインを投げた(職場が個室だからこんな奇行もできる)。
10回投げてドイツだったら私は腹をくくる。

1回目-ドイツ。2回目-ドイツ。3回目-ドイツ。
ふう。『ドイツか… 』
4回目-日本。5回目-日本。6回目-日本。
『…… 』
ここでアホらしくなってやめた。
やっぱり、裏と表しかないから50%の確立ってわけか。
自分の頭で考えろってわけだ。あと半年か…。

友人B: だからさ。半年以内でも東京で仕事が見つかったら。
辞めてもいいみたいな契約にすればいいんだよ。
言ったもん勝ちだよ。
マユゲ:そっかー。
再び友人A: 日本は不況だよー。

夕方5時。ボスを捕まえた。
Can we talk now? Of course.

            * * * * * * * * *
私は辞めるのを半年延ばせる。だけど。
でも…。なんといいますか…その…。
半年以内でも日本で職が見つかったら辞めてもいい?

ボスはちょっと考えた後、OKと言った。
でも…。と私。
辞めるって分かっている人を雇いたい?いいの?
と聞いてみた。

普通は雇わない。なぜならば。
辞めるってわかっていると、人はちゃんと働かない。
だけど。君はそういう事する人じゃないから。と。
ニコッと笑ってボスは言った。
半年延長。日本に仕事が見つかったら1ヶ月前に言うこと。
これがボク達のAgreementだ。いいね。
ま。普通、こういう事しないけどね。
と言って。またボスはニコっと微笑んだ。

この瞬間。私はルーマニア全国民を愛した。
君たちがジャカイモと肉しか食わなくてもいいっ。
私は君たちが大好きだ。
そして。この決定は。
ドイツ人の一番上の大ボスまで伝えられ、承諾された。

辞めるのを前提で正社員で契約。という。
不思議な契約。
良識が常識を超えた…。
これは私が見たかった世界だ(参照: はかなき常識 )。

もちろん。これは。単に。
会社側としても都合がいいだけかもしれない。
でも。それでもいい。
たぶん。私は。
これからどんなに嫌なドイツ人とルーマニア人に会っても。
ドイツとルーマニアを心から嫌いにはなれない。
ま。こういう個人ベースで通じ合うことが。
国際平和みたいなものなのかしらね。
だって。その2つの国。もう憎めないもん。

日本の若者よ。よーく聞け。
レールから降りて自ら脱線せよ。
日本を出よ。世界は広いのだよ。
日本の下らん服装規定や。
軍隊チックな就業規則を止め。
残業地獄を止め、人間的な労働環境にするには。
皆が外に出て見聞してこないといけないのだよ。
そして。
そういう人たちが日本に戻って偉くなって権限を持ったとき。
ニッポンの会社が変わればいいなって思うのですね。

若者よ。日本を出よ。
そして。私に職を明け渡しなさい(←結局これが言いたい)
オバハンはもう世界で冒険してきました。
帰る場所が欲しいのです。

                   * * * * * * *
契約の決定をメールで日本に伝えたら、友人は言った。
「でもさ。来月とかに日本で職が決まったらどうするんだろうね」
『………』
あー。そんなーっ。そんな非人道的な事になったら…。

ともかく。残された日々。
私は。彼らに愛されるように過ごそうと思う。
彼らがどんなに嫌な日本人に会っても。
日本が嫌いになれないくらい。
皆にね。愛されるようにね。
1人にだけ愛さてしまわないように気をつけながら…。
だって。1人に愛されてしまったら。
脱出できなくなるしー。

ってことは。ン?あれっ!?
恋愛禁止ですかー。えーっ。
やっぱり。ここ、絶対。お寺だーっ!禁欲だーっ!

というわけで。
リューベック寺での生活はもう少し続きます。

p.s. 夜中に。日本から私の人生ゲームのコマを進めてくれたみんな、ありがとう。

2010年10月21日木曜日

ドイツで鍛える生活 #39

**** 最終決断 (前編) ****

この街に私の生活はない。
プライベートが充実していなければ。
仕事にも情熱がもてない。
だから。
プライベートライフは仕事よりも。
優先されるべきものだと思う。
私は仕事より。
プライベートライフを取る。

契約更新インタビュー。
辞めると言った。

ボスは私に無期限の契約書を用意していたが。
(ヒェ〜ッ!60歳までいられんがなーっ!)
この言葉を聞いたボスは納得した。
彼はルーマニア人。
やはり。仕事のためにドイツに来た。
彼の奥さんは。
誰も知らないこの街で。
この閉ざされた私生活の虚無感に耐えきれず。
自国に戻った。
彼は単身赴任なのだ。
そう。彼にも私生活はない…。
しかし。彼は止めた。

君の言うことはよくわかる。
でもあと1年。
いや。半年。がんばろうよ。
その間に東京の仕事探せばいいじゃん!
明日。もう一回聞くから。ねっ!
と言って。最終決断だと言う私を遮り。
1時間の面接は終わった…。

あと半年か…。ムリだー。
この不毛な私生活をあと半年はできない!
仕事のためにはいられない。
私は金よりプライベートライフを取る。
いや。待て。でも。
日本に。まだ私の生活はあるのだろうか。
もうないのかも…。
でも。ドイツにもない…。
結局。私は。
あの世(リューベック)に渡ったけど。
あの世にも入りきれず。
でも現世(日本)にもおらず。
三途の川で溺れているんだ…。
(参照: この世とあの世,  あの世へ行く意味


「マユゲ!」と声がした。
別の部署の子に呼ばれ、付いて行くと。
チョコレート買ってあげる。と言って。
10セント(10円)のチョコレートを買ってくれた。
みんな。やさしい…。
チョコレート。嬉しいけど。でもこの子。
私があと数年で40歳って知っているのだろうか…。


さて。自分のオフィスに戻ると。
ン!?フランスからメール。
パリのデパートで知り合ったあの人。
私とカンヌで。
セックス、ドラッグ&ロックンロールしたい、
(↑勝手に決めている)
あの女性である(参照: ドイツで鍛える生活 #37

ねえ。南フランスで仕事しない?
知り合いが仕事斡旋業やっているから。
仕事用意できるわよ。
今日なんてカンヌは25度よーーっ!

『………  』
運命よ。私をもて遊ぶんじゃないっ!無視!

帰り道。
トボトボとあぜ道を歩くと、もう泣けた。
こんな道を45分歩く
ドイツは引き止めてくれるのに。
よくわからんが。
フランスにも仕事あるのに…。
(なんでだー!?)
日本よ。君は振り向いてくれないのかい?

あー。大空よ。日本よ。
私を見捨てないでくれーっ(←魂の叫び)。
あっ。もしかしたら。
日本があの世になりつつあるのかも…。
もー。悲しーいっ!
どこにも属していない…。

夜。ベルリンの友達とSkype。
「もー。なんで、こう止められたりさあ。
なーんも関係ないフランスからも横やりが入るわけー?」
「トラップだよ。マユゲちゃん。トラップ」
そっか。わかった。罠か。
チョコレートも罠か…。

心は決まっている。
トラップには引っかからんぞー。
そもそも。私は男気あふれるので。
決断を変えたことなんてない!
だって。言った事を撤回するって格好悪い…。

今。日本が『あの世』になりつつあっても。
私はまだ三途の川にいる。
まだ間に合う。
今、戻れば間に合う…。

**** 翌朝 ****
Final decisionを掲げ。いざ出陣!と。
意気込んでいつものバスに乗り込んだはずが。
あれ〜っ。景色が違う…。このバス違う…。
途中で飛び降りたり、走ったりと。
奇行を繰り広げつつ会社到着。

よーっし。午後になった。
もう後には引けない。
そろそろ言わないと…。
ちょっと。一応。友達にも聞いてみよっと。
日本にメールした。

ここから数時間。
もう仕事そっちのけで。
数十本のメールのやり取り。
私の人生を懸けたギャンブルを。
皆が真剣に考えた。そして。
不動だったはずの何かが動き。
舵が急に大きく切られたのであった…。
最終決断 - 後編 - へ続く)



2010年10月18日月曜日

ドイツで鍛える生活 #38

**** 常識的就職活動と自己満足 ****

MC: 帰国ライブ(←想定)!イェ〜イ!
えーっと。これは。
肉とじゃがいもしか受け付けない同僚との。
チームランチの苦悩を唄った替え歌です(元の歌詞

♫ああ。料理することは。
難しいことじゃない。
ただ、食べたいものをー
つくればいいのさー♫
(中略)
♫だけど君たちはーっ、いつだぁーって
肉とじゃがいもしかーっ、
食わないーぃーよー♫
サビ:
♫今日だっーて君たぁーちーを想ーいながら
料理人は、作るよ。
だけど言えなかぁーったことーばがある。
短いから聞いておくれーよ♫
(ここで演奏を止める)
台詞: ああ。チームランチが…。
♫嫌いだあーったー。
(ジャーンジャカジャカジャカと演奏入る)

あれ。履歴書を書くつもりでPCに向かったが。
替え歌が1本できちゃった…。
そう。私は、これ以上就職活動できないのだ。
2件応募した。私はこれ以上もう書けない。

一般的に就職活動とは。
20件とか応募するようであるが。
私ははあの意味がわからんのだ。
その中の本命はほんの1、2件であろう。
それなのに20件出すということは。
自分の念と想いを20分の1にして応募するということなのだ。
本人は20件出した達成感もあり満足だろうが。 
実は。安全を狙っているようで。
非常に危険なことをしていると思う。

私は。もしこれ以上履歴書を書いても。
あの2件と同じくらいの情熱を持って応募できない。
だから。出さない。
私が採用する人だったら。
20件応募するような人を取らない。
だから。出さない。

今までもこの『念』ピンポイント方式で(笑)
狙った職を外さずに得てきたが。
今度は外すのだろうか。でも。
そしたら。もっと想いを込められるところに。
一件応募すればよい。それだけのことだ。
それでもダメだったら…。ウーン…。
あっ。替え歌専門の作詞家になろうかな…。
でも著作権がないから金にならないか…。
ウーン…。と、またもや迷走しつつ。
見えない先と対峙しているのだが…。

先日。ボスからメールが来た。
タイトル: Contract: 1 year interview
あーっ! そういえば。
一年ごとの契約であった!
あ。見えた! ドイツ撤退への一歩が…。
ボスとの面接は今週。
契約更新する気はないのだが何て言ってやめようか…。
『日本に住みたいから辞める』とか?
しかし…。

この街を気に入って住んでいる人に。
この街が嫌だから出たいとは言えない。
ドイツ人に。
日本の方がいいから日本に住みたいとは言えない。
そんな私個人の主観なんて彼らは一生知らなくていい事なのだ。
何事も『全てを言う』という行為には愛がない。
それは。自分がすっきりするという。
単なる自己満足である。
人間。全ての事実を暴露する必要も知る必要もないのだ。
あー。明日。なんて言おうかなあ…。

よし。ともかく。
何かが刻一刻と動きはじめた。
よーし。一個一個乗り越えれば。
日の出ずる国。ジャポーン。があるはずだ。
あれっ!?  しかーし…。
その『日の出ずる国』に私のものなんかあったっけ?
もう自分の家もないし…。職もないし…。
まあよい。行けー!日の出ずる国へ!
ニッポン!